「【”母の頭の中の何かが溶けて行く・・”認知症を患った母を持つ息子の苦悩、義理の娘の戸惑い。だが・・。ラスト”4人”で食卓を囲むシーンに微かな光を感じる認知症を新たな視点で捉えた作品。】」イカした人生 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”母の頭の中の何かが溶けて行く・・”認知症を患った母を持つ息子の苦悩、義理の娘の戸惑い。だが・・。ラスト”4人”で食卓を囲むシーンに微かな光を感じる認知症を新たな視点で捉えた作品。】
■そろそろ子供が欲しい30代カップルのアレックスとノエミ。
ところが、アレックスの母親・スザンヌにおかしな行動が目立つように。
スザンヌは認知症という病気にかかっており、子供に戻ってしまったような母親に手を焼くノエミとアレックスだったが…
◆感想<Caution! 内容に触れています。>
・認知症をテーマとした作品は、どうしても重くなりがちだが、この作品にはどこか突き抜けた明るさがある。
それは、認知症になったスザンヌの子供の様な行動が、どこかコミカルに描かれているからではないかと思う。
■劇中、頻繁に出てくる紙のようなモノが、水のような溶液の中で溶けて行く暗喩的なシーンも効果的である。
・スザンヌは、本人も気付かないうちに大借金をしているのに、真っ赤な車を購入していたり、彼女を介護するケヴィンが紹介するヴィバルディ・メタルヴァージョンを好んだり(あれは、格好良い。欲しい。)認知症なのに、人として崩れていないのである。
ー スザンヌが、キャリアウーマンだったからだろうか・・。-
<アレックスとノエミ、そして介護するケヴィンのスザンヌに対する接し方も良い。
スザンヌをキチンと”人”として扱っているからである。
”施設に入れるより彼女は恵まれている”というケヴィンの言葉は尊い。
そして、アレックスとノエミの間に出来た赤ちゃんと、認知症が進んで赤子の様になったスザンヌが家の庭のテーブルで食卓を囲むラストシーンも、印象的な作品である。>
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