「大作はこれにて終了。小さなホラーコメディーをもっと観たい。」NOPE ノープ たあちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
大作はこれにて終了。小さなホラーコメディーをもっと観たい。
「ゲット・アウト」があまりにも面白かったので2作目も今作も期待過剰で劇場へ行ったのがやはり間違いであった。作るごとに制作費が増えるごとに確実につまらなくなっていく映画の不思議よ。決めつけるのは良くないがジョーダン・ピールは大作を撮るような監督ではないしバジェットが大きくなりスタッフが増え優秀なプロデューサーと優秀な撮影監督を起用することによってどんどん普遍的になり個性が奪われちょっとしたブラックユーモアが使いづらい、もしくは効かなくなっているのではないだろうか。シットコムの猿の惨劇も寂れたテーマパークの東洋系経営者の背景としてちょっと描くアイデアとしては面白いと思うのだがスタジオセットにも美術にも凝ってCGまで駆使して大真面目に見せられてももはや笑えない領域にイッテしまっているのだ。彼自身は予算使って大好きなスピルバーグの「未知との遭遇」をやりたい放題できて楽しかったには違いない。それは分かるあなたの映画への愛情は十分理解するがでも普通にストーリーを追って見る観客のことを考えてみて欲しい。唯一AKIRAオマージュの金田バイクスライドを実写で完璧に再現して見せてくれたことに拍手を送りたい。
コメントする