「後半じわじわ怖くなる、精神的ホラー」SPELL 第一章 呪われたら、終わり 中さんさんの映画レビュー(感想・評価)
後半じわじわ怖くなる、精神的ホラー
庭にプールのある豪華な一軒家に住む一家に襲い掛かる怪奇現象。自分の住む家が呪われている。そう恐れた家族から調査を依頼された主人公の霊能者・俊平に霊が憑依し、誰も知らなかった家の秘密が解き明かされる。大きな叫び声や血しぶきといったショッキングなシーンはほぼ無いにもかかわらず、時折現れる少女などの霊の姿にドキリとさせられる、昔よくあった恐怖漫画のようなホラー映画です。自らの身体に霊を憑依させ真相をさぐる俊平を演じる寺西優真さん、その祖父役の大村崑さん、さらに俊平の母とゴーストバスターズ・チームと怪奇現象におびえる主婦を演じる國光真耶さん、何か思うところある夫、家の不穏な状態に振り回される子供たち、謎の隣人、全ての登場人物の演技はシリアスで、精神的なホラー要素を盛り上げていきます。前半はあまり抑揚がなく怖さもないが、後半、とくに第2章につながるラストの「緑の猿」のくだりでじわりじわりと怖くなっていきます。霊能者の馬飼野一家についてあまり説明がないのですが、憑依しタイムスリップした寺西優真さんと大村崑さんの掛け合いは面白かったので、怖いシーンの間にこのコンビのユーモラスなシーンがもっとあったらいいなと思いました。第2章に期待大です。
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