MEMORY メモリーのレビュー・感想・評価
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もっと設定を活かせたはず
ストーリーは、信念を持つ人物が巨悪に立ち向かうといった比較的オーソドックスなもの。本作が普通の作品と異なる点は、巨悪に立ち向かう役回りとして殺し屋とFBI捜査官という立場が違う2人の人物が登場する点と、その殺し屋がアルツハイマー病を患っているという点だと思う。
タイトルから推察すると、「記憶障害の殺し屋」という設定が本作最大のウリだと思われる。しかし、この設定ならでは演出が少ないため、殺し屋の印象が「記憶障害」というよりも「余命わずかの腕利き」といった印象となってしまい、折角の設定が充分に活かされていないと感じた。
凝った演出が含まれるシーンもいくつかあり、つまらない作品というわけではない。しかし、いろいろ詰め込むよりも特殊な設定を掘り下げたほうがより観応えのある作品に仕上がったのではないだろうか。
洋物・必殺仕掛け人
最近、上映されていた仕掛け人・梅安に重なるリーアム・ニーソン演じるアレックス。
年齢に応じた演技に痺れた。
007ゴールデンアイを手がけたマーティン・キャンベル監督による演出で窓ガラスからの射撃シーンや車に敵対する殺し屋を詰めて爆弾で爆殺する所は、ジェームス・ボンドを彷彿させニヤリとさせてもらった。
また最重要なUSBメモリーの隠し場所を元実家店舗の看板であったが、そのつづりberryからrを一文字抜いてberyとするひねりは素晴らしい。
berryはスラングで警察を意味するらしい。
正義を行うはずの警察が悪に加担し、証人のアレックスを殺そうとすることを皮肉っている。
それゆえ、アレックスは警察に正義はないと暗示し、最後を迎えたシーンは色々考えさせられる。
映画全体は1970〜1980年台のテイストで、埃っぽく粗っぽい雰囲気もあり、今のきれいな映画に飽きを感じている人にも向いているかと思います。
現実感はあまりないが。。
殺し屋の老年、最後を描いている。リーアム・ニーソンも70歳を迎え、役柄にマッチした老年の感じが出ているし、殺し屋のアレックスはこの老年までよく生き延びている感じがする。
それもアルツハイマー病の兆候が見え、引退を決意するも、最後は単なるターゲットを殺めるという仕事ではなく、人身売買、児童売春の諸悪に対する正義感をもって最後の仕事を遂行する。
殺しをやるものは殺される運命にあるのか、穏やかな死は迎えられないようだ。リーアム・ニーソンの役柄の年齢的にも、アクションシーンでうならせるというよりは、誰でも訪れる死にどうやって向き合っていくかの悲哀と決意も織り交ぜてる。
さすがに70歳にもなると、動きは緩慢さは否めず、あれだけのスピード感は演出と思えるのでアクションシーンにはあまり現実感はない。やはり役柄とともに、アクションは引退というところだろうか。
【”正義は保証されないのか!”古希なりしリーアム父さんのサスペンスアクション”。捻りの効いたストーリー展開やリーアム父さん演じる殺し屋が認知症に陥る中、懸命に筋を通そうとする姿が印象的な作品。】
ー リーアム・ニーソン主演作は、何故に高い頻度で製作、公開されるのか?
それは、簡潔に言えば彼の方の年齢に合わせた形で、アクション内容が更新され、ストーリー展開も捻りが効いているからだと思う。
96時間シリーズでは、彼は娘を救うために、必死に走っていたし、近年になるとそれが接近格闘戦に移行している。
更に言えば、演技派でもあるリーアム・ニーソンの演技の幅が後押ししているのは、間違いない。-
◆感想
・当たり前だが、人間は年を取る。
殺し屋アレックスを演じたリーアム・ニーソンも、FBI捜査官のヴィンセント・セラを演じたガイ・ピアースも、表向きは巨大不動産企業のトップ、ダヴァナを演じたモニカ・ベルッチも良い老い方をしている。
それが、今作では良い方向に現れている。
・殺し屋アレックスは確かに悪だが、認知症になった施設に居る兄に”1969年のバスケ試合覚えているかい?コイントスで・・。”と語りかける柔和な表情と、殺し屋だが、”子供は殺さない”と筋を通す中、無残にも悪の組織に殺された少女や多くの子供達の姿を見て、巨悪に彼なりの方法で近付いていく命懸けの姿。そして、巨悪に関わった者を哀切な表情で殺していく姿。
・例えば、ヴィンセント・セラがアレックスに近づいて行くのは、息子を溺愛するダヴァナが人身売買をしている事を暴くためだが、セラがアレックスに”例え話”で言った、高速道路で車が故障した際に酔っ払い運転により命を失った女性とその息子の話をした際に、アレックスが”それは、お前の妻と息子だな・・。”と見抜くシーンやダヴァナが愚かしき息子を”あの子は弱い子だから・・。”と苦悩の表情を浮かべるシーンなどである。
・そして、FBIが決定的な証拠がない為に、ダヴァナを立件できない中、重傷を負ったアレックスが決定的な証拠を隠した場所を忘れてしまうシーン。
”BERY・・””正義は保証されないのか・・。”と言い、FBIの銃弾に斃れるシーン。
・”アレックスの父の経営していたパン屋の看板の名だ”!”と気付いたセラが証拠を見つけるも、弁護士から決定的な証拠ではない・・。と言われてセラの仲間が敢えて取った正義の裁き。
ー 赤いワインと、美女の鮮血・・。-
<今作は、安定品質のリーアム・ニーソン父さんのサスペンスアクションである。
素直に、古希になっても、映画の第一線で活躍するリーアム・ニーソンの姿には、敬意を表します。>
蜥蜴の尻尾
扱う題材(世界的規模での未成年者誘拐、人身売買、性搾取)が、事実かなり以前から存在し、また現在進行形の社会問題であることから、フィクションではありながらも取り扱い注意な内容であることは間違いありません。
子供を殺さない(以前、誤って殺害したトラウマあるかも)という信念も持つ殺し屋が序盤、大活躍します。
彼は見た目かなり老齢でアルツハイマーの持病を持つつつ、しかし凄腕でやたらと戦闘能力ある引退直前の殺し屋・・・という妙?な設定です。
ひょんなことから、以前の自身のターゲットであった女の子が自分が途中で仕事を降りたことも影響し、口封じで殺害されたことに強く憤りを覚え復讐を誓い、FBIにその事実をリークしつつ、自分に殺人を依頼した巨悪の組織、そしてその親玉を突き止め、自らの殺人手段で追いつめていく、という流れです。
殺し屋がアルツハイマーで服薬しつつも、いろんな重要なことを忘れてしまうっていう設定だと思うし、腕に備忘録を書いて残すなど、その描写は再三表現されるのですけど・・・これってあまり、彼の仕事(暗殺や上記の復讐)には悪い影響を感じさせないのですよね。
正直、脚本上、意味があったかどうかさえ疑問です。
むしろ暗殺に成功した後、なぜそのターゲット殺したのか、依頼者が誰だったのか思い出せず苦悩する、そしてFBI(今作で一番頼りになるチーム)にその苦悩含めてリークする過程で、依頼者の姿がFBIのナイスガイ達の推理により浮き彫りになる・・・くらいで丁度良かったと思いました。
また、分かり易い偽善者の悪の親玉がオープンリーチだったため、その親玉から甘い汁を吸っていた権力者(顧客リストの人間:本当の黒幕)が、白日の下にさらされ失墜するまでがセットだと思ってたのに、とんだ肩透かしでした。
蜥蜴の尻尾切り・・・それ最後に見たいんじゃないんですけど、って心の中で呟いてしまいました。
題材が題材だけに、なんとなく匂わせながらも狭い範囲で収束させたい、という忖度を感じざるをえず。
では。
切ないけど想いが繋がって良かった
きっと身体は殺し屋稼業の動きを記憶しているから、アルツハイマーになってもいざという時に無意識に殺し屋の動きが出来て間一髪助かるとか、なんとか最後の依頼をなしとげるとかそういう物語かな、と思っていたら
見事に期待を良い意味で裏切る、
重厚で切ない物語でした。
子どもへの正義だけは貫きたかった殺し屋の
最後の願いを
最後の想いを
元FBI捜査官が彼に替わって成し遂げてくれる、
敵対するはずの立場の2者が結果的に誰も手出し出来なかった、お金を使って隠れていた本当の悪に共闘する物語でした。。!
(殺し屋も勿論悪の部分はあるんですが)
とにかく高齢者に近いリーアム・ニーソンが30〜40代くらいの年下の捜査官よりもよっぽど動けるのが凄い。
色々と切ないことは沢山あるんですが、最後には正義を貫きたかった孤高の殺し屋の想いが繋がって、良かったです。
ただ途中に巻き添えをくらった巡回中の若い警察官は本当に可哀想でしたが。。(涙)
なかなかに見応えある作品でした。
ボケているのはリーアムでなく脚本家
一年の間にリーアム・ニーソンの作品が続けて観られるのはラッキーだけど、作品の出来はボケた感じでアンラッキーでした。リーアムが暗殺を断念した少女が、翌日殺されたことを知って、本当は自分がやったのかと動揺するのは緊迫感があるけど、結局他の殺し屋の仕業と言う芸のないオチでガッカリ。認知症の殺し屋と言う設定は面白いけど、案外一貫してサスペンスが高まるような仕掛けもなく、リーアムの行動パターンもプロの殺し屋としてはなんかチグハグで、途中であっさり死んでしまうのも、なんぢゃこれ?ですね。また、登場人物がゴチャゴチャしてて分かりにくい上に、全く盛り上がりに欠ける展開で、脚本の悪さもさることながら、アクションには定評のあったキャンベル監督のナマクラ振りが目立ちます。役者では、リーアム・ニーソンは存在感たっぷりなんだけど、ファンとしてはあんまり老いぼれた役はやってほしくないな。
任務とは?🤔
アルツハイマーを患ってる殺し屋アレックス、彼の信念は「子は守る、子は殺らない」が信念。病が進行し、引退を決め最後の仕事の話。
ターゲット先へ向かうも、殺す相手は少女だった、依頼主へ子は殺さないと契約破棄、あの子に手を出すなとアレックスから依頼主へ言うが少女は別の殺し屋に殺されてしまう。
少女でも平気に殺す人身売買組織を潰そうとするアレックスとFBIのストーリー。
任務中も記憶が曖昧になり何するんだっけ?となるもちゃんと任務を果たすプロ意識、ラストのUSBの隠し場所を思い出し、唯一話せる警官ヴィンセントへ託し、最後は撃たれて死を選ぶ引き際は、うん、プロだね!と思った!
個人的に気になったのはバーで助けた美女、その後ホテルへ行ったんだけど現役かい!と思った!(笑)
評価3.5にしましたが面白かったです!
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