「もっと有意義な映画をつくってください」ヴィレッジ pekeさんの映画レビュー(感想・評価)
もっと有意義な映画をつくってください
予想していたとはいえ、冒頭からひたすらこころ寒くなるような陰鬱な描写が続き、おまけに近くの席のおっさんが外から持ち込んだお菓子かつまみのビニール音をカサカサ鳴らし続けるので、途中でもう帰ろうかなと思ったのだけど、いつの間にか映画の世界に引き込まれていました。
というわけで『ヴィレッジ』。
物語は、ずうーっと、ある「秘密」を抱えて進行します。ドキドキして、後半までそれなりに楽しめたのですが、蓋を開けてみれば「秘密」も想定内のことで、全体を通して見ると、安っぽい感じのする内容でした。
以下、鑑賞中に思ったことを箇条書きにします。
①横浜流星は、ほんとうにイケメンだな。男前というだけでなく、なかなかいい役者だ。
②黒木華は魅力的、というか、男を吸い込む魔力のようなものを持ってるな。顔の(お肌が荒れてるのか?)ぶつぶつが妙にエロチックだ。
③夜中に廃棄物を人力で埋めていたが、なぜ重機をつかわないのか?
④あれだけボコボコにされたのに「メイクで隠せるだろ?」って、隠せるわけないだろ。
⑤人が行方不明になってるのに、何事もなかったようにみんな平然と日常をおくっていて不自然すぎる。
⑥あれだけ顔に負傷しているのだから、真っ先に優が疑われて、すぐに犯行が露見するはずだ。
⑦この村の警察は機能していないのか? 能を舞っている場合ではない。
⑧あれだけボコボコにされたのに、怪我の回復が異常に早い。不自然だ。
⑨エアバッグのついた車に乗るべきだ。
⑩こんなことはないだろうが、これに似たようなことはあるだろうし、彼らに似たような人はいるだろうな。
――などなど(映画の中の世界について、あんまり細かいことを言うのはよくないね)。
とにかく物足りなかったです。
もっと意表をついた、「そう来たか!」というような展開にしてほしかった。村社会の暗い因習のようなものが起因したストーリーなのかと思ったのだけれど、そうじゃなかった。不満です。土着的な要素や「血」(血統)の扱いかたも中途半端だし、能を取り入れた必然性もあまり感じられなかった。
お金を払って、2時間を費やして、いや~な気分になっただけでした。べつに見なくてもよかった。
厳しいことを言うようだけど、多額の製作費をつかって何やってるんだろうという気になっちゃいました。
もっと有意義な作品をつくってもらいたいものです。
いや~な気分にさせようと作った作品と理解してましたので、個人的には納得してました。オリジナルの企画でないらしい所が・・エアーバッグ気づきませんでした! 激しく同意。