ノースマン 導かれし復讐者のレビュー・感想・評価
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"大鴉王"
この手のジャンル、娯楽作に突き進んだかと思いきやイメージしていたようなアクションなど派手な戦闘シーン的なモノは控え目にロバート・エガースの前二作から引き継がれている世界観みたいなどんよりした暗い雰囲気など映像美が際立つ、単純に復讐する男の物語が在りがちに思える中で知的な要素が含まれている場面や演出の数々。
もはや顔芸がピカイチなデフォーやアニャ・テイラー=ジョイのお尻、アイスランド繋がりからのビョーク、逞しくて薄情なニコール・キッドマン、ラストの決闘シーンは『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』でのオビ=ワンとアナキンの闘いみたいは気のせいか!?
一瞬、毛色を変えた方向に舵を切ったようで不安に思えたがロバート・エガースは変わらなかった、思い出せる限り『ヴァルハラ・ライジング』を撮ったレフンやポール・バーホーベンは『グレート・ウォリアーズ/欲望の剣』をジョン・ミリアスは『コナン・ザ・グレート』な訳で、ロバート・エガースの次回作は現代劇を期待したい。
アイスランドの温泉にホッコリ
こういう映画をどうしても作ってみたかった❗️
そして、本当に作っちゃった‼️
そういう意気込みで作り上げた世界観なのだろうということがヒシヒシと伝わってきます。
でも、想像してたよりは〝軽い〟のです。
ダークかどうかはともかく、ファンタジーの割りに背負ってるものが薄い。ニコールママの種明かしも単なる〝説明〟なので、イーサンパパの実像の真偽についてさほど懊悩(本当なのか、だとしたら俺はどうすべきなんだ?)することもなく、じゃあ、そんなことにウジウジするくらいなら未来志向で明るくいこうぜ‼️ともならない(せっかくアニヤ姉さんが未来志向でやり直そう、みたいなことを言ってくれたのに)。
時折(都合よく)出てくる予言者的巫女のイメージだけで宿命とか運命を匂わせる演出も少しくどかった。
この映画で一番ホッとしたのは、二人で小さな温泉に浸かったところ。
だって、ずーっと寒そうだったし、寒いけれども汗臭そうだったし。
不思議なことに、似たような風貌だった『ロード・オブ・ザ・リング』のアラゴルンには、お風呂入って欲しい、と一度も思わなかったんだけどなぁ。あ、でもギブリには思ってたかも😆
『テルマエ・ロマエ』でご存知の通り、古代ローマ人は今もヨーロッパ各地に残る水道橋などから常時、清潔な水を引き(トレビの泉だって元々は初代皇帝のアウグストゥスの時代に作られたのが起源…今もその時の水道から供給されているのかどうかは確認してませんが)、衛生環境の整備にも抜かりなく、お風呂好きで有名です。お風呂の中にも数人並べる穴あきのベンチがあり、排泄物の落下する場所にも水が流れていたそうで、これが洋式便座の始まり(と、どこかで読んだ記憶があります)。
帝国滅亡後は、キリスト教の影響(裸は欲情をそそるからダメ❗️みたいなこと)などもあり、お風呂文化は廃れていきましたが、そのせいばかりでは無いにしろ、中世ヨーロッパには、〝不潔〟なイメージが強い。だから、臭いを誤魔化すために香水が発達した⁈という説もあるくらい。
それで映画ですが、製作陣の熱意に比べると、娯楽作品としての出来は少し残念な印象です。
面白かったが、、
とっても好みで面白かったです。
王妃、あれは酷いですね。主人公が可哀想でした。
それはそうと、良いところである方の剥き出しになった歯に矯正器具が付いていて、、これどうにかならなかったの?今どきこれくらい画像修正できるでしょうが!と残念です。笑
生々しい
13本目。
始まった瞬間から、大作を予感させる。
芝居が大仰で舞台みたいとは思ったけど、この世界観に合っていて違和感を感じない。
映像の生々しさ、本能剥き出しな感じに
、ちょっと目を背けたくなるけれど、業なのかなあとは思ったり。
復讐するは我にあり…
激過激、激バイオレントなハムレット!
バイキングなんだから、復讐するは我にあり、とばかりにただそればかりを追い求める。
これほどまでに中世北欧の呪術的な世界観のリアリティを追求した映画があったのだろうか…
そしてそれが達成された場合、どうなるんだろうか…?
演出も音楽も素晴らしいが、なによりも北欧の光を(おそらく人工の照明なしで)再現した撮影スタッフが素晴らしいと思われる…
まずはベスト級降臨…
神経を逆撫でするような生々しい映像に圧倒される
人間の原初的な部分をえぐり出すかのような、生々しくて、荒々しい映像に圧倒される。
人と獣の境界線や、文明と自然の境界線が、まだ曖昧だった頃の物語であるということが、スクリーンから、肌感覚で伝わってくるのである。
荒削りで、洗練されていないアクションが、逆に良い「味」になっているし、神話的な要素や超自然的な描写も散りばめられていて、ファタジーやホラーの味わいも楽しめる。
極めてシンプルな復讐の物語ではあるが、主人公の目的が、父親の仇を討つことから、産まれてくる子孫を守ることに変質するところも面白い。
ただ、復讐の相手である叔父を殺すチャンスは何度もあったはずなのに、なかなか本懐を遂げられないところにはフラストレーションがたまるし、話がもたついた感じになってしまったのは惜しまれる。
もう少しテンポがよければ、復讐のカタルシスも増したのではないだろうか?
映像はめちゃくちゃ綺麗
内容は悪く無いんですが 盛り上がりってのがあまり無いので そこはちょっと眠くなりつつも
やたら綺麗な映像とロケーションで ついつい引っ張られます ニコールキッドマンがいい味だしてましたよ
これぞ本家だ、北欧版地塗れハムレット!! 復讐に彩られた亡国の王子の人生の咆哮と魔女の微笑...これぞ本当の貴種流離譚映画
噂に違わぬ骨太で血みどろな北欧神話譚!
"父王を叔父君に誅殺され母を奪われた王子が漂流の末に復讐を果たす"というまさしく『ハムレット』的な貴種流離譚がその本筋なのですが、そのモデルとされるスカンディナヴィアの伝説上の人物アムレートを主人公に、より物語の出自に沿った北欧神話的な純然たる暴力と峻厳な自然を背景としたダークファンタジーに仕上がっており、『ハムレット』の抒情たっぷりで"女々しい(誤解を恐れずに言えば)"部分を排した徹頭徹尾猛々しい復讐の物語にリビルドされています。
『ハムレット』はどうにも甘ったるくて…と感じている方々、幼少期に慣れ親しんだ『小さなバイキング ビッケ』から転じてバイキングの勇躍に惹かれる、そしてシュワちゃんの『コナン・ザ・グレート』やジェイソン・モモアの『コナン・ザ・バーバリアン』の野性味に打たれた方々ぜひ、というところ。
同監督の過去二作品とも人心の醜悪さや超自然的な事象に対する得体の知れない恐怖を鬻ぐ展開が高く評価されており、本作でもその手法は踏襲されつつもさらにアクション(それも多分にバイオレンスな)にロマンスという娯楽要素が加わり、製作者として一気にマジョリティーを獲得した感があります。
史実を背景としたリアリティーとケレン味を利かせたオーバー表現との間のバランスにやや迷いは感じられましたが、今後の彼の監督作品については職人としてよりどちらかに振り切った趣向が企図されるかと思うと、本作でのこの混然一体とした独特の妙味はなかなかに貴重かもしれません。それがゆえにオフトーンにも荒唐無稽にもなり過ぎず、独自の空気感が漲っているように思いました。
ツェッペリンが脳内でリフレイン
北欧のヴァイキング神話を主軸とした、父を殺された子の復讐譚という事で、『コナン・ザ・グレート』っぽいストーリーかと思っていたら、案の定その通りだった。というか監督のロバート・エガース自身も影響を受けたと公言していたようなので、実に分かりやすいというか。戯曲っぽいセリフ回しからもシェークスピア劇、特に『ハムレット』を下地にしたのだろうし、『グラディエーター』要素もチラホラ。
『ターザン:REBORN』でもムキムキぶりをアピールしていたアレクサンダー・スカルスガルドだが、本作は『コナン』のシュワちゃんを彷彿とさせるボディが説得力十分。剣劇アクションは華麗さよりも重厚さ・荒々しさに重点を置いている。父殺害の動機の真相に意外性を感じなかったり、敵討ちにかける時間が長すぎないかといった細かいツッコミはあれど、外連味たっぷりな画作りはエガースらしさ爆発。前監督作『ライトハウス』同様、本作でも"鳥”が重要なモチーフになっているのは見逃せない。劇伴で『移民の歌』を流れたらテンションMAXになっていたが、流石にそれは無理だったか。
道産子としてはお菓子のノースマンがチラついてしょうがなかったが、しっかりコラボレーションしていたようで何より。
人間の本性を曝け出すドラマ
ドラマの中で何度となく出てくる四つん這いになって、遠吠えする男たち。人間も、理性で着飾ってはいるけどそれを剥ぎ取ると、野獣、そしてストレートな感情。こういう人間の赤裸々な姿は、現代劇では描けない。
たとえば、ビルの谷間で男が長い髪を振り乱して、人に襲いかかるなんて、それはホラー映画でしかあり得ない。でも、どんなに着飾った人間にもそういう野生としての血はあるんだろうと思う。
ストーリー全体を覆うのは復讐。親を殺された憎しみ。それが人間を突き動かす。現代の殺人事件にしても、そういう野生的な側面が理性を抑え込んだとき起きる。しかし、大概のひとは、対人で嫌なことがあってもグッと堪える。だから、著名人が計画的に殺人を犯す刑事コロンボは、ちょっと嘘っぽい。
最後は相打ちで主人公も亡くなるが、邪悪な相手を倒して、かつ、なくなっていく。これは、悲劇か?とも思ったが、上映後のトークショーでハッピーエンドだったと聞いて、そうか、そういう見方か!と思った。愛した女性の中に子孫を残せたから。だから、最後は安らかな顔がスクリーンにあらわれたのだ。
勧善懲悪で、悪い奴をやっつける同じ北欧神話のマーベルのマイティソーもいいが、ノースマンの方が人間の本性をえぐるドラマになっていてよい。ソーの兄弟のロキは殺されても殺されても死なないわけで(笑
今回は東京国際映画祭でみたが、1月の公開で再度見てみたいと思った。
スケールアップしてもエガース節は健在!復讐もまた運命の導きなり
アクション/アドベンチャー/ヒストリーと様々なジャンルを跨る血生臭い復讐モノである本作によって自身がアクション含む大作(予算・規模感、豪華キャスト、本編尺)もいけることを証明して、自身の特徴的なスタイルや世界観(ex. 神話などに通ずる時代モノばかりの題材)を保ったまま拡大することに成功している。揺るぎない確固としたスタイルと荘厳さ、魅惑的な語り口に魅了される歴史巨編一大スペクタクル。
シェイクスピアの『ハムレット』ハムレットの元となったと言われている伝説。神々しい、ある種必然の題材。台詞回し然り、実際シェイクスピアや演劇的な要素が乗り移ったような瞬間もあった。アイスランドと言ったらビョーク、ちなみに監督と共同脚本務めるはこれまた一風変わった『ラム』のショーン。
忘れ難いビジュアルの数々!雄大な自然を捉える美しい撮影の中で展開されるのは決してスピーディーではない重そうなアクションだけど、それはそれで合っていた気がしたし、監督らしい顔の寄りなども挟みつつ独特なテンポを形作っていたと思う。笑っていいのか分からないインパクト溢れるシュールなシーンや展開も健在。
背中から肩にかけての筋肉がドラゴンボールや北斗の拳などマンガ並みなアレクサンダー・スカルスガルド大暴れ!今回母親役であるニコール・キッドマンとはドラマ『ビッグ・リトル・ライズ』で年下の暴力夫として共演していたくらいだし、若々しいから少年が数年後にスカルスガルドになっててもあまり違和感なかった(ex. 朝ドラ、大河ドラマ)。ラストバトルは熱い!!
『ライトハウス』に続いてウィレム・デフォーの使い方分かっているし、『ウィッチ』か今やすっかり名作請負人となりつつある脂乗りまくりアニャ・テイラー=ジョイ。それにイーサン・ホーク大好きとしては嬉しい父親役。
Strike! To the Valhöll!
P.S. 本編中にプシュプシュ開けて…持ち込むの缶って!あと、コソコソする系の人、聞こえてるから!ずっとされていたら気になるから人思いにバッとしてくれ、と思った。
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