劇場公開日 2022年11月3日

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「少し気になる点もあるけど、性的問題をユーモアありで軽く論じた良い作品。」恋人はアンバー yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0少し気になる点もあるけど、性的問題をユーモアありで軽く論じた良い作品。

2022年11月5日
PCから投稿

今年319本目(合計594本目/今月(2022年11月度)6本目)。

自身がゲイであると感じる男性と、自身をレズビアンと感じる女性をめぐる恋愛のお話。
舞台は高校かな…。高校のようだけど、数学の先生、なぜか学部レベルの複素関数論の話をしていたような…。(日本では、理系選択で、かつ2年配当レベル)。まぁ、本質論ではないですから。

で、ここの紹介などもあるように、「ちょっと古い時代の、閉鎖的な雰囲気の町」が舞台です。そのため、最初にちらっと出てくる「正しい性行為入門」(というビデオを見る保健?の科目が存在するらしい?)なども、「まぁあの時代なら…」だし、そもそもこの映画はPG12なのでそんなにあれもこれも描かれていませんが、「あんなにストレートすぎる内容」をビデオ学習でやるんでしょうか…(しかも「入門編」ということは「応用編」とかあるの?考えるだけでも何かいやになりそう…)。

まぁ上記のように設定は「重め」なものの、描写がとても「軽い」ので(この謎の「正しい性行為入門」の描写がまた変だったり…)、コメディ枠という観点もあるのかな、と思ったくらいです。

よくある、「性について自分の考え方が定まっていない男女の一つの恋愛」を描いたもの、と考えることもできるし、そう考える限りそうそう変な部分はないです。まぁビデオの件は本当に謎ですが…。

なお、このように「定まっていない男女の」とあるように、どちら(この映画では誰を主人公にするのか1人には定まりにくいと思いますが、付き合っている2人と解するのが妥当)もまた横にそれて、そこでうふふシーンがあったり(ただしPG12扱いなので直接的な表現はない)、まぁ悪く言えば「PG12の許される枠を使い切ったなぁ」という感じなのですが、それでもその範囲で納めてコメディタッチにした点はよかったかな、というところです。

確かに若干気になるところもあるものの、LGBT(性自認などの論点)を含んでおり、こうした点については概ね妥当な描写がされているので、途中の「謎のビデオ」がどうこうというのもPG12ということも考えればありかな、という感じです。換言すれば、LGBTをメインにしてどすりと備えて扱う映画より、いろいろな「ネタ」を入れて、それらも入れた中で「こういう人たちもいます」という問題提起型の映画、とも取れそうです(お話自体は完全に架空ですが)。

こういう観点でみた場合、特に減点対象まで見出しにくかったので、減点なしにしています。

yukispica