「観る前から心配な映画だが、やっぱりとっ散らかっている。」天間荘の三姉妹 caduceusさんの映画レビュー(感想・評価)
観る前から心配な映画だが、やっぱりとっ散らかっている。
冒頭から、この映画の説明シーンが続く。
非常に分かりやすいお決まりの展開だが、この世とあの世の中間に「三ツ瀬」という場所があるらしい。
タクシー運転手はメガネとマスクを付けているが、どう見ても永瀬正敏だ。
そして、名前が「のぞみ」「かなえ」「たまえ」とくる。
次々に様々なキャストが出てくるが、どうもしっくりこない。
のんさんは主役しかできないのだが、そこにあまり演技派を持ってきても、なかなか噛み合わない。
そして、あらら、そっちの方向か…となってしまってからは、「三ツ瀬」はどこで、何がどうなっているのか、まったくわからなくなってしまう。
役者もよく演技できたものだと感心してしまうほど、ストーリーがとっ散らかってしまう。
テーマとしても、あれほど魂とか、この世、あの世とか、視覚的に火の玉(人魂)を見せておきながら、魂はこの世に戻った人の心の中に残るという、あいまいな理屈で終わってしまう。
この映画はまさに、反現代科学、反唯物論、反プラズマ理論の上に成り立っているのだから、死んだ人はあの世に帰ればよかったのではないだろうか。
高良健吾演じる一馬は、どこへ旅立ったのだろう。
たまえが体験したのは、まさに臨死体験だ。それを思い出話のように語られても、なんの話なのか、これもよくわからなくなる。
そんな、不思議な映画だったということで、原作はまったくわかりませんが、もう少し尺を短くして、「三ツ瀬」の描き方も、もう少しあの世に寄せた方がよかったですかね。
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