「ガザの日常 パレスチナ の人たちの暮らし」ガザ 素顔の日常 redirさんの映画レビュー(感想・評価)
ガザの日常 パレスチナ の人たちの暮らし
ここ数年、パレスチナ の風景を知ることができる映画が、劇映画もドキュメンタリーも増えてきて、パレスチナ やその人々に心を寄せる人には!現地の様子を垣間見ることができ感謝しかないとと思う。天井のない監獄ということばがまさに相応しい。僅かな細長い土地、片側は海、だか海にも繰り出すことができない。空も高く広がるがそこは爆撃機が往来するところ。パスポートも移動の自由も制限されているガザのパレスチナ 人にはうみも空も有限だ。
その中でも逞しくなんとか融通して生きている人たち。廃品で手作りしたボードやボートで遊ぶ少年たち。クラシック音楽を学びなにかをかえようもする学生。タクシーを運転しながら日々苦しくなる一方の暮らしを見つめる。海で漁をして警備隊に拿捕逮捕された息子を待つ家族、息子の帰還。ハマスの登場台頭によりパレスチナ への支援や思いが分散され散逸されたというようなことが述べられている。ISいわゆるイスラム国の登場により、難しい中東情勢や紛争の歴史においても、ある種わかりやすくアラブの大義という柱の下理解出来たことが根こそぎひっくり返されパレスチナ はどうなるのか危惧と不安しかない。ハマスのグリーンカラーのパレード、参加する多くの人々の表情は熱狂より憔悴や諦念、惰性にも見えるが日常の一コマなので僅かなシーンから読み取ることはできないだろう。帰還した漁師の息子を迎え祝うのはPFLPの旗。最近の情勢は勉強不足で分からないので率直な感想だけ。何も詳しいことを知らなくてもガザストリップに暮らす人々、大海を前に前にも後ろにも進めない暮らし、その中での連帯と助け合いと、鬱屈しこれ以上は耐えられないという状況を押し返し精一杯ぶつける石礫。報復の空爆や砲弾そして子どもも含めパレスチナ 人たちは倒れ負傷し障害をもち、この悪い循環が狭い土地で繰り返される。ほとんど寝ることと家に帰ることもできない救急救命士の男性、絶え間なく運び込まれる爆弾、空爆、あらゆるイスラエル軍の武器と暴力による負傷者の手当てをする。私たちは鉄の塊じゃない生身の人間だ、と語る温厚で熱意あふれる医療スタッフの彼、唇を噛んで顔を歪め本当はいいたくないけどつい漏れてしまった、
パレスチナ人以外の全ての人間に怒りを感じる
という苦渋の表情、言葉。全く無力な自分を恥じる。そして笑顔とユーモアと悲嘆と絶望のガザの人々を想う。