MEMORY メモリーのレビュー・感想・評価
全94件中、1~20件目を表示
ニーソンはもちろん、ガイ・ピアースの熱い演技を堪能できる一本
いつもながらのリーアム・ニーソン映画であることは確かだ。暗殺者の彼は並外れた強さを発揮し、人殺しという悪人でありつつ「エキスパート」なことに変わりはない。だがそこにツイストを少々。まずは主人公にアルツハイマーを発症させ、自らの記憶力が定かでないこと、この仕事も潮時であることを痛感させる。さらに自らの倫理や流儀を根底から否定するような出来事が起こり、彼の怒りの銃は依頼主や組織の側へ向けて火を吹くことに・・・。「007」シリーズなどを手掛けたマーティン・キャンベル作品なだけあって、剛腕監督ならではの気合いの入ったドラマとアクションが楽しめる。物語上の散らばった要素をまとめ上げる付近で演出の脆さと爪の甘さを露呈してしまうものの、普段はクセモノ役ばかりのガイ・ピアースの一直線で熱い演技が作品的な弱さを埋め合わせる。かくもニーソンとピアースによるデュアル構造の映画として見る分にはそれほど悪くはない。
「メメント」のガイ・ピアースが共演しているのがミソ
リーアム・ニーソンは舞台俳優出身で、キャリア前半はアカデミー主演男優賞ノミネート作「シンドラーのリスト」など演技派として鳴らしていた。だが、2008年に犯罪組織に誘拐された娘を単身救いに行く元CIA工作員を演じたリュック・ベッソン製作の「96時間」が大ヒットして以降、ニーソンが無双の活躍をするアクション映画がコンスタントに作られるようになり、気がつけばもう15年にもなる。現在70歳、近年はさすがにスピーディーな格闘シーンなどは減ったものの、狙撃手役を演じたり、本作のように認知症を患っている殺し屋だったりと、年相応の設定で身体的な負担を減らしつつ新味を出そうとする製作陣の苦労がしのばれる。
ニーソンが演じる殺し屋アレックスは、忘れてはならない重要な手がかりを腕にマジックでメモする。このくだり、クリストファー・ノーラン監督作「メメント」を思い出した人も多いのでは。同作で記憶障害を持ち妻を殺した犯人を復讐しようと素人探偵活動にいそしむ主人公を演じたのがガイ・ピアース。そのピアースが、この「MEMORY メモリー」では記憶障害の殺し屋を追う捜査官というひねった配役が面白い。なお、原作はベルギーの作家の小説で、2003年に同国で映画化され、今作はそのアメリカ版リメイクということになる。
モニカ・ベルッチも重要な役で出ていて、B級アクションっぽい話の割には共演陣もまあまあぜいたくだ。
リーアムおじさんらしい作品
リーアム・ニーソンらしい孤高の殺し屋を演じた、2023年のサスペンス・ミステリー作品。リーアムおじさんの作品は、どうしてもこうしたこうした作品に落ち着くものですね。歳はそれなりに重ねてきたものの、相変わらず元気なアクションもみせてくれているのは嬉しい限り。
今回のリーアムが演じたのは、これまで完璧に仕事を熟し、闇の世界では名を挙げていた殺し屋アレックス。しかし、アレックスも歳には勝てず、アルツハイマー病を患い、記憶が正しく覚えることができなくなり、殺し屋からの引退を決意していた所に最後の依頼が届く。
そのターゲットとなったのが、少女売春を強要されていた13歳の少女。『子どもは絶対な殺さない』という信念を貫くアレックスは、依頼を破棄して少女の命を助けた。しかし、その少女は、その直後に別の殺し屋によって、銃殺されてしまう。これに衝撃を受けたアレックスは、少女殺しの裏に何があるのか、独りで調査を始めると、そこには大富豪が顧客なって、財閥が運営する少女売春と人身売買の存在が明らかになっていく。アレックスは、この組織を潰すために、孤軍奮闘して乗り込んでいくのだが…。
主演のリーアム・ニーソンを脇で支えたのが、FBI役のガイ・ピアーサ。『メメント』で体中にタトゥーを入れて、尖っていた若造だったのが、髪の毛もあがり始めて、こちらもオジサンの仲間入りしたと感じた。その他にも財閥の悪の親玉に、モニカ・ベルッチが務め、こちらも、顔の皺が目立つようになり、ドスの効いた女王様を演じていた。
「正義」とは「私自身」
暗殺者にアルツハイマー病を掛け合わせた作品
ただ、物語上にアレックスのアルツハイマーが影響している部分は極めて少ない。強いて言えば、彼の「流儀」に反する依頼と病気の進行が、アレックスが行動する原動力になっているのかもしれない。
この作品は、
世界中いたるところで蔓延っている悪に対する解決手段の最終形態を描いている。
暗殺者にも「流儀」はあるのだろう。
13歳の少女などターゲットにできない。
アレックスは家系的な病気だと思われるアルツハイマーの発症を自覚、同時に暗殺の仕事を引退するつもりだった。
旧友のごり押しで引き受けたものの、まさかターゲットが13歳の少女だとは思わなかった。
彼は裏切り者とみなされ、その旧友が仕事の引継ぎと後始末を任される。
「悪の法則」 「カルテル」
アレックスが狙われるのはよくわかる。それがカルテルだからだ。
そして悪の象徴が「白人富裕層」
その女ボスがダバナ 不動産王
しかし、
息子の趣味のためにダバナが力を貸しているのは理解できるが、ダバナ自身の動機が見当たらない。
おまけにダバナは「寂しい」 「側近の誰も信用できない」
単なる組織の原動力
だが、
おそらくFBIの上司2名は、カルテルの「お世話」になっているのだろう。
ダバナに何かあれば、顧客情報の中に自分の名前があるかもしれない。
これこそがこの作品の「上司」の姿だろう。
最後の大どんでん返しは、マルケスの行為とリンダが囁いた祈り。
大勢の被害者が出たメキシコの人身売買で殺された少女たちへの祈り。
最後にできるのが「復讐」という悲しさ。
芋づるにはならないが、悪の根源を除去するための最後の手段。
これが現実なのかもしれない。
マルケスがメキシコで見てきた世界は、汚職まみれの汚い世界。
すべての組織が上層部でつながっている事実。
それは、アメリカでも同じだった。
マルケスは「仕事」を「使命」に置き換え遂行し続けた。
彼には異動も何もない。自分の「正義」を貫くだけ。
この作品はきれいごとを描いていない。
底辺で生きる者たちの最後の祈りのために描かれている。
以前、マイケルサンデル氏の「正義の話をしよう」が流行った。
生徒に質問を投げかけ答えを求める。そのケースごとに意見が分かれ、どちらがいいのか自分自身で考えることを求めるものだったと記憶している。
私は、正義とは「私自身」だと思っている。
今まで生きてきたバイアスに従って今を選択しているのが人だろう。バイアスとは、自分が信じる正義だ。
そしてみな自分が正しいと思うことをしているだけだ。その違いに対峙が起きるだけだ。
さて、
マルケスを支持し、ビンセントを無理やり連れだしたリンダも、腐りきった組織に対する最終手段に加担した。
それは、間違いなく彼らの正義の根幹だった。
アレックスはどうだろう?
そもそもカルテルのために働いてきた。
雇い主は知らないが、白人富裕層の後始末が目的だ。
アレックスの「流儀」 それは、彼が人間としての尊厳のかけらを持っている証だろう。
その流儀に反することはできない。狙われる前に叩くだけ。
カルテルからは逃げきれないこともよく知っている。
だが、少女の人身売買の実態を知ったからには後戻りできない。
殺されるまでやる。
これがアレックスの「正義」
ビンセント
彼はアレックスに例え話をする。
彼の家族に起きた悲劇と、正義など保証されないと絶望した過去。
腐った組織
それでも一縷の望みを持ち続けている。
その蜘蛛の糸のように細くなってしまった望みの先に見た「復讐」という手段。
それは決してビンセントの考える「正義」ではない。
ただ、
リンダの祈りの言葉を聞き、「それしかなかった」ことを知る。
腐り果てた中にあった唯一の手段の実行。
その時ビンセントは、マルケスの心の痛みに初めて触れたのだろう。
彼がメキシコからカルテルを追いかけてきた理由を理解したのだろう。
そしてビンセントはもう一度自分自身の「正義」について考えることになるのだろう。
「正義など保証されない」と落ちぶれた過去 禁断の最終手段を使った仲間…
長期休暇を強いられた彼は、FBIでまだ自分が信じる正義を遂行できるか考えるだろう。
同時に「使命」についても考えなければならない。
しかし彼のような人物が一人でもFBIにいてくれるのを願うばかりだ。
兄はアルツハイマー性の認知症を患っている。そして、アレックス自身も同じ病を患っていた。 仕事の詳細が覚えられなくなったアレックスは 今受けている仕事を最後に引退しようと思った。
動画配信で映画「MEMORY メモリー」を見た。
2022年製作/114分/R15+/アメリカ
原題:Memory
配給:ショウゲート
劇場公開日:2023年5月12日
リーアム・ニーソン
ガイ・ピアース
モニカ・ベルッチ
2003年製作のベルギーオランダ映画「ザ・ヒットマン」のリメイクらしい。
アレックスは仕事が確実で絶大な信頼がある殺し屋。
兄はアルツハイマー性の認知症を患っている。
そして、アレックス自身も同じ病を患っていた。
仕事の詳細が覚えられなくなったアレックスは
今受けている仕事を最後に引退しようと思った。
最後のターゲットが13才の少女だと判ったアレックスは仕事を断る。
だが少女は別の殺し屋に殺された。
怒りに燃えたアレックスは依頼者に対する憤りを抑えられなかった。
主役のリーアム・ニーソンが命を落としたシーンをはじめて見た。
満足度は5点満点で4点☆☆☆☆です。
アルツハイマーの殺し屋!!
世界最強のオヤジと言われた自分だが、もう古希だ。
そろそろヒットマンも引退したい。
最近アルツハイマー病の薬を飲むようになった。
エージェントである相棒に相談すると、
「お前に引退はない」と言われ、またまたファイルを渡された。
こんなに悪い奴がいる、お前ならやれる、やってこい‼️
そう言われると断れないのだ。
こう言ったら申し訳ないですが、リーアム・ニーソンは、最近
安直なB級アクションばかりが続いてましたが、久々のちゃんとした
映画です。
監督のマーティン・キャンベルも有名どころだし、
ガイ・ピアースとモニカ・ベルッチと
有名俳優が助演を勤めています。
ガイに至ってはほぼ主演と言っても良いくらいの働きです。
《ストーリー》
伝説の殺し屋アレックス(リーアム・ニーソン)は、アルツハイマーが
徐々に重くなり、遂に引退を決意する。
最後の仕事と思って引き受けたものの、幼い少女を殺す指令にキレてしまう。
痩せても枯れても“子供は殺さない“
雇い主に言いようのない怒りが込み上げる。
黒幕は大金持ちのモニカ・ベルッチ。
警察も懐柔している裏社会の大物。
リーアムさんは刻一刻と症状が悪化、余命わずかになった殺し屋が、
FBIに追われながら、黒幕を追い詰めるタイムリミット・アクション。
ストーリーが複雑なのを、もう少し整理して、単純にしても
よかったかなあ、と思いましたが、中々重厚な作りの良い映画でした。
アルツハイマーの殺し屋
闇社会から信頼されている殺し屋(リーアム・ニーソン)がアルツハイマー病になり、引退を決意、最後の仕事のターゲットが子供だった。
子供だけは殺さない、という信条の殺し屋は調べ始めるが・・・。
神頼みはなんだかなぁ。
今さっき誰を殺したんだっけ?
テキサス州エルパソ・・・というシーンが2回出てくる。もしやこれは観客の記憶力を試しているのでは?などと、認知機能テストに参加している気分になった。あ、このFBI捜査官セラって誰だっけ?などと腕にマジックで書いてみる。う~む、ガイ・ピアースかぁ・・・でも、モニカ・ベルッチはすぐに分かった。
認知症の3分の2がアルツハイマー型だという。第一三共の開発したアリセプトだとか、興奮・攻撃性を和らげる治療薬メマリーとか、そんな薬がありますね。メマリーなんてメモリーをもじった名前なので覚えやすいです。最近ではエーザイの「レカネマブ」という新薬も話題となっていますが、レカネマブ、レカネマブ・・・覚えられんわっ!発音も難しい・・・
そうしたアルツハイマー病の殺し屋という設定。面白いはずだとワクワクしながら観たけど、どこで記憶が飛んでいるのか分かりづらい。ましてやリーアム兄さんが主役だから困ってしまう。まぁ、ガイ・ピアースが主役でも良さそうな物語でしたもんね。終盤は意外な展開。人身売買の話から移民問題へとテーマが変わってしまったような、不思議な感覚に陥りました。
それでも無双ぶりを発揮するリーアム・ニーソン。ラウンジで知り合った女性とワンナイトラブなんてのも老齢・認知症患者とは思えないほどの凄腕ぶり・・・誰だ?お前・・・ま、いーや。あ、マヤちゃんだったか。
まだまだやるリーアム・ニーソン
完璧な仕事ぶりだった殺し屋アレックスは、アルツハイマーを発症し引退を決意。引き受けた最後の仕事の標的が少女だったため、信念に反するとして依頼を放棄する。しかし彼女は殺されてしまい、彼は犯人を捜し出そうとする。一方人身売買組織を追っていたFBIのセラ捜査官だったが、捜査が行き詰っていた。
リーアム・ニーソンは、もう70か。それでもアクションをこなして、多くの作品に出演しています。そして今回は年相応の役ともいえます。ただアルツハイマーの演出は、ちょっと無理やりな感じ。忘れないように腕に書いておくのは「メメント」を思い出し、ガイ・ピアーズも出演でニヤリ。結末は、少し斬新でした。もうちょっと工夫したタイトルにしてほしい。
後半からが、ググーっと見応えあり。
リーアム・ニーソンがひとたび銃を持てば、無敵な正義の味方!。
じゃないんだよね、今回。
「記憶障害(アルツハイマー)の殺し屋」という設定。
全体的に声はかすれて出てないし、おじいちゃん風なのどうよ?。
なんて前半思い込んでいて、ごめんなさい。
ヨレヨレ感が、「残された時間わずか」感が出てるし。
彼を追うFBI捜査官(ガイ・ピアーズ。お久しぶり)とその同僚達。
正反対の立場の2者が、後半どうなっていくのか。
一番悪い奴は誰で、どう決着つけるのか。
もうハラハラ&ドキドキ&ええ!!。
劇場で見ても良かったなあ、と反省。
こういう展開、アリそうでなさそうな、終わり方も締まってました。
⭐️今日のマーカーワード⭐️
「大事なのは信念」
「腕利き殺し屋」×「アルツハイマー」
「腕利き殺し屋」×「アルツハイマー」という役をリーアム・ニーソンが演じるのは年相応の役柄だと思うが、任務上忘れてはいけないことを左腕に書いておく……というのは面白い🤗
また、アルツハイマー症になったからと言っても凄腕の殺し屋であるのは流石だが、途中で銃を撃とうとして銃弾が入っていないのは自分が撃った弾の数を忘れたから?……そうだったら、殺し屋としてはやはりヤバい‼️😅笑
物語は、凄腕の殺し屋として通ってきたリーアム・ニーソンは、アルツハイマー発症したものの、仕事を引き受けたら「殺すターゲットが少女」だったことから「子供だけは守るという信念」を貫こうとする。
また、少女たちを虐待していた事実を知ったリーアム・ニーソンは、関与した人間を次々と殺していくのだが、施設を仕切っていた大富豪の権力もなかなかのもので……というドラマ。
以前、『マレーナ』という映画を日本初公開時に観て「モニカ・ベルッチは綺麗だなぁ~」と思ったのも20年以上前だったので、本作で久しぶりにモニカ・ベルッチを見て「時間の流れは残酷だ…」と思ってしまったが、仕方ない (^^;
まぁまぁ楽しめる少し変わったアクション映画であった。
(※)昨日(11/25)「B’z LIVE-GYM Pleasure 2023(千秋楽の大阪公演)」をWOWOWが放映するというので久しぶりに加入したが、本作含めて2023年日本公開映画を年内放映してくれるのは有難い。
今年のB’zライブは東京公演しか行っていないが、3ヶ月前に味スタで観たのが既に懐かしい思い出となっている。
今作も戦うおじさんリーアム・ニーソン
リーアム・ニーソン演じる主人公のアレックスも、FBI捜査官のセラも抱えているものが悲しすぎ
それで考えさせられる「正義」
ラスト間際で「えぇぇー」ってなったけど、とりあえず「それで良し」のラスト
あれは「正義」というより「報復」なのかもしれませんが
ストーリーは☆3くらいですが、銃も格闘シーンも戦うおじさんのリーアム・ニーソンが渋くてかっこよくて楽しめたので☆3.5です
いつまで殺し屋やってんねん!?
リーアム・ニーソンの名前だけで見続けていますが
残念ながらここ数作の出来はイマイチ。
だもんで、本作はあまり期待していなかったが
期待以上に良い出来。
そら殺しの依頼ってこの歳では条件多すぎて
そんなによう覚えられん。わしゃもう引退じゃ
ってなるんですがそのギリギリの線でジジイ頑張ってます。
マーティン・キャンベル そつがない。
もっと撮らしてあげればいいのに。
70点
2
池袋シネマロサ 20230524
正義感に溢れるアメリカ版必殺仕事人
自分も親に虐待されていたためか、少女の殺害依頼を受けるが、逆に黒幕を突き止めて…
最後はなんとなく読めてしまったけど、正義はかつといった正統派ムービー
主人公もっと暴れてくれるか期待したが、そんなにだったし、見応えに欠けた感あった
全94件中、1~20件目を表示