「どうする気だ...そういうことか」ミッション:インポッシブル デッドレコニング PART ONE サプライズさんの映画レビュー(感想・評価)
どうする気だ...そういうことか
この段階で3時間!?もう、Part3くらいまで続くんじゃないか?シリーズ最長であり、最も情報量が多くて難解な本作。ストーリーの繋がりはそこまで深くないけど、このノリ、ある程度ミッション慣れしてないと絶対についていけない。前編でこのボリューム。続けて見たくて仕方がありません。
アクションに関しては、もはや言及する必要なし。
御歳61とは思えない、どちらの意味でもぶっ飛んだノンスタントアクションを今回も披露。トム・クルーズよ、あんたは観客をどんだけ楽しませて、冷や冷やさせれば気が済むんだ。本当に最高だよ。CG無しだからこそ臨場感は比じゃないんだけど、頼むから無茶して死なないでくれよ!?トム・クルーズという人間が生きているだけで、私たちはものすごい勇気を貰えるんだからさ。そろそろ身体的にかなり心配になってくる年頃だけど、本シリーズにはまだまだ力を入れて欲しい。本人もハリソン・フォードに敬意を表し、80までこのミッション・インポッシブルをやっていきたいっていってたしね。
イーサンを初めとした、ベンジー、ルーサー、イルサなどのお馴染みキャラ、前作からレギュラー化した白蜘蛛ことホワイト・ウィドウ。そして今回からの新キャラたち全員、すっごく魅力的に映し出されている本作。ワイルド・スピード並にファミリー(仲間想い)映画となっているこのシリーズは、回を重ねる度にアクションと共に、人間関係も厚く、見応えのあるものになっている。今回のMVPはヘイリー・アトウェルも最高に良かったけど、マンティスでお馴染みポム・クレメンティエフでしょう。大っ好きな女性キャラ、誕生。全作は見ていなくとも、ローグ・ネイション、フォール・アウトを見ていると、キャラへの感情移入は深まるし、ストーリー理解もスムーズかと。
だとしても難しい。たったひとつ(ニコイチ)の鍵を手に入れるだけの話なのに、AIやらCIAやら世界征服やらが絡んできて、字幕だと追いかけるのに必死になるほど忙しい。自然と再鑑賞の流れになってしまう。二部作のため、まだまだ謎が多く、消化不良気味ではあるけれど、AIを脅威だとする昨今の映画業界、ストライキと奇遇にも繋がる部分があって、非常に面白いストーリーでした。
パンフレットでも記載してあるように、トム・クルーズ映画は本人の意向により、シチュエーションで笑えたり楽しめたりするシーンが多い。今回は、予告でもある、ヘイリー・アトウェルとのカーレースシーンが印象的。手錠で縛られている手が不自由な環境の中で、どのように苦境を乗り越えるか。とてもトム・クルーズらしく、ミッション・インポッシブルの名に相応しいもので、スパイアクションの枠組みを超えた大胆な戦闘は、IMAXとの相性が抜群に良くて、笑えちゃうほど大興奮。難解でありながら、テンポが良くてクスッと笑えるシーンが多く挟まれるところが、このシリーズの大好きなところ。
舞台はイタリア・ローマ🇮🇹で、BMW大量破壊大迫力のカーアクション。自分の生命より仲間の生命を大切にする主人公。潜水艦。ロシア🇷🇺。何かと今年公開の「ワイルド・スピード ファイヤーブースト」との共通点が多い本作であったが、話の複雑さは歴然。1回じゃ噛みきれない緻密な設計にまんまとやられ、恐らくあと2回は見に行くことになるでしょう。
次回作はストライキ問題により来年公開されるか怪しいところではあるけれど、本作を何度も見て気長に待ちながら、またもや期待に胸を大きく膨らませておきます。164分という驚異の長尺にも関わらず、それを感じさせない圧倒的なボリューム。60代に突入して尚、進化し続けるトム・クルーズ。劇場内に響き渡る″あの″名曲は、今回が最も輝いて聴こえた。ミッション・インポッシブル史上NO.1オープニング。この映画シリーズ以上に緊張する作品を見たことがない。この夏、トム・クルーズが世界中の人々を熱狂させ、幸せにするという不可能と思われる大掛かりなミッションを、完璧に達成する。