恋人はアンバーのレビュー・感想・評価
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偏見・差別という銃弾
難しいテーマをテンポ良く、軽やかに、でも大事な部分はしっかりと描いた良作。
生き辛さから脱却する方法は色々あるけど、アンバーは勇気がある。その強さをエディにも見習って欲しいけど…
エディ、あんたならきっとできる。
射撃訓練の弾も当たらずに自転車で駆け抜ける事ができたように、偏見という弾に殺される事なく、この先も自分らしく生きて行ってほしい。
希望の持てるラストに、思わず泣いてしまった。
良き青春映画!
2022.79本目
1995年アイルランドを舞台に、ゲイとレズビアンの高校生が偽装カップルになるおはなし。
アンバーもエディも、キャラクターが良い!!
他の同級生たちも、意地悪で残念な人たちではあったけど、動きや言葉がコミカルで愉快でした。笑
2人の関係はたしかに友情だったけど、どこかに愛もあったんじゃないかなぁとか思ったり思わなかったり…。エディが、「愛してる」と言ったのはヤケクソもあるのかもしれないけど、後半の方はわりと本気だったのかもと感じました。まぁでもやっぱり、性の部分が合わさらないと難しいのだろうね。
性や愛や友情について考えちゃいました。
パンフレットを読んでいて、ダブリンに2人で繰り出した時の写真をみて、なんと輝いていた時間なんだろうか…🥲と、なんともいえないくすぐったい気持ちになりました。これぞ、青春映画!
自分を受け入れてくれる場所はあるか
レズとゲイの2人は差別的な社会の中には居場所がない。
学校でも居心地が悪い…だから付き合ってることにして居場所を獲得しよう!という導入。
しかし、時を経る中で『その環境の中で自分を認めてもらう』アンバーと、『環境下では自分を偽り続けてしまう』エディとで在り方が割れていってしまう。こうなるともう、関係は継続できなくなりますよね。
異性であろうが同性であろうが、価値観が合わなくなれば同じように友情関係を維持していくことは困難で、思春期のその移ろいやすさが切ない。
アンバーが必死に貯めた貯金をエディに渡したのは、彼女が地元に自分の居場所を築けたから。その勇気を持てたのは他ならぬエディとの時間があったから…なのですが……
お前もっと自主的に頑張れよと若干イラついてしまうラストでした。
偽装する男女、偽装したくもなる社会
「イミテーション・ゲーム」だったか、イギリスに同性愛を禁じる法律があったことを知ったのは。しかも結構最近まで廃止にならなかったことも驚きだった(30年前なら意外と昔だがおじさんには結構最近の話)。そんな同性愛を禁じる法律が廃止されて2年後のお話。
舞台がアイルランドってことで宗教的な問題やその土地の閉塞感が色濃い設定だった。性行為を指南するビデオの気持ち悪いこと!でもそれが逆に笑えるから不思議。U2の曲で合唱するシーンもちょっと面白い。話される英語もアイルランドっぽい。
ゲイの男女が偽装カップルを演じるというこの話。当時のアイルランド(アイルランドだけではないが)が同性愛者にとってとても生きづらい社会だったことが描かれる。少し笑える演出になっていたが、ゲイに対する偏見や反発はかなり激しい。
偽装カップルだったはずなのに徐々に…という予想通りの展開。でも、男女の恋愛だけではない人間同士の関係性や、自分が自分である生き方を切り拓こうとする姿はやはり感動してしまう。正直その先の2人のことも知りたかったが仕方ない。とてもいい青春映画だった。
親友はアンバー
本当の自分をさらけ出せない男子は、自分にやや正直な女子のおかげで本当の自分を認めることができたし、愛情に似た友情を手に入れられた。男女に恋愛感情しかなくてはいけないなんて誰が決めたのだろう?それにしてもアイルランドの思春期の子達、がっつきすぎ!
「デイヴィッド・フレイン監督の実体験を反映」
今年126本目。
監督・脚本のデイヴィッド・フレインの実体験を反映した作品。1995年のアイルランド。アイルランドの田舎町で若者がここまで性に目醒めている学校あるのかなと日本じゃ考えられない文化、そこがまた映画としていい。周りに流されず自分の好きを貫くって特に若い時は本当に難しいと思います。大人になると人生の半分はもう少し先ですが、なりふり構ってもいられないと思うので。
性の描写があるのでアカデミー賞作品賞は少し難しいと思いますが、アカデミー賞クラスの作品でした。
最後泣いてしまった 素朴で80.90年代ノスタルジー感のあるBGM...
最後泣いてしまった
素朴で80.90年代ノスタルジー感のあるBGMで、
いじめられっ子のレズとゲイがみんなには恋人同士と嘘をついて高校生活を乗り切ろうとする話
だけど、やっぱりれずは女の子に惹かれるし、ゲイは男の子に惹かれる…
段々とのその約束は崩れていく…だけだゲイの方はそれがすごく辛そう
青春の一ページ、たくましいレずビアンの女の子。最後の彼らのお別れのシーンには泣いてしまった。
彼はどこに向かったんだろう。
シュールなユーモアもよかった。
青春映画は苦手だと思っていたけど、観てよかった。
見終わった直後、出口へ進む際、 近くにいた2人組が、 「いい映画だ...
見終わった直後、出口へ進む際、
近くにいた2人組が、
「いい映画だったね」
「うん、そうだね」
と会話していたのがとっても印象的だった。
自分を肯定して生きると言うこと
人それぞれだけど、それなりの覚悟がいる事だと。家庭環境含め悩ましい様子を重苦しくならない様に良く描かれてるかと。
悩みすぎて自害してしまう事だってある。
ラストも良かったかと😄
少し気になる点もあるけど、性的問題をユーモアありで軽く論じた良い作品。
今年319本目(合計594本目/今月(2022年11月度)6本目)。
自身がゲイであると感じる男性と、自身をレズビアンと感じる女性をめぐる恋愛のお話。
舞台は高校かな…。高校のようだけど、数学の先生、なぜか学部レベルの複素関数論の話をしていたような…。(日本では、理系選択で、かつ2年配当レベル)。まぁ、本質論ではないですから。
で、ここの紹介などもあるように、「ちょっと古い時代の、閉鎖的な雰囲気の町」が舞台です。そのため、最初にちらっと出てくる「正しい性行為入門」(というビデオを見る保健?の科目が存在するらしい?)なども、「まぁあの時代なら…」だし、そもそもこの映画はPG12なのでそんなにあれもこれも描かれていませんが、「あんなにストレートすぎる内容」をビデオ学習でやるんでしょうか…(しかも「入門編」ということは「応用編」とかあるの?考えるだけでも何かいやになりそう…)。
まぁ上記のように設定は「重め」なものの、描写がとても「軽い」ので(この謎の「正しい性行為入門」の描写がまた変だったり…)、コメディ枠という観点もあるのかな、と思ったくらいです。
よくある、「性について自分の考え方が定まっていない男女の一つの恋愛」を描いたもの、と考えることもできるし、そう考える限りそうそう変な部分はないです。まぁビデオの件は本当に謎ですが…。
なお、このように「定まっていない男女の」とあるように、どちら(この映画では誰を主人公にするのか1人には定まりにくいと思いますが、付き合っている2人と解するのが妥当)もまた横にそれて、そこでうふふシーンがあったり(ただしPG12扱いなので直接的な表現はない)、まぁ悪く言えば「PG12の許される枠を使い切ったなぁ」という感じなのですが、それでもその範囲で納めてコメディタッチにした点はよかったかな、というところです。
確かに若干気になるところもあるものの、LGBT(性自認などの論点)を含んでおり、こうした点については概ね妥当な描写がされているので、途中の「謎のビデオ」がどうこうというのもPG12ということも考えればありかな、という感じです。換言すれば、LGBTをメインにしてどすりと備えて扱う映画より、いろいろな「ネタ」を入れて、それらも入れた中で「こういう人たちもいます」という問題提起型の映画、とも取れそうです(お話自体は完全に架空ですが)。
こういう観点でみた場合、特に減点対象まで見出しにくかったので、減点なしにしています。
スゴイと思ってしまう
161本目。
なんだ、この始まり、このサウンド。
A24製作?えっアイルランド映画。
斬新と言うか、新鮮と言うか、衝撃的と言うかで。
にしても、95年を描いた作品だけど、この風紀は。
デリケートな作品だと思うし、当時はまだそうだったし。
完成された、未完成な作品。
ゲイとレズが恋人になる!
学生のゲイとレズが抱える悩みを明るく描いた映画。
馬鹿にされたりイジメにもなるから、隠しながら過ごす、、、リアル、ちょっと切ない。
設定は重いはずが、POPにユーモア入れた物語になっていて、誰が観てもスンナリ入る、楽しめる仕上がりになってました。
単純に面白かったです。
テンドン
この物語、わずか四半世紀ほど前のアイルランドが舞台ですが、元々保守的なイメージが強い同国とは言え、今の時代感でみる同性愛に対する人々の言動が散々に酷く、アンバーの「卒業したら町を出ていく」という決意は「さもありなん」と思います。
そんな悲惨ともいえる世界観なのに何故か苦笑いしながらも観られてしまうのは、どこか可愛げすら感じてしまう「アイルランド方言の英語」にあります。元々英語は字幕頼みの私ですが、劇中の英語は「Thank you」すら字幕で理解できるほど。ただ、辛辣なことを言っているのにも関わらず、聞こえてくるその言葉の感じが可愛らしくて、ついつい笑ってしまうのです。
物語は正にハイティーンの難しい年ごろの男女が、目覚めて間もない「性」について無理解のまま暴走していています。その上に時代や宗教、且つ地域性、そして家族に対する後ろめたさも相まって「同性愛者」である自分を否定しようと、必死に、だけどついつい間違った方を選びがちなエディ。
そんなエディの「救いの神」とも言えるのがアンバーなのですが、まぁ兎に角チャーミングな彼女。一人拗らせて周りが見えなくなっているエディに、「あるギミック」で気づかせる方法が酷過ぎて、3度あるその「テンドン」につい吹き出してしまいます。(下手したら死ぬよw)
本人たちの身になればホントに残酷な状況なのですが、「ティーンエイジャー拗らせ物」は観ててキュンとなりますよね。そしてこの作品も約束通り、終盤涙腺を刺激してくれるシーンで清々しい気持ちにさせてくれるのです。素敵。
自己肯定/受容への紆余曲折な道程
主演2人が魅力的だった!! エディとアンバーのウィンウィンな関係?
自転車通学で音楽聴いていて射撃訓練している場所に気づかず突っ込んでいっちゃう冒頭が象徴的。周囲の雑音を必死でかき消しては、あるべき道に沿って進もうとする主人公エディの苦悩と葛藤がひたすらリアルに描かれる。つまりは誰もが映画みたいにそうキレイに自分を受け入れれたりするわけじゃない、ということで揺さぶられる。それは時間がかかるもの。
"普通"ってなんだ?舞台は1995年のアイルランドで、意義のある疲労感のある内容。最後は、それまで見ていてもどかしいくらいに迷っては本来の自分を否定してきていたからこそ、カミングオブエイジ青春映画として王道な気持ちよさがあった。ありのままの自分を認めてあげることから、何もない田舎町で過ごした青春時代とそこからの脱出・出ていくことという普遍的テーマにも至っていく、ロマコメからの変化球な友情モノ。
けど、あんな大きな石を背後から不意打ちの剛速球で後頭部とかに3度くらいブツけられていたら流石にヤバいだろ…と言いたくなった、冷静なツッコミ。
勝手に関連作品『たかが世界の終わり』
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