「割と期待してたけどなあ…」NOPE ノープ osmtさんの映画レビュー(感想・評価)
割と期待してたけどなあ…
う〜ん…
アイデア良し。
終わり方も良し(かつて、“撮られていた黒人”が、”決定的瞬間を撮る人”となり勝利!)
でもなあ…
肝心の地球外生命体の造形がダメすぎる。
あれじゃ生命体というより、本当に張りぼて(ワザと?)
喰われてしまうという生々しい恐怖感があまりに希薄。
あれじゃ、機械仕掛けだったジョーズにも及ばない。
せっかく、撮影は『TENET』のホイテ・バン・ホイテマだったのに…
散々と使い回されたAlien的な有機的なグロさを避けたかったかもしれないが、それにしても、もうちょっと、なんとも、なんとか、どうにかして欲しかった。
前半の展開もスロー過ぎて、なんとも退屈。
緊迫感の無いスローは、この手の映画では本当にメイクセンスしない。
チンパンジー暴走のシークエンスに関しても、伏線回収など全く無く…
調教=支配?
よっていずれは逆襲されるってヤツ?
テレビという見せ物小屋における
視る:視られる=加虐:被虐?
よって、その虐待性が暴力に火をつけた?
そりゃまあ、そうかもしれんけど…
であれば、テーマパーク(という見せ物小屋)のオーナーがUFO(というかフリークス)を馬で餌付けしていたなど調教を明示させないと。
主人公が気付く瞬間のショットはあるが、あれだけでは、いきなり突飛すぎて観てる側は置いていかれる。
せっかく少年時のオーナーとチンパンジーとは交流できそうな(E.T.オマージュ?)なシーンもあった訳だから、あの生命体に攫われる直前は、あのシーンとリンクさせないとアカンよ。
おそらくオーナーは、UFOの調教を成功させる事により、過去のトラウマを克服しようとしていたのだろうから。
それに監督ピールのTwitterで公開されている「Gordy’s home」のオープニング、せっかくイイ感じのシットコムで仕上がったのだから、アレは本編に入れるべきだった。
アレが入れば、チンパンジーの豹変ぶり、より一層際立ったのに。
なんで入れないのかねえ?
しかし結局のところ、ピールの作品としてはショッキングの度合いが、あからさまに落ちてしまったのが一番残念だったところ。
あと、Toho Cinemas 六本木!相変わらず照度が足りないよ!
画面が暗くて、なんか、ずっと暗いフィルター越しに観ているみたいだった。
早く改善してくれ!