「のんちゃん雲に乗る」天間荘の三姉妹 たあちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
のんちゃん雲に乗る
大島優子と門脇麦とのんの三姉妹を観ずにはおられなかった。今年は「さかなのこ」に続いて当て書き的主演でこちらの世界に返り咲いたのんはやはり突っ走っていて魅力的で代替えが無い映画界のマティス的な稀有な存在で縛りの厳しいTV界には復帰できなくてむしろラッキーなのかもしれない。海辺の三ツ瀬という街の温泉旅館天間荘は現世とあの世の間にあるのだけれど事故とかで死んで間もない肉体もしっかりしている魂が逗留してご馳走を食べ湯につかりこのまま天国へ行くか現世に戻るかをゆっくり考えることができるというそれこそ凡人が考える天国的な世界で地獄へ落ちる心配は無いというのだからどれだけ立派な人々なの?と思っていると2時間過ぎたあたりで漸く分かって来る。大川隆法や丹波哲郎の大霊界を思い浮かべて拒否反応を示すむきもあると思うけれど「これじゃ死んでも浮かばれない」という感覚がこの世にはあるし誰も死んでいないのだから本当のところは分からないしファンタジーを見せる現世の映画でこそ描かれるべき世界。同時期に新海誠の最高傑作「すずめの戸締り」が公開されていることの因縁よ。三田佳子が居て良かった。
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