ぜんぶ、ボクのせいのレビュー・感想・評価
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生きることだけが選択肢である、そのリアル。
なんと表現すれば良いのか∙∙∙
どんな言葉で伝えれるのか見つからないような作品。
絶望の先、愛情の先、孤独の先、
共存の先、無力の先、夢の先、
様々な感情や出来事には先があって
〜些細なことでも良い。〜
何かを見い出して日々を繋いでいくものだと思っていたが
そんな雑念など何もなく、ただシンプルに『愛』を渇望し、
『生きること』ではなく『生きていくこと』の
強さとリアルを見せつけられた。
主人公の優太の凄みもさることながら、
ホームレスの坂本を演じたオダギリジョーが本当に見事だった。
愛と空気と距離と優しさ、包容力と無責任さ、そして弱さと強さ。
あんなに様々な表現が凝縮される人間を演じれるのは
オダギリジョーしかいないのではないかと思わせるほどさすがだ。
坂本の存在は優太の幼稚さを浮き彫りにし、
その対比がリアリティのコントラストを際立たせたようにも感じる。
その他のキャストも、本当に一切ムダが無く
この作品は映画館で見るべき作品だったと、
観終わった後に思い返しながら、しみじみ痛感した。
現代社会の陰をなまめかしく描いたこの作品。
映画の大事なキーとなっている楽曲『夢で逢えたら』(大瀧詠一さん)
この歌詞の意味を素直に受け取るか、皮肉ととるか。
それがこの作品を観た人の答えなのではないかと思った。
【良かった点】 主人公の成長を描く上で、出会う大人たちの説得力が大...
【良かった点】
主人公の成長を描く上で、出会う大人たちの説得力が大切だとこの手の映画ではよく感じるが、脇を固める俳優陣の信頼度は凄まじかった。海岸のシーンが頻発するが、昼夜共に絵的な美しさに息を呑んだ。これだけの絵力があればもう元は取れたようなもの。オダギリジョーの達観しつつもクズなおじさんの役所が素晴らしい。激渋イケオジだった。
【良くなかった点】
地震、売春、ホームレスとさまざまな問題を盛り込んだだけに一つ一つの掘り下げが甘いと感じた。どれをとっても問題提起で終わってしまっていて、根本的な解決には至っていない。その曖昧さが思春期の感情の不安定さを表しているのだとしたら見事。
私の自転車は新品で9000円。
めちゃめちゃ期待して観に行ったけど、ちょっと肩透かしくらった感じでした。キャスティングに関しては全く不満ないけど、ストーリーが粗かった。
大前提として優太は脱走してる状態で、しかも隠れてる訳でもないのに施設はなんでこの状態を放置してるのか謎過ぎる。このせいで全部嘘っぽくなってしまって残念。更に名古屋への想いは分かるけどあんな大地震必要だったのか。
1対1の構図が多いけどあまり印象的な会話もなく、うまく生きられない3人が結局誰も前に進めず終わりを迎えるというやるせなさ。ほんとキャストが良かっただけにもったいない。そして予告から違和感しかなかった主題歌も合ってなくて監督の狙いが分からなかった。
自己責任社会を問う、意義ある映画
この映画、自分が所属する映画合評会8月の課題映画でした。いわゆる映画通の会のメンバーからは、作中のプロットや設定に関する無理筋やほころびを指摘する少々ネガティブな意見もありました。
でも、私は30歳の若い松本優作監督がこの映画を作った意義はとても大きいと思います。
映画の中から一番感じ取ったのは、この10数年この国に蔓延る、何かが起きた時の「自己責任」を問う雰囲気、同調圧力、そういう圧をかける元凶となる「匿名性の下の監視社会」への問いかけでした。
映画の話に戻します。
主人公は13歳の少年。母親のネグレクトによる、施設での生活をしていますが、この生活が嫌で「母親が迎えに来ない理由」を確かめに訪ねて行くが、邪魔者扱いで施設に戻されそうになる。見放され、お金もなく、行くところもない…苛酷な状況に追い込まれます。
しかし、母親を探した先の土地で自分と同じ寂しさを抱えるホームレスのおっちゃんと、孤独な女子高生とに出会います。
少年は、二人にシンパシーを感じ、心の平安を得て自立に踏み出そうとするのですが、大好きで頼りにしていたホームレスのおっちゃんが焼死するという悲劇が起き、主人公は放火の疑いで警察に捕まってしまいます。
放火の犯人は映画の中では特定できません。観客に問いかけているのです。
ストーリーの登場人物がやったようにも見て取れるのですが、私には、そういう単純な話ではなく、誰が良い者か悪者か非常に分かりにくくなっている今の世の中の「普通に暮らしている人」の誰かがやったのだと思えました。
ホームレスの存在を自分の身近な場所で許さない、だから焼いて消す…という排除の論理です。
匿名性が許されてしまう今の社会の「あいつゴミだから」「汚くてキモいから」「目につくとむしゃくしゃするから」という、そんな動機で殺人が起きてしまう。この映画でのクライマックスは、今の社会の病理を描いたものだと私なりに解釈しています。
(過去に起きているホームレス襲撃やバス停での殺人事件も同じ病理)
そして、母親に捨てられたこと、大切なおっちゃんを死なせたこと、そういう一連の事を「ぜんぶ、ボクのせい」と、中学1年の少年にラストで言わせる。
これが、冒頭で言及した「自己責任社会」です。
この国のセーフティネットの無さ、富む者と貧しい者との格差や分断を解決せず「自己責任」で片付ける今の日本社会では、孤立による痛ましい事件が確実に増えています。この1〜2年では「無差別な集団巻き添え殺傷事件(大阪の心療内科放火事件や、小田急線京王線の刺傷事件)がその例に当たると思います。
映画は、この社会の写し鏡のようなセリフで、締め括られているのです。
(考え過ぎかもしれませんが、社会的受け皿の無さとしては、もしかすると、監督は、今映画に携わる人達の労働環境の酷さ等も考えた警鐘もあるのでは、と思ってしまう部分もありました。)
何も示唆のない、軽い邦画もたくさんあるなと感じる今の日本映画界で、若手がこういう作品を作ることに、「どうか負けないで歯を食いしばって欲しい」いう思いや「問題から希望を生む一筋の光になって欲しい」という思いを、勝手にですが十分過ぎるほど受け止めました。
監督の次回作や今後に期待したいです。
(-ω-;)ウーン・・・詰め込み過ぎ。。。
社会問題をあれも・・・これも・・・入れすぎて。。。
完全に焦げ付かせた感じ。。。
焦げ付かせて、水をドバババっ~って入れて・・・・。
めっちゃ・・・薄い。。。
オダギリジョーは好きなんだけども~・・・。
ぜんぶ、ボクのせいではない
施設や学校で孤立して暮らす優太。
母と暮らしたいという思いから施設を飛び出すが…
母親に見捨てられる絶望は計り知れない。
深く傷ついた優太に手を差し伸べるホームレスのおっちゃんと女子高生詩織。二人も傷を抱え生きている。そんな2人との出会いによって少しづつ立ち直る優太だったが…
救いのない展開に嫌な気持ちが止まらず、ラストのセリフは人生の諦めを感じさせてしまった。
優太のせいではない、寧ろ被害者なのに…
ただ、なんだかセリフが軽く感じてしまった。
良いこと言ってるようでも響いて来なかった。セリフとして言わされていると感じてしまった。
ぜんぶ、ボクのせいでは、ない
主演の白鳥くんの瞳、美しくかったですね。オダジョーの力抜いた演技は相変わらず、脇を固める俳優さんたちも豪華で良かったです。
母を想うそれぞれの気持ちや、主人公が最後のセリフに結びつくまでの心理描写は、もう少し欲しかったかな。
いい俳優さん沢山出てますが、
主人公の子が今一つパッとしないのが残念
激しさを持った子供の設定の様だが、凡庸すぎてその様に見えない
映画としてはもっと激しいシーンがあるべき題材なのだろうが甘すぎの演出
オダキリジョーは良かったが、火事のシーンの合成映像が悪過ぎ
厳しい感じでなく、ほのぼのになってしまっているのに、「ぜんぶ、ボクのせい」は無いでしょう
親の愛と中2感について考えてしまう
毒親とその子どもを描いた物語は観ていて心が締め付けられるような気持ちになる。親の愛情を感じられない少年時代を過ごすってどんなものなんだろう。本作の主人公ゆうたの判断がことごとく理解できなかったから、ふとそんなことを考えてしまった。主人公の中2感がすごい。
まったく共感できないのに、オダギリジョーと松本まりかの存在感でなんとなく観られてしまうという不思議な映画。特にオダギリジョーのクズっぷりはすごかった。MOM(マン・オブ・ザ・ムービー)が授与されることだろう(勝手な造語で勝手な妄想だけど)。
孤独を感じる3人が集まり、心を交わす感じはよかったけど、終わり方が好きではない。救いがなさすぎる。映画に何かしらの救いを求めてしまう自分には合っていないのだろう。でもラストのあの表情はなかなかすごかった。
なんか全てが中途半端
なんか惜しい
テーマも役者もいいのに全ての問題が中途半端
社会的な課題をそこら中に散りばめてるのに回収しきれてない
俳優陣の演技が光ってただけに残念!
予告が良いなと思って見に行ったんだけど予告が最高傑作な作品でした
てか予告で松本まりかのシーン全部出しちゃってますやん
なんか色々勿体無い映画でした
母親を慕う気持ちはなくならない
児童養護施設に措置されている子どもたちにとって、毎日世話をしてくれる保育士さんや児童指導員さんは「みんなの親代わり」ではあるけれど、子どもたちの多くは個々に自分の本当の親についての思い(いつかは迎えに来てくれる)を持っている この主人公の少年も本当の母親にそういった思いを抱いているところから話が展開していく どんな背景があっても、自分の母親を信じたくなる思いは、現実をみてしまっても、あのミサンガを簡単には捨てられなかったのだろう 最初は警戒していたオダギリジョー演じる坂本に対する表情が、信頼にも近いような表情に変わっていく あんな不法行為を手伝わせられても彼に心を許す 自分だけを受け入れてくれる存在が、子どもにいかに必要か、そして子どもの人格を作っていくことを描いている 自分だけをみつめ、話を聞いてくれ、一緒に時間を過ごしてくれること、親子に限らず人間同士の関係を育む大事な要素・要件である 恵まれているであろう女子高生詩織に宿る空虚さは、主人公優太と共通しているものを感じる 最後の警察の対応はあまりにもひどいものであるが、実際にああいった取り調べはないとしても、ホームレスにかかわる事件の扱いをあらわしているようでつらく感じた(8月18日 テアトル梅田=30年の歴史も、来月閉館、にて鑑賞)
設定に無理があり過ぎだと思ってしまう
ネグレクトのため施設で成長している主人公、お母さんに会いたい気持ちはとても共感できる。
今の世の中に潜む問題であり、皆で考えなければならないテーマなのだけれど、そこから始まるドラマ全般の設定に「?」マークが灯りっぱなしで見終えてしまった。
作品の舞台となった千葉県大原、小さな町で昔からの住民が多く排他的になりがち、そんなところに中学生が、ましてや車上生活をしている得体のしれない男の下に転がり込めば、直ぐに不審者として通報されるだろうし、父親の束縛が強い女子高生が一晩帰らなかったら大騒ぎになってしまうはず。そして軽トラにほろを被せただけの空間は、あんなに外の音が遮断されるはずも無く、一瞬「ここは部屋か?」と疑ってしまいました。
今年見た「マイスモールランド」はテーマは違えど、理不尽な扱いの中で暮らさざるを得ない少女を描いていて、リアル感がとても強く、だからこそ共感できたのですが、この作品には共感できなかった。
テーマは良いだけにもったいなかった。
オダギリジョーのクズっぷりに笑いを誘われ、流石の演技だなぁと感心させられたのだけが救いでした。
残念。
買い取り価格高過ぎじゃない?
5歳から川崎の施設で暮らす中学生が母親に会いたいと脱走し、社会の端の方で生きる人達と交流する様になる話。
都合が悪いとダンマリボーイの中学生にしては少し思考や主張が幼めに感じる主人公が、小狡い自由人のおっちゃんと、その友達の空っぽJKと共に凄す中でみせる変化をみせる作品なんだろうけれど…ラストは憂い儚んでの発言何だろうけれど、そこまで成長した様には感じられず、子供思考だからの発言にも聞こえる。
いずれにしてもそれがおっちゃんから教えて貰った権利の主張かねぇ…もっと大袈裟に重苦しくしてくれた方が良かった様には感じたけれど、なかなか好みの作品だったかな。
中学生を相手にした警察の描き方はもうちょい何とかして欲しかった。
皆さん上手くて心に迫るものの、、
いやつらい。全体的に説明台詞が多めなのと少女の背景と行動の動機には弱さを感じつつも、「誰も知らない」の柳楽優弥を思い起こさせる主演の白鳥くんの目の力強さ、オダジョーや若葉竜也、仲野太賀、松本まりか…皆さん上手すぎるので引き込まれます。ラスト好きです。
ただ、あちこちツッコミどころはまあフィクションだし置いておくとしても、何人かの「まっとうとされる社会からははみ出してしまった人たち」を描く中で、ひとりだけ出てくる女子高生に「売春」設定が充てがわれてるのがしんどかったな。いろんな女の子が出てくる中にいる、とか、そういう女の子たちを描く作品ならわかるんだけど。
「女の子で社会からはみ出すと言えばこれでしょ」的な扱いがしんどかった。しかもそうする動機が弱い。背景についても父親についても説明不足。
見た感じ、そこまでひどい父親にも見えない。姉が「大学で解剖学が…」と言っているのでおそらく父親は医師で姉も医学部、少女もそれを期待されてはいるが本人的には本意ではないし成績も良くない、といったところか。
それだけで、「病死」と聞かされている母の死因を「自死では…」と疑い始めるかなあ?ふつうは信じてしまうよね。姉妹にも暴力三昧、とかならともかく。売春の動機としては非常に弱い。
自分の口から「何不自由なく」「悪い友だち」「悪いバイト」と言うのもすごく不自然で。それはまわりの大人が言うことだよね。
とにかく「世の不条理を描くため」に、簡単にふつうの女子高生にパパ活という名の売春をさせて欲しくないなというところ、、
ホームレスの男と仲良くなるのもリアリティがなさすぎる。女の子ならこわいもん、ふつう。これが生前の樹木希林とかが演じてるおばあちゃんのホームレスとかだったら、ずいぶん違ったかも。
白鳥くんとオダジョーが良い
完成披露上映会にて。
白鳥くん初の舞台挨拶で緊張してたけど、受け応えが初々しくて和みました
撮影時より身長伸びてたかな?
ありがちな設定でツッコミどころ満載だけど、白鳥くんの演技に泣かされて最後はモヤっとさせられたまま終わった
主人公のUPラストシーンと先の見えなさが冬薔薇と被った。
脇が密かに豪華です。
竜也くんやっぱりクズ役だった
まあ、万引き家族の類いではある…。
申し訳ないが、脚本が破綻している。
そもそも、施設から子供が逃げたら捜索願は出ているだろう。
田舎でホームレスと一緒に子供がウロチョロしていたら、すぐに噂になって、何らか通報されるだろう。
刑事が、子供に「お前がやったんだろう」というはずはない。
いいとこのお嬢様が、家の窓から見えるほどの近所でホームレスと仲良くする訳ないし、ラブホに制服で出入りしていたら補導されることは必至だ。家出して名古屋にも行かない。
エンディングテーマを含めて、すべてが破綻している。
役者の人達も、よく演技したなと思う。そこの部分は完璧に近い出来映えと言えるだろう。
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