「【”火は自分の心を映し出す・・。”ラスト、優太が、氷の様な静かな怒りの眼で、刑事に向かって言った言葉が突き刺さった作品。白鳥晴郁君、役者続けて欲しいなあ・・。】」ぜんぶ、ボクのせい NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”火は自分の心を映し出す・・。”ラスト、優太が、氷の様な静かな怒りの眼で、刑事に向かって言った言葉が突き刺さった作品。白鳥晴郁君、役者続けて欲しいなあ・・。】
<Caution! 内容に触れています。>
■主要登場人物は、3人。
1.母(松本まりか)に捨てられ、施設で暮らす優太。母に会いたくて、施設を抜け出すも、母は男(若葉竜也)と暮らしていて、居場所はない。
2.幼い頃、母から虐待を受けたことがトラウマになっている海岸に停めた故障した軽トラで暮らす坂本(オダギリジョー)。
ー 優太と坂本は劇中でも、坂本自身が語っているが境遇が似ている。それだからか、優太は初めて明るい表情で廃品回収を手伝う。廃品回収業の男(仲野大賀)も、良い男である。
ついでに言えば、オダギリジョーって、良い役者だなあ、と再認識する。ホームレスを演じても、崩れた姿にならない所が、凄い。-
3.幼い頃に母を亡くした詩織(川島鈴遥)。父から病で死んだと聞かされているが、実は自殺ではないかと思いながら、何不自由ない生活の中、空虚な日々を送っている。愉しそうなのは、坂本の所に遊びに来る時だけである。
■そんなある日、坂本の車への落書きが増え、そしてある夜に火が放たれる。だが、坂本は“妄想である、地震で倒壊した家で業火に焼かれる母の姿”が脳裏に過り、逃げようとしない。
残された、優太は母の家に一度は戻るも、男に抱かれる姿を見て、世間に対する怒りを感じながら海に入って行く。それを、止めようとする詩織。
二人は、夜の海岸で、焚火をしながら夜明けを迎える。
そして、坂本の認知症になった母が居る名古屋に行くことを約束する・・。が・・。
<ラスト、警察に放火犯として拘留された、優太が刑事(駿河太郎)に氷の様な静かな怒りの眼で”世の中の悪い事は、全部僕がやった!”と言い放ったシーンは、凄かった。
白鳥晴郁のあの眼は、本当に凄いと思った作品である。>
<2022年10月9日 刈谷日劇にて鑑賞>