「バカバカしさの先にエモさが生まれる感涙パロディ映画」バッドマン 史上最低のスーパーヒーロー 村山章さんの映画レビュー(感想・評価)
バカバカしさの先にエモさが生まれる感涙パロディ映画
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「ヒャッハー」二部作の、そしてマンガ実写化の金字塔であるフランス版「シティハンター」のフィリップ・ラショー一座が、今度はDCからマーベルまで、近年のスーパーヒーロー映画をまとめてパロディにしたバカコメディ。いかにもフランスの大衆コメディらしくギャグはいちいち子供じみていてベタだが、ちゃんと負け犬的キャラクターのエモーションを描こうとしている作風はチャウ・シンチーを連想させる。
そして、ストーリーよりもなによりも、ヒーロー映画の醍醐味を気後れすることなくトレースすることで生まれるカタルシスに、なんだか涙ぐんでしまう。映画なんぞ作り物でしかないことは重々承知の上で、作り手が観客と一緒に思い切り盛り上がろうとしているその気持ちが感動的なのだ。
特にアベンジャーズネタで盛り上げてから思い切り落とすギャグシーン、発泡スチロールの岩を砕きながらのバトルシーン、待ちに待った掃除機の大活躍の3つのシーンが泣ける。基本的にはバカ映画であって、どなた様にも同意してもらえるとは思わないが、この感覚を共有してくれる人が少なからずいるはずだと信じていますよ。
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