劇場公開日 2022年10月28日

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「酷評になりますが」天間荘の三姉妹 Nightmare?さんの映画レビュー(感想・評価)

2.5酷評になりますが

2022年11月25日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

全般的に月並み感が拭えない。
特にセリフの面白くなさときたら…。
母違いの妹に対する天間荘の人々の対応が、初めから優し過ぎるんじゃないか。この世ならざる場所の住人とはいえ、もっと複雑な思いで当たる(その役は大女将が担っていたともいえるが)のが普通なのでは? 「ここで働かせてください」といわれてすぐ受け入れるのも安易だし、ここの人はみんないい人なんですよアピールだとしても、この時点で作劇上のタメが大きく削がれてしまったように思う。
たまえの人物描写も、平凡とはいえない人生を送ってきたにしてはあまりにも「のん」過ぎる。それこそ、『あまちゃん』の初めの頃の天野アキみたいな居心地の悪さ感が表現されていたら、少しは話に起伏が出たのではないか。
その他、どこかで見たことのあるような光景がいくつか続き、最後に大団円となるのだが、それの表現も月並み過ぎて、もう少し工夫の余地があったのではないか。
あと、会話中に「家族 家族」と、なにかと家族を強調し過ぎていて、ちょっと気持ち悪い。死んだ後(正確にはその途中か)まで家族を言い募るのは、確かにこの映画が亡くなった(生きている)家族を思う人々の話だからなのはわかるが、興ざめした。
2時間半の作品であれば、力点の置き場所は他にあったのでは。

みんな大好き・高良健吾扮する魚堂は、船に乗って去っていくところを含め、生きている家族との絡みも丁寧で心に迫った。この映画の感動ポイントはほぼ魚堂だったな。本当はこのようにみんなを成仏させるべきだったのだろうが、流石にそれは無理か。
寺島しのぶは、やはり存在感が違う。
近作の『さかなのこ』が予想以上の良作で、のんの個性がうまく発揮できた作品だった一方、今作はどこまでが演出だったのかわからない、なんかのん以外の誰でもない(褒めてません)演技で、その点に関する感動はほぼなかった。
それにつけても、能年玲奈(あえてこう呼ぶ)の背の高さよ。この存在感を生かした作品は出てこないかなあ。

Nightmare?