「あまりに当たり前の…」アルピニスト ゆみありさんの映画レビュー(感想・評価)
あまりに当たり前の…
若きカナダ人アルピニスト、マーク・アンドレ・ルクレールを2年あまり追ったドキュメンタリー。彼の神憑りとも言える勇敢で素晴らしいクライミングは名だたる登山家をも唸らせ、驚嘆させる。彼は多くのクライマー達を断念させた難所(岩壁、氷壁…)のクライミングを次々と成功させる。
迫力ある映像に我々はハラハラし、またその美しい映像に息をのむ。雪に覆われた山々、満天の星空、オレンジ色の朝焼け、絶壁から見下ろす景観…。
常に死と隣り合わせの命綱なしのクライミング、そしてそれを心から楽しむ彼の姿に我々は感動せずにはいられない。世の中にあるさまざまな問題、そして個人的に抱える悩みなど、すべてがちっぽけなものに見えてくる。
大きな感動をくれたこの映画に僕は最後の最後まで5点満点だと決めていた。しかしあまりにも当たり前のクライマックスが訪れる。そんな当たり前の結末じゃあ減点するしかないだろ。もっともっと感動させてくれよマーク。僕は涙目で呟いた。
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