「勿体無い」ヴィレッジ 八犬士さんの映画レビュー(感想・評価)
勿体無い
閉塞的な村に巣食う現代日本の闇と裏社会の縮図の中でもがきながらも必死に生きる、そんな青年の人生を期待して観に行きました。
色んな人が言ってますが色々詰め込みすぎだなぁと思います。
序盤から中盤にかけての村でのイジメや裏社会的な世界、嫉妬と借金地獄とゴミでクソみたい生活感は身近に感じられてすごく好きだったけど、中盤以降は正直あまり好きじゃないです
幼馴染が出てきてから「あれ?おかしいなぁ」となり、気づいたらトントン拍子で人生が上手く行き出して、挙句にはテレビ出演して場面が変わったと思ったらなんの過程もなくゴミ処理施設しかない村に観光客と観光バスで溢れていたりちょっとリアリティに欠けるなぁと思いました。
裏社会を表現するヤクザも出てきますが、たったの一人です。違法廃棄、借金の回収、脅迫。だいたいこの人が一人でやってます。トラックの運転手くらいは居たのかもしれません。もしくはトラックもこの人が運転してきたのかもしれません。
よくわかりませんが村のヤクザだから規模が小さいんですかね?この人物がヤクザの中でどの立ち位置にいる人物なのかもよく分からず、キレることもなかったんでどうもヤクザ特有の凄みみたいなのを感じられず、親戚のおじさんみたいな感じでした。なんなら最後の方は主人公の優にちょっとなめられてました。
どちらかというと村長の息子の方がヤクザっぽい。
この村長の息子も最初はヤクザだと思ってました。
村長の「うちのバカ息子はどこで何やってんだか」という発言があるまでずっとそう思ってました。
というかこの村長も最初はゴミ処理施設を経営するヤクザなのかなって思ってました。
あとビル一つない村にパチ屋があるのもちょっと違和感。
横浜流星さん目当てで見る分には星5あげたいですね。
ボサボサ頭で無精髭の姿は男から見ても非常にカッコ良かったです。
やさぐれた演技も良かったです。
なんだかんだ書きましたが、主人公の人生と生き方には共感してしまう部分があって、クズみたいな親の借金でコキつかわれ、暴力が日常な職場でも淡々と仕事をこなし、周囲から陰口を言われ死んでるのか生きてるのかよく分からない状態だけど、それでもギリギリのとこで生きようとする主人公を観てると応援したくなり、また観たいと思える作品でした。
最後に気になったのがちょくちょく出てくる能とゴミ処理場に空いた穴の意味が自分にはよく分からなかったんですけどなんだったんですか?あれ