「執念」神々の山嶺(いただき) Shouhei Oさんの映画レビュー(感想・評価)
執念
人生の節目に出会う作品。
神々の山嶺は最初の会社に入社した時のこと。2ヶ月の本社研修で、寮に住まなければない期間がありました。なので文庫版コミックスで適度な長さの漫画を探していた時に出会ったのが神々の山嶺。
当時はどんな作品かもよく分からず、面白いらしいぐらいの軽い知識しか持っていなかったのですが読み始めたら結局すぐに読みに読み切ってしまうぐらい魅了されたんです。
一瞬でした。
(そのあとすぐプラネテス買いました)
短いながらも濃密な描写と取材内容、シンプルで精緻なデザインされた画。そして、命を賭けた男の飽くなき挑戦と時代を変えるロマン。冬季エベレスト南西壁無酸素単独登頂に挑む羽生の狂気と執念を追いかける深町の姿に魅入ってしまった。
そんな名作をフランスでアニメーション化。
第47回セザール賞アニメーション映画賞を受賞した本作。
まさしく山登りの様に、必要なストーリーを選び、無駄を省き、鋭く選び抜いたストーリーと圧倒的な大自然の迫力。日本語吹き替えには堀内賢雄さんと大塚明夫さんという抜群の安定感。渋かった〜。
渋さの頂きに辿り着いていたのは言うまでも無い。
実写版もありますが、アニメ版の方が個人的には好きです。
大人の渋いアニメーション映画です。
94分でこれだけ描けるのはすごい。
また人生の節目に見たいと思います。
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