劇場公開日 2023年5月12日

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「アルツハイマーの設定が驚くほど活用されていない」MEMORY メモリー tomatoさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0アルツハイマーの設定が驚くほど活用されていない

2023年5月12日
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何のためのアルツハイマーだったのか?
記憶を失うことや、記憶が混濁することによって生まれるはずのサスペンスが、まったく描かれていないのはどうしたことか?
どうせ、敵と対峙するような緊迫した場面で、「お前は誰だ?私は何をやっているんだ?」みたいな状況になって、ハラハラさせるんだろうなと思っていたのだが、そんなベタなシーンすら出てこない。
子供と一緒に写っている写真から、主人公が子供を失っているらしいことは分かるのだが、そのことについての説明がないため、冷徹な殺し屋が、ターゲットが子供であるという理由だけで組織を裏切り、依頼主まで殺してしまうという展開には不自然さを感じざるを得ない。
そもそも、交渉の道具としての価値を失ったUSBを、なぜもっと早く警察に渡さなかったのかという疑問が残るし、USBを小分けにした意味も分からない。
こうなった以上は、実は、観客が認識していたことと現実はまったく異なっていて、「少女を殺したのは主人公だった」みたいなドンデン返しが用意されているのかもしれないとも期待したが、それも完全な肩透かしだった。
ガイ・ピアーズが活躍している分、記憶を巡る優れたサスペンスだった「メメント」との違いが際立ってしまったのは、皮肉としか言いようがない。

tomato
tomatoさんのコメント
2023年5月13日

「殺人者の記憶法」だと思って観ていたら、実は「必殺仕置人」だった…みたいな感じですね。

tomato
シネマんディアス泉本さんのコメント
2023年5月13日

なんか詐欺に合った気がしましたね
最後もそれでいいのかよと思いましたし…

シネマんディアス泉本