「今回の敵は全米映画テレビ製作者協会(AMPTP)だ!奇しくも現実とリンクしてしまったド派手なAメロだけで出来たゴキゲンな作品」ミッション:インポッシブル デッドレコニング PART ONE よねさんの映画レビュー(感想・評価)
今回の敵は全米映画テレビ製作者協会(AMPTP)だ!奇しくも現実とリンクしてしまったド派手なAメロだけで出来たゴキゲンな作品
ということでメッチャ面白かったです。そもそもお話はトム先輩の命懸けスタントの数々を繋ぐための接着剤的なものなのでどうでもええかなと思っていましたがとんでもない。もう先輩が出てくるまでのイントロで血の気が引きました。
今回のイーサン達の敵は全米映画テレビ製作者協会(AMPTP)だ!
たまたまこんなことになったんだとしたら、この世界には映画の神様がいるってことだと思います。
散々予告映像他テレビやネットで見せ場がチラ見せされていますが、まず気になるのは結構1作目を彷彿とさせるカットが多いこと。キトリッジもやたらと登場するし。この辺りにはトム先輩なりに1作目をブラッシュアップしたかったのかなと勝手に想像します。盗ったり盗られたり追ったり追われたりのドタバタはもう完全にルパン三世。チンクエチェントがローマの街を爆走するシーンはあからさまに大塚康生オマージュ。当然ルーサーとベンジーが五右衛門と次元みたいな役回りになるわけですが、峰不二子に相当する美女がレベッカ・ファーガソン、ヴァネッサ・カーヴィー、ヘイリー・アトウェル、ポム・クレメンティエフと4人も登場する大盤振る舞いはさすがです。
もうほぼネタバレ的に公開されまくった劇中映像からあらすじはなんとなく読めますがなんせこれあくまでPART ONEなわけで、全編Aメロでサビがない。要するにちっともお話が先に進まない。ということでBメロから始まるPART TWOに思いを馳せながらもうアブダビ空港行ったついでに砂漠でロケしただけやん!とか屋根の上走りたかっただけやん!とか原付まとめて倒したいだけやん!機関車落としたかっただけやん!とかなんかロジャー・ムーア版007っぽいやん!とか思い思いにツッコミを入れながら163分間ニヤニヤしながら楽しむのが吉。そうするとバスター・キートン、ジャン=ポール・ベルモンド、スティーヴ・マックィーン、ジャッキー・チェンといった歴代のアクションスターから託された襷を提げて命懸けのスタントに挑むトム先輩の勇姿に本作の裏テーマが透けて見えてきて、終盤でイーサンが放つ一言でファンは号泣です。恐らくあれはトム先輩からの観客へのメッセージです。
ラロ・シフリンのあの旋律が観客の興奮をこれでもかと煽ってきますがエンドロールを見たら仰反ること間違いなし。劇伴にも惜しみなく予算を振り当てるファンサービスに身が引き締まります。
とにかく大スクリーンで観なければいけない大傑作。少なくともIMAXと4Dxで2回は観ておきたい。あとはもはやいつ公開になるか判らないPART TWOまで寝ててもいいです。