「身体を張りすぎているトムは何歳までミッションを続けるのか?」ミッション:インポッシブル デッドレコニング PART ONE ソニー・クロケットさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5身体を張りすぎているトムは何歳までミッションを続けるのか?

2023年7月22日
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鑑賞方法:映画館

イーサン・ハント扮するトム・クルーズの大ヒットシリーズが初の前後編に分かれた作品の前編。今問題化しつつあるAIの自我確立や暴走を念頭に置いたストーリー展開が繰り広げられイーサン・ハントが何故IMFに入ったのかという過去の話も伏線として含まれておりその伏線回収は恐らく後編に捻じ込まれるであろう終わり方はまさしくデットレコニング(推測航法)であり冒頭のシーンにも見事にリンクしている。
デジタル化が進んだ現代においてAIが暴走し自我に目覚め世界を支配できる事が起きればその時人類はどうなるのか?物語の途中でイーサン達のチームのネットワークがハッキングされイーサンは2人の仲間の内1人を失い1人を救うことしか出来ないと言う窮地に追い込まれてしまうがその時のIMF本部やイーサン達がとったアナログ的な行動がこの物語のカギになっている。
そのアナログ的な行動の1つが身一つで原点に帰ったアクションだろう、本来ならラップトップ1つで済むミッションがスパイ自身が身体を張りミッションを遂行するしかなく今回の1番の目玉と言えるべき身体を張った列車に飛び乗る為に断崖絶壁の崖からバイクでジャンプをしてパラシュート降下して乗り移るのだがメイキング等でもネタバレにはなっているが実際の崖にスタント用のジャンプ台を作り実際にトム自身がバイクに乗りジャンプをしている。彼には恐怖心が存在しないみたいである。そして更に凄いところはこの物語の為にわざわざ機関車と列車を作り実際に撮影で壊しているというところがクリストファー・マッカリー監督の本気度が伺える。
第1作目に登場したキトリッジ役のヘンリー・ツェニーがCIA長官役に返り咲き前作よりヴァネッサ・カービーも続投し更にはトップガンマーヴェリックにも登場したチャールズ・パーネルも脇を固めて豪華な出演となっているがハリウッドの俳優組合が長期のストライキに入ってしまった為にトム・クルーズや共演者の来日もドタキャンになり続編公開も延びてしまった為に続編がインポッシブルになってしまったのはファンとしては残念である。

ソニー・クロケット