「上空の何か」NOPE ノープ TWDeraさんの映画レビュー(感想・評価)
上空の何か
ジョーダン・ピールが描く「スリラー映画」は古典的で王道なわりに、どこか新しさを感じるところがあります。それはおそらく、登場人物の強烈なキャラクター付とテンポ感が大いに影響することで、作品に独特な「個性」を生んでいるような気がします。
陰キャで頑固な兄貴OJ(ダニエル・カルーヤ)と陽キャでイケイケな妹エメラルド(キキ・パーマー)の兄妹。そして抜け目ないわりに律儀な“技術担当”エンジェル(ブランドン・ペレア)や、壮絶な過去を今も追い続けるリッキー(スティーブン・ユァン)他、個性豊かな面々が織り成すアクションは、緊張や恐怖に時折オフビートなユーモアが利いていて絶妙な面白さがあります。
ただ、前2作品が「人間の奥底にある怖さ」を描いた作品だったのに対して、今作は「上空の何か」が相手。実際、映画が進むにつれその「何か」が姿を見せるのですが、正直あまり「ピン」ときません。おそらくこの手の「超常現象」に対する興味が高くないことも影響しているかもしれませんが、まぁ、そこはいわゆる「設定」として見れば十分に楽しめる作品にはなっていると思います。
何なら、前述したリッキーの過去「ゴーディ事件」が一番恐ろしいのも、ある意味「いいスパイス」になっている気がします。
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