NOPE ノープのレビュー・感想・評価
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NOPE! ありえない!
撮影監督にホイテヴァンホイテマを迎えたジョーダンピール新作はエンタメ全振りの怪作。人を選ぶとは思いますが、シアターで観るのに最適なのは間違いない。
前半はゆっくりと進むストーリーも、何だかよくわからない空のクリーチャーが全貌をあらわしてから、ヒートアップ。なぜだかわからないけど第2形態になりドヤぁするクリーチャーには笑ってしまった。エメラルドのAKIRAムーブもカッコイイ!
前2作とは違う振り幅なので戸惑うかも知れないけれど、また新しい面を見せてくれたので満足です。もちろんビックリしましたよ、えぇ。声出ました
オチ無いんかい‼️❓笑える笑えるワールド、失笑‼️❓
人殺しオラウータンのエピソードは何の意味があるのでしょう。
UFO型の人喰い飛行体とは、なんそれ。
宇宙人かどうかも不明。
オチ作ろうと考えたけど、浮かばんので、やめたんでしょうね、トホホ。
監督が、あれなんで、どんでん返しを期待したのですが。
暇ならどうぞ、ハツピーエンドです一応。
予告編は全然ネタバレじゃないっていう
公開2日目で鑑賞、観た感じは極上の午後ロー。
空の青に赤や黄色を強調した鮮やかな映像、エンタメ寄りで見やすかったですね。
旧約聖書の一節の引用と四角い画面で馬の走る映像が本作の読み解きのキーですかね、旧約聖書の一節は後からWEBで調べるとある単語の微妙な訳があるので、悩みたくない人はしっかり脳裏に焼き付けときましょう。
フライズの店員が松本人志のモノマネやってるJPに見えたのと、みんなで飲んでるビールがキリンの一番搾りってのがニヤリとしたポイント。
考えなければ、面白いかも?
あまり他作品の名前を出すのは良くないのですが、
「クローバーフィールドのジョーダンピールver」みたいな感じ?なのかな。
僕って1回目はあまり内容を考えずに見るので、最初のテロップとか、テレビショー?の悲劇とか、あまり考えずに見てました。
だから個人的に、1回目の視聴はめちゃくちゃ面白かった印象です。
他の方のレビューを見る感じ、かなり深く作られているみたいなので、いろいろ学んでからの、考えながら2回目見た時の印象がどうなるかですね。
やっぱり、予告編や公式サイトでも内容をあまり出さない感じのおかげで、衝撃的なシーンが満載で、後半につれてのワクワク感は久しぶりに味わえましたね。
日本リスペクト感も結構あって、
日本のビールが出てくる、AKIRAのシーン再現、ラストのエヴァンゲリオン感。
なんか嬉しかったですね、なんか。
あと、あまり他の方は触れてなかったので言うと、
こちらレイティングはGですが、
暴力的なシーン(とくにテレビショーの時)や、
血がめちゃくちゃ出るシーンとかあるんで、
苦手な方は気をつけて下さいね。
僕は今のところ、凄く好きです。
センター返し狙ったらバックスクリーン越えちゃったよ。的な。
あ。一番搾り。と喜んでたらですよ。
まるっきり「使徒」w
止めが。出たー!アキラーー!
あのバイクの止まりかたを見た瞬間、彼女の勝ちを確信しましたw
兎に角、日本の影響を色濃く感じた作品でした。
冒頭はA24でも見てる気分。半分ホラー的。クライマックスに向けては、ユニバーサルの本気感が出て来ます。コレが結構なとこ、独創的。局面局面は何かに似てる気がするけど、ネタバレからのラストスパートはワクワクドキドキのエンタメです。
イヤイヤ、だから使徒を倒しちゃうんですよw
その使徒、ちょっと弱過ぎひん?ってのはあるけど。
ユニークで楽しかった。
面白かった。
とっても。
オマージュいっぱい
予告を見て 、UFO &宇宙人と駆け引きするホラー映画だと思い込んでいたら!
(しかも『アス』イメージで、へっぽこ系と想像してたらすみません違った)
まさかの怪獣映画。
『宇宙大怪獣ドゴラ』ドゴラ+『ウルトラマンレオ』円盤生物シルバーブルーメ+『エヴァ』シャムシェル&ガギエルみたいなやつ。
本筋がシンプルなのに、枝葉が多すぎて散漫な印象だったけども、面白かった。
あと、また別の捉え方をすれば、枝葉の多さ=小ネタいっぱいであり、いろんなオマージュにもあふれてるし見ごたえあり。
バイクを運んでくれたYouTuberが好き。
あれ、絶対『AKIRA』やりたかっただけでしょ?
可能ならIMAXで観て欲しい、凝った画ばかりでした。
あなたは何も考えず消費だけする現代人か?または思考する生き物か?
さすがはコメディアンの顔を持つジョーダンピール。SFホラー的なUFOジャンル映画の側面と、社会派映画としての側面を持たせたビッグバジェットの映画を作ってしまった。
おそらく日々何も考えずテレビを流し見て、YouTubeで話題になるものを見て、過激なものを追う人々は、この映画をなんだかよく分からない、つまらなくて眠いUFO映画としか思わないだろう。
その一方で、社会で何が起きていて、何を見ているのかをきちんと考えて生きている人であれば、これは"エンターテイメント界で蔑ろにされてきた人々の話"という事が分かる。
テーマからして身近で一般的なものではない。ただアジア人としては身近に考えるべき話題である。
物語は二つのプロットで進む。
一つは兄妹の話。歴史上初の映画と言われる黒人騎手の動く馬という実在の映像。その俳優の名は明かされていないものの、彼らはその子孫であり、不審死を遂げた父から継いだ牧場を経営している。経営は、とてもうまくいっているとは言えず、空に潜む何かをカメラに収める事で一躍"時の人"になろうとしている。
もう一つは、アジア人で子役より活躍してきたジュープ。子役時代出演していたシットコムにて、ゴールディというチンパンジーが撮影中大暴れし、そのトラウマを抱えながらも、今はウェスタン風のテーマパークを経営し、彼もまた空に潜む何かをネタに"時の人"になろうとしている。
彼らに共通するのは"時の人"になりたい、注目されたい、主人公になりたいという事。理由は明確で、これまで有色人種はエンターテイメントでは主役になる事は無かった。ハリウッド黎明期では悪役か都合のいい役。ハリウッド黄金時代もいい黒人としてメインパーソンのサポートに回る役柄がほとんどであった。最近ブラックパンサーがほぼ黒人のみで構成された映画であるにも関わらず大ヒットしたのはとても大きな進歩。
アジア人においても、お笑い担当、頭脳担当、モブなど、いつも脇役でイエローモンキーと言われた。
ゴールディのお誕生日会というエピソードで、ゴールディはその自分のポジションに我慢の限界となり、共演者をめっちゃくちゃに叩く。だが同じアジア人であるジュールは襲わず、むしろグータッチしようとするのだ。そして射殺される。これは言わずもがな、チンパンジー=アジア人俳優のメタファーだからである。
こんな過去があったにも関わらず、ジュープは空の捕食者をネタに客を集める。
時に有名になりたい、主人公になりたいという欲望は恐ろしい結末を招く。YouTuberであればやる事がどんどんエスカレートし最悪死に至る事もある。ライターは有名になるために着色し話を持って嘘を書いていると叩かれる事もある。そしてそのエスカレートするトピックスは人々の大好物なのだ。
空の捕食者は言わば政治家や著名人のスキャンダル、事故現場の映像、流失動画、過激なYouTuberを無意識的に追う現代人だ。話題になっているから見る、怖いもの見たさから見る。彼らは恐ろしい音を立て、物凄い速さでネタを食いに来る。瞬く間に。そのスピードと食いっぷりはまさに巨大な捕食者であるため、一見UFOに見えるそれが、恐ろしい捕食者として描かれていた。今作ではそれを動物界のタブーという事で、それの目を見てはならないとしていた。
この映画の素晴らしい点として、社会風刺的な映画でありながら、それを説教的な作りにせず、表向きはジャンル映画としてリリースしている事。まさに空の捕食者の様に、雲に擬態しているのだ。そしてこの風呂敷をどうまとめるんだろうと思いながら見ていたものの、さすがはジョーダンピール、最後は仲間、家族が集う事でちゃんと終わってくれる。それはゲットアウト、アスも同様だった。結局はファミリーが核なのだ。
三作目にして思い切った意欲作
IMAXカメラで撮影された映像は迫力があります。
製作風景を観ると"それ"以外は極力CGを使わずに撮影に挑んでいます。
「インターステラー」、「007 スペクター」、「ダンケルク」、「テネット」の撮影監督を務めたホイテ・ヴァン・ホイテマがジョーダン組に初参加。
「ゲット・アウト」、「アス」とは規模が全然違います。前2作はコメディアンだったジョーダン・ピール監督の思想から社会風刺的な要素を盛り込み、コメディとホラーの境界線のギリギリを攻めていましたが、本作は思想も全然違う。かなりコメディ寄りの作品だったと思います。
世界最初の動く映像「動く馬」で馬に乗っていたのは名もなき黒人騎手で、その曾孫である兄妹が主人公。
世界最初の"それ"の撮影に挑むというストーリー。
冒頭の聖書の引用から、難解映画のフィルターがかかりますが、実際は未知のものは怖いという人の根源的な恐怖と、でも未知のものを見たいという人の好奇心もあるよねという話。
序盤から挿入されるとあるシットコム劇場でチンパンジーのゴーディが起こしたある惨劇。
未知のものがチンパンジーからUFOと変わり、惨劇もグレードアップ。
人は未知のもの/見せ物に翻弄されるが、家族を見つめようというメッセージで、父親を殺したのはUFOからの落下物のコインであり、UFOの存在を証明しようと兄妹が力を合わせて奮闘するストーリーで、ラストでUFOをSHOT(撮った)のは同じく落下物のコインを使ったカメラで復讐に成功した。そして本当のラストショットはUFOではなく、騎乗した兄の姿だったのが良い。
物語に関係あるのかないのか、ただの映画オマージュ・小ネタなのかわからないやりとりが多いのは少しタランティーノ映画っぽい印象で楽しめたのですが、後半色んな設定が雑になってしまい少し緊張感がなくなってしまったのは残念。
インディーズ映画で小さな劇場にかかっているならある程度覚悟できますが、大手シネコンでかかるということで、大手配給会社のユニバーサルは良くこの内容で配給したと思います笑
YouTubeで配信されている予告編、製作風景を観て予習をバッチリした方が見やすくなると思います。
イマイチだった
あの猿が話に全く関係ないことが一番びっくりした
あと木馬食べたくらいで旗に恐怖を覚えるとかめちゃくちゃすぎる
旗を怖がるはず…とか、目を合わさなければ大丈夫!とかその自信はどこから来るって感じ
ホラーのようでモンスターパニック?
あれが正体を現すまでの不気味な感じはIMAXとか音響の良い映画館で観たら評価が分かれそうかな?って思いました。
作品の性質上、事前に正体を明かせないのでホラーと想定して見に行くと途中からジョーズやトレマーズっぽくなって人によっては肩透かしに感じるかも…
私はあれの正体が斬新で良かったと思いましたが正体がどんどん分かっていくとその分怖くなくなるのも作品として難しい所…
作品全体通して分からない部分もあったので観た後に他の方のレビューや考察を見たら色々な発見があったので、そこからリピートして観ても楽しめる作品だと思います。
未知との遭遇+ジョーズ
久しぶりに展開に笑った、ジョーズ+未知との遭遇ジョーダンピール監督版
ちなみにホラーじゃないです
主人公の女性がジーザスリザードのTシャツ着てたけれど、あのジャケットっぽいイメージだった
前情報なしに観てほしい
監督は『ゲット・アウト』『アス』などのジョーダン・ピール。
無数に映画がある現代に、いつも想像もしない映画を見せてくれる。
この映画は、ぜひとも前情報なしに観てほしい。
⚠️以下、ネタバレ⚠️
鑑賞中、気持ちの振り幅が大きくて、
見終わった後に、どっと疲れが来た💦
面白い。
面白いけど、好きではない。
兄は引っ込み思案で生き下手。
妹は自分勝手。
謎の事象が次々に起こり、危険が近づいているのに、馬を守ろうとしない。
動物好きからすると
(馬を追え!🐎馬を放置するな!🐎馬を囮にするな!🐎)とにかく、馬が心配で心配で💦
まあ、ハリウッド映画では、ドントブリーズのように、いつだってひどい目に遭うのは動物でなく、人間なんですけどね😑
ちょいちょい差し込まれる暴走チンパンジーの話は、一体何を表しているのか。
動物たちの搾取への抗議、
飼い慣らせないとの警告、
それともジュープの狂気か。
冒頭は落ち目の黒人ファミリーや、売られていく馬を見るのが辛かったが、後半、謎が明らかになるにつれ、グイグイ引き込まれた。
アレをあえて無機質にしたのは、単なるパニック映画、モンスター映画にしたくなかったからか。
いやはや、ジョーダンは今回も期待を裏切らない。
日本人には理解し難いと思う。
最初の聖書の引用からして難解であり、そこがわからないと後の展開が理解し難い。
後で調べたら、「高慢で残忍な人々に対する神の復讐の話」であるらしい。
更に、キリスト教圏では、「人間(白人?)は神の似姿であり、動物は神が人のために作られたものであるから、好き勝手に利用してもいい」と言う古い考えがあるそうだ。
それを踏まえて振り返ってみると、傲慢な白人への罰。
一度は許された黄色人種が大人になり傲慢な罪を犯して罰を受ける。
チンパンジーを利用しようとして制御しきれずに食われる。
馬が食われるのを見せ物にしようとして自分が食われる。
欲をかいた黒人の妹は、最後の最後で出し抜かれて企みが失敗。
要は「罪には罰がある。それと、動物だって人間と対等な生き物なんだ」と言うのが今回のテーマであると、私には感じられた。
さてテーマはさておき、映画の出来としてはなかなか良くできていた。
映像、音楽、ストーリーなど、見て損はないレベルだとは思う。
蛇足
主人公の妹が「黒人レズ女性」と言うポリコレ要素満載設定であり、かつその設定がストーリーに全然絡んでこないと言うあたりに、昨今の映画業界の問題を感じた。
追記
蛇足が蛇足だという当たり前の指摘がありましたので、さらに蛇足。
私は、LGBTのキャラクターが登場することに不満があるのではありません。
映画として必要のない要素を、映画外の都合で無理やり入れることに対して疑義を呈しているだけです。
例えば、「著名な映画賞が、アトランティスの末裔という設定を出さないと受賞させないと言い出した」として、「主人公の妹がアトランティスの末裔という設定があったのに、ストーリーに全然関係なかった」としたら、どう思いますか?
それを指摘したことに対して、「登場人物の一人はアメリカ人であると思われますが、彼がアメリカ人であることがストーリーに絡むことは無かったと思います。なぜアトランティスの末裔のキャラクターにはそれが要求されるのでしょうか。」と言いますか?
特にこの映画では、妹のセクシャリティを明らかにする必要が全くありませんでした。それなのに、わざわざレズだと明らかにする必要がある方が、個人的にはよっぽど差別的だと思うんですがね。
さらにいえば、「レズビアンやゲイのキャラクターがストーリーに絡む場合、殺され、自死し、殺人鬼になる」とすぐ発想するような人こそ、差別的思想の持ち主なんじゃないでしょうかね。
前半のドキドキハラハラ感が
後半まで持続しなかったかなぁ…
恐怖の対象が謎で不気味っチューのはコッチ系ジャンルの常套手段なんでしょうが、結局UFOと宇宙人と分かった段階で、察したと言うか…
ラストシーン、結局マスコミが大挙押し寄せてたっちゅーことは、主人公達の目論見である独占公開して大儲けするって話は全て泡と消え去ったんでしょうか…
【「ナホム書 第3章 6節」人間が制御出来る有機生命体と、制御が到底無理な”モノ”を描き出した作品。序盤の凄惨な光景と、中盤の不穏な雰囲気から後半の尋常でない緊張感の繋がりが効果的な作品でもある。】
ー 冒頭、「ナホム書 第3章 6節」というテロップとともに、
”私はあなたに汚物をかけ、あなたをはずかしめ、あなたを見せ物とする”
と、ナホム書に書かれた文章が流れる。
そして、映画を観ていくうちに、観客は上記の言葉そのものの凄まじい光景を見せつけられるのである。
ちなみに、ジョーダン・ピールは前作「アス」でも旧訳聖書 エレミヤ書を効果的に使用している・・。-
◆感想
・冒頭のテロップの後、いきなりTV人気ドラマのセットで起きた惨劇の後のシーンが映し出される。この時点では、何が起こったのかよく分からないが、中盤その惨劇のシーンが写しだされる。
ー そのシーンでは、TV人気ドラマで人気だった猿が、制御不能に陥り、”一人の少年を除いて”惨劇を引き起こした後に、射殺される。
明らかに、この凶暴化した猿は、この後に出現する巨大な制御不能な飛行有機生命体を暗喩している。-
・その後、舞台は広大な渓谷の中に有る牧場に移る。OJ(ダニエル・カルーヤ)と妹エメラルド(キキ・パーマー)は、半年前に”飛行機からの落下物”に当たり死んだ父の後を継いでいるが、経営は楽ではない。因みに、傍にはテーマパークがあり、且つての惨劇で生き残った男が運営している。
ー この辺りの設定も上手いが、未だ、想定範囲内であり、緊迫感も薄い。-
・OJたちは、半年間動かない雲の中にUFOを一瞬見、その姿を撮影する事で、一儲けしようと考え、町のデジタルショップに監視カメラを買いに行き、屋根に設置する。
ー この辺りから、物語は緊迫感を増してくる。観る側は、雲の中の”アレ”をUFOと思わされながらスクリーンを観ているのだが、徐々に”アレ”そのものが、警戒心の強い有機生命体であることが分かって来る。
故に、その下で暮らしているOJや妹エメラルドは大丈夫なのか・・、という思いが強くなり、サスペンスフルな雰囲気が画面に充満し始めるのである。
・テーマパークを運営する男が、”アレ”を見せ物にしながらショーを繰り広げるシーンから、本格的にこの作品の真価が発揮される。
ー 観客席には、且つて猿に顔面をグチャグチャにされた女性がベールを被って座っているのも印象的だ。
そして、彼らの上に来た”アレ”は初めて、全容を大スクリーンに表し、観客たちを巨大な穴の中に吸い込んでいく・・。あの穴に吸い込まれるのは嫌だなあ・・。-
・その後、「ナホム書 第3章 6節」と全く同じように、OJ達が住む家には、血の雨が降り注ぐ。”消化“できなかったものと共に・・。
ー そして、徐々に”アレ”の性質が明らかになって行く。攻撃的で、目を合わせたモノには敵意を剥き出しにする事。現れると、電気が使えなくなること・・。-
<父を喪ってから、死んだように生きていたOJが、エメラルドや、デジタルショップの店員や、知り合いの老カメラマン、ホルストたちと、”アレ”に対峙して行くシーンは、見応えがある。
そして、”アレ”が苦手とする”消化しきれないモノや、様々な”旗”を効果的に使用し、”アレ”の正体が露わになるシーン。
今作は、序盤はスローペースながら、恐怖心を少しづつ観る側に植え付け、後半は一気に引き込まれるサスペンス・ホラーである。
あの極限状態で、父を殺した”アレ”に向かっていったOJの成長物語でもある。>
■追記<2022年9月5日>
拙レビューにて、致命的な瑕疵を御指摘頂き、修正しました。
キッドさん、有難うございました。
ほのかにかおるB級臭
不思議な映画。
不思議な魅力がある、と言いかえても良い。
独創的なSF映画であることは確か。
なんというか…。謎なところが多くて、「あれってどういうことなんだろう?とつい考えてしまう」
この映画を構成しているいろいろなモチーフがなんだか意味ありげで、背後に多層なテーマが隠れているような感じがするのだが、すんなり読み解けない。
UFO(空飛ぶ円盤)、キャトルミューティレーション、雲、馬、猿、黒人、世界初の映画、ローテク…。
「動物を飼いならすこと」がこの映画の最も重要なテーマだろうことはまちがいない。
主人公は動物(馬)とどう信頼関係を結べば良いのか、わかっている人間として描かれている。逆に彼以外の人物に、(彼の父以外では)動物に配慮している者はいない。
一方、チンパンジーのゴーディーは、凄惨な事件を起こす。
ゴーディーは表面的には人間の家族のように扱われているが、それは単に人間が猿に擬人化した人間の役割を与えているだけで、猿の気持などまったく考えられていない。人間の残酷さ、傲慢さ、愚かさが凝縮されたシーンだと思う。コメディ番組の愉快なシナリオがコントラストとなって、それが際立つ。
現実のペットもこのような扱いがされていることが多いと思う。きれいな服を着せたり、誕生日にケーキを与えて祝ったり、ペットの立場からすれば意味の無いことをしているのに、飼い主は勝手に動物の気持ちを擬人化して、人形遊びのようなことをしている。それに気づかず、「ペットのためにやっている」と思っている。
あと、「日常的にそばにいる、無害だと思いこんでいるようなものは、実はすごく恐ろしいものなのかもしれない」というテーマもあるように思った。
日常の風景として見慣れているはずの「雲」が、映像の早回しによってはじめて異常が発見されるのは、非常に暗喩的だと思った。日本にも「ゆでガエル」という喩えがあるが、われわれには「ゆっくり変化しているもの」に気づきにくい性質がある。
エンドロールで、はじめ背景が黄色で、次に赤になり、最後に黒になるのも、これをあらわしているのだろう。色の変化がゆっくりなので、ちょっとの時間みただけでは色が変わっていないように見える。
UFOがすべての電子機器を使えなくしてしまう、ということにも何らかのテーマが隠されているように思った。手回しカメラ、馬、ポラロイドカメラを使ったUFO撃退作戦は単純に面白いが、面白いだけではない、何かがあるように思う。
PC、スマホ、デジタルカメラなどの電子機器が故障するとき、われわれはその故障の原因をあまり深く考えることはない。それは、その仕組みが難しすぎて分からないからだ。われわれはこれらの電子機器を理解することを放棄しているともいえる。そして、よくわからない理由でいつ故障するかわからないこれらの電子機器を、どこかで信用していない。
それに対してローテクの道具には、もちろん壊れることはあるにしろ、仕組みがわかっているという意味の安心感がある。また、大切に使おうとする気持ちをもつとき、道具に対して対話的になる。
あと気になったのは、不思議なB級臭だ。
UFOが敵ということで、B級っぽくなりがちなのに、UFOのデザインはまるきり「空飛ぶ円盤」そのものだし、徐々に明らかになってくるUFOの本当の姿も、布でできているみたいで微妙にチープ。UFOの食道(?)を通る飲み込まれる人々のシーンは完全に低予算映画みたい。
そもそも「人を食う〇〇」というのはB級映画のお約束みたいなもの。アドバルーンを食べさせて爆発させてやっつける、というのもB級らしい。
ここまでB級要素が強いと、あえてやっているとしか思えない。
1つの解釈として、監督が真にテーマとしたいのは前半の展開であり、後半のUFOをやっつけるくだりは重要ではないんだよ、ということなんかな、と思った。
追記:
「雲」って、「クラウド」のことなのかな、とふと思いついた。
月刊ムー?
話はシンプル、未確認飛行物体に喰われちゃうお話である。
中盤まで、オィッめちゃくちゃヤバいヤツが来るぞ!!と煽りに煽ってきて、いざ出てきたやつは胡蝶蘭みたいなキレイな形のUMA。
途中からなんか可愛くなっちゃったよ。
UMAのお口の中の描写があまりに子宮内っぽくて、それ以降はギャグ映画にしか見えなくなってしまった。
作品中で1番怖かったのは、主役のUMAではなく猿のコーディー事件なのは何かじわじわと来るものがある。
実体がわからない恐怖
この類の映画って相手(敵?)の実体がわかってからは少し怖さが薄れてしまうものだが、本作の場合は実体がわかっても得体や目的を最後までわからないままにしておく事で恐怖を維持させる事に成功した良い例かなと思った。まあその分いくつか疑問は残ったままになってしまうが。
過去のチンパンジーの悲劇から、いかに人間に近い存在であっても完璧に理解し飼い慣らす事などできないのだから異星生物?など言わずもがなでしょ、という説得方法は良いように思った。
そして教訓を活かせず反省しない者はしっかりと罰を受ける、という正しい道徳感はベタだが嫌いではない。
映像に納め一攫千金を目論むが、途中から命あっての物種でしょと言いたくなるぐらい死と紙一重の攻防を続け、最期に刺し違える覚悟で挑んでいく姿は少し理解し難いものがあるが、父親の仇を打ちたかったのであれば倒すまで頑張って欲しかったりする。
ハイテンションの妹との対比をより色濃く出したかったのだと思うが、主人公がかなりクールでカッコよく描かれ過ぎていたのは個人的にはあまり好みではなかった。
ゲットアウトやアスのような何とも言いようのない気持ち悪さではなく、割と正統派なSFスリラーなので、難しく考えなくても観る事が出来るおすすめの映画だと思う。
ウルトラQのような不気味さ
”アレ”が現れたときに、シアター内の空気が止まる。
ここのシーンの体験はIMAX®で観てこその体験で、自宅では絶対に体感できない鑑賞体験。
IMAX®で観てよかった!
程よい不気味さ、疲れさせない驚き。。。
ウルトラQや怪獣・宇宙人が出ない回のウルトラセブンを見ているような気分。
終始釘づけ!
上から金属片が落ちてくるのも、リアルで怖い。現実で起きている、なぞの失踪を遂げた事件は、”コレ”の仕業なんじゃないかと考えてしまった。
久々に現実と虚構(=映画)で起きている事象が、重なってドキドキする映画だった。
予告編でも流れている、”赤い水”が降ってくるシーン。
つまり、”アレ”の排便行為なのかな・・・「う○ち??」と思ってしまった。
チンパンジーは結局なんだったんだろう、どうして靴は垂直に・・・?
ちなみに、
メイン3人と不可能を撮影するカメラマンの食事のシーン、
キリンビールの一番搾りを飲んでいたよ。
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