ぜんぶ、ボクのせいのレビュー・感想・評価
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こんな薄気味悪いを作ってしまったのは『ぜんぶ、演出家のせい』
こんな映画で世の中の御託を語りたくないし、語られたくない。
カウンターカルチャーしかない日本映画のクロスカウンターな◯ソ映画。
『裕太くんは悲しくないの』と同じ言葉をこの監督に言いたい。
『監督さんはこの映画で満足なの』
西洋の映画だったら、ロード・ムービーという形をとって、経験を重ねる事で少年少女の成長を描く。しかし、この映画も韓国映画や日本映画の最近の傾向は一つの考えにこだわり、幼い内に偏見を形成してしまう。この映画が良い例(?)。だから、『万引◯家族』や『パラサイ◯』と似てるでしょ。
悪くないんだけど,ちょっと残念かなぁ
母親に育児放棄されてる中学生の男の子、母親の死に疑問を持ちながらエリートの父親と上手くいかない高校生、そして浮浪者のように軽トラで暮らす中年。前半とても期待できる展開で,どうなっていくかと思ったら、予想外の結末。初めて心を許せた,居場所を作ってくれた中年は車ごと焼かれ,おまけに警察に保護されるのかと思ったら,放火の容疑だった。ちょっと唐突な展開で最後に彼がこのセリフを言うのだ。これはちょっと納得感が低かった。
えっ、このまま終わってしまうのか?
養護施設で暮らす少年が、トラックで生活するホームレスと出会う。
そこに、援助交際に明け暮れる女子高生が絡んでくるという物語。
3人とも似た境遇。キーとなるのが母だ。
母親に捨てられた少年。母親から虐待を受けていた男。
幼い頃に母親を亡くした少女。
その意味深な設定が、伏線かと思っていたのですが、
最後まで回収されませんでしたね。
不幸を絵に描いたような3人が、不幸なまま終わっていく。
この映画で何を伝えたいのだろう?
キャスティングはいいですね。特にオダギリジョーさん。
こういう役をやらせたら、天下一品です。
年下の男の子
松本優作監督作品では、「日本製造」はトコトン合わずでしたが「 Noise 」が好きだったので期待して鑑賞開始です。ただし事前情報は完全にゼロw
いきなりの木竜麻生ちゃんです。2日連続です。最近、よく顔を見ますね!えっと、あなたは松本まりかさんじゃあーりませんか?と思ってたら青葉竜也登場。更に、久々に情け無い感じのオダギリジョー。太賀は来るわ、川島鈴遥は来るわで。このキャストはB級ちゃいます。全然シネコンレベル。なんで単館?
これがですね。オチで納得です。こりゃ一般受けしそうにないw
そんなに俺を悪者にしたいのか?
なら、それで良いから。
でシャッターが下りた。
松本優作さんの画力は、藤井道人さんのそれとはちょっと違うと思うんです。画、そのものの粒度と美しさが藤井道人監督なら、松本優作監督の画力は、描写に使うカットのセンスって言えば良いのか。連続感のある描写、みたいなヤツ。台車を押して軽トラまで帰る優太の姿をちょっとだけ挟み込むとか、エンコーする詩織がホテルに入って行く場面と出て来る場面を、違う日・違う人・違う画角で使うとことか。海辺のソワレは岸側からで、自殺で海に入る画は海側からと言う対比の仕方とか。
この「基本点」の高さ、と言うか、考えて狙いがあってやってます!って言うところが良いですもん。
松本優作監督のシネコン作品、待ってます。イヤ、一般受けするオチが必要なんだと思うんですけどね。藤井道人監督だって、短命悲恋ものを撮ったくらいだからw
良かった。
普通に。
リアリティがやっぱりなかった
映画なので、多少のリアリティのなさは仕方ないとは思うけどあまりにもなかった。
大切な人が焼死したのに、火を見て「落ち着く」という発言にビックリしてしまった。
女子高生はなしで、おっちゃんと少年二人の関係をもう少し深く描いて欲しかった。
無駄に恋愛を絡めてよく分からなくなった。
オダギリジョーの演技は自然すぎで最高でした。
ぜんぶ、脚本のせい
優太役の白鳥晴都君の憂いのある佇まいは良かった。
仲野太賀ファンとしては、少ない出番ながら良かったし、役者さんはそれぞれとても良いと思った。
しかしいろいろ脚本がおかしい。
施設の人が迎えに来たはいいけど、簡単に取り逃したまま放置。
小さな町でホームレスと少年が一緒にいても放置。3人それぞれの親の事もフワッとしたまま。
題材は良いだけに残念。
うーん、と思いながらエンディングまて来たら、最後に酷いな。これといった証拠もなく、一緒に生活してたというだけで犯人と決めつけて、駅前で大捕物なんてあるかな?あの段階では話を聞くだけでしょう。
それは優太もぜんぶ、ボクのせいって言いたくもなる。
【良かった点】 主人公の成長を描く上で、出会う大人たちの説得力が大...
【良かった点】
主人公の成長を描く上で、出会う大人たちの説得力が大切だとこの手の映画ではよく感じるが、脇を固める俳優陣の信頼度は凄まじかった。海岸のシーンが頻発するが、昼夜共に絵的な美しさに息を呑んだ。これだけの絵力があればもう元は取れたようなもの。オダギリジョーの達観しつつもクズなおじさんの役所が素晴らしい。激渋イケオジだった。
【良くなかった点】
地震、売春、ホームレスとさまざまな問題を盛り込んだだけに一つ一つの掘り下げが甘いと感じた。どれをとっても問題提起で終わってしまっていて、根本的な解決には至っていない。その曖昧さが思春期の感情の不安定さを表しているのだとしたら見事。
自己責任社会を問う、意義ある映画
この映画、自分が所属する映画合評会8月の課題映画でした。いわゆる映画通の会のメンバーからは、作中のプロットや設定に関する無理筋やほころびを指摘する少々ネガティブな意見もありました。
でも、私は30歳の若い松本優作監督がこの映画を作った意義はとても大きいと思います。
映画の中から一番感じ取ったのは、この10数年この国に蔓延る、何かが起きた時の「自己責任」を問う雰囲気、同調圧力、そういう圧をかける元凶となる「匿名性の下の監視社会」への問いかけでした。
映画の話に戻します。
主人公は13歳の少年。母親のネグレクトによる、施設での生活をしていますが、この生活が嫌で「母親が迎えに来ない理由」を確かめに訪ねて行くが、邪魔者扱いで施設に戻されそうになる。見放され、お金もなく、行くところもない…苛酷な状況に追い込まれます。
しかし、母親を探した先の土地で自分と同じ寂しさを抱えるホームレスのおっちゃんと、孤独な女子高生とに出会います。
少年は、二人にシンパシーを感じ、心の平安を得て自立に踏み出そうとするのですが、大好きで頼りにしていたホームレスのおっちゃんが焼死するという悲劇が起き、主人公は放火の疑いで警察に捕まってしまいます。
放火の犯人は映画の中では特定できません。観客に問いかけているのです。
ストーリーの登場人物がやったようにも見て取れるのですが、私には、そういう単純な話ではなく、誰が良い者か悪者か非常に分かりにくくなっている今の世の中の「普通に暮らしている人」の誰かがやったのだと思えました。
ホームレスの存在を自分の身近な場所で許さない、だから焼いて消す…という排除の論理です。
匿名性が許されてしまう今の社会の「あいつゴミだから」「汚くてキモいから」「目につくとむしゃくしゃするから」という、そんな動機で殺人が起きてしまう。この映画でのクライマックスは、今の社会の病理を描いたものだと私なりに解釈しています。
(過去に起きているホームレス襲撃やバス停での殺人事件も同じ病理)
そして、母親に捨てられたこと、大切なおっちゃんを死なせたこと、そういう一連の事を「ぜんぶ、ボクのせい」と、中学1年の少年にラストで言わせる。
これが、冒頭で言及した「自己責任社会」です。
この国のセーフティネットの無さ、富む者と貧しい者との格差や分断を解決せず「自己責任」で片付ける今の日本社会では、孤立による痛ましい事件が確実に増えています。この1〜2年では「無差別な集団巻き添え殺傷事件(大阪の心療内科放火事件や、小田急線京王線の刺傷事件)がその例に当たると思います。
映画は、この社会の写し鏡のようなセリフで、締め括られているのです。
(考え過ぎかもしれませんが、社会的受け皿の無さとしては、もしかすると、監督は、今映画に携わる人達の労働環境の酷さ等も考えた警鐘もあるのでは、と思ってしまう部分もありました。)
何も示唆のない、軽い邦画もたくさんあるなと感じる今の日本映画界で、若手がこういう作品を作ることに、「どうか負けないで歯を食いしばって欲しい」いう思いや「問題から希望を生む一筋の光になって欲しい」という思いを、勝手にですが十分過ぎるほど受け止めました。
監督の次回作や今後に期待したいです。
皆さん上手くて心に迫るものの、、
いやつらい。全体的に説明台詞が多めなのと少女の背景と行動の動機には弱さを感じつつも、「誰も知らない」の柳楽優弥を思い起こさせる主演の白鳥くんの目の力強さ、オダジョーや若葉竜也、仲野太賀、松本まりか…皆さん上手すぎるので引き込まれます。ラスト好きです。
ただ、あちこちツッコミどころはまあフィクションだし置いておくとしても、何人かの「まっとうとされる社会からははみ出してしまった人たち」を描く中で、ひとりだけ出てくる女子高生に「売春」設定が充てがわれてるのがしんどかったな。いろんな女の子が出てくる中にいる、とか、そういう女の子たちを描く作品ならわかるんだけど。
「女の子で社会からはみ出すと言えばこれでしょ」的な扱いがしんどかった。しかもそうする動機が弱い。背景についても父親についても説明不足。
見た感じ、そこまでひどい父親にも見えない。姉が「大学で解剖学が…」と言っているのでおそらく父親は医師で姉も医学部、少女もそれを期待されてはいるが本人的には本意ではないし成績も良くない、といったところか。
それだけで、「病死」と聞かされている母の死因を「自死では…」と疑い始めるかなあ?ふつうは信じてしまうよね。姉妹にも暴力三昧、とかならともかく。売春の動機としては非常に弱い。
自分の口から「何不自由なく」「悪い友だち」「悪いバイト」と言うのもすごく不自然で。それはまわりの大人が言うことだよね。
とにかく「世の不条理を描くため」に、簡単にふつうの女子高生にパパ活という名の売春をさせて欲しくないなというところ、、
ホームレスの男と仲良くなるのもリアリティがなさすぎる。女の子ならこわいもん、ふつう。これが生前の樹木希林とかが演じてるおばあちゃんのホームレスとかだったら、ずいぶん違ったかも。
寂しい目で映画全体を引っ張る
途中から主役の優太、詩織、坂本の3人がメインとなる。母に見捨てられた優太を演じた白鳥晴都の寂しい目で映画全体をけん引、終盤までノンストップに引き込まれる。母親役の松本まりかや仲野太賀など実力派のキャストが脇を固めるなかでも、白鳥晴都の演技力が際立っていた。詩織役の川島鈴遥も心が安定せずパパ活をしてしまう少女を演じ、特に終盤でアップに耐えうる美しい画作りが印象的。
オダギリジョーの坂本は軽トラで暮らすファンタジー感のある役だが、私の子ども時代も近所のおっちゃんが居て、そのふれあいなどから色々なことを学んだものだった。加えて坂本も母親から抑圧された経験があるようで、それもあって優太は実の父のように坂本を慕い付き添うようになる。
終盤に向けての映画のトーンからラストの傾向が思い浮かぶが、想定内の展開。ある程度まとまっていると思うが、もうひと捻り欲しかった気がした。
真新しさはないです。
オダギリジョーさんは、
本当に地のような演技をするなー。
演技してるように見えないんだけど、
ちゃんと、その人なんだよなー。
片岡礼子さんもだな。
こちらの作品は、
主役の白鳥くんと、女子高生の川島さんとオダギリジョーを筆頭に、
役者たちのファインプレーな気がする…。
ストーリー的には、深そうに見えて浅い気が…。
だから、
ラストは、なんだか、バサッと切られてしまった感じで...
真新しい感じのないストーリーなので、
ハッピーでもバッドでもいいから、もう少しひねりは欲しかったです。
主役のアップとセリフで終わらせるような、
こちらに委ねる感じはやめて欲しかったかな。
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