女神の継承のレビュー・感想・評価
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やや、やり過ぎ感はあるが
「哭声 コクソン」の続編的映画と聞き、公開時はかなり話題にもなっていたのでずっと観たいと思っていたが、Amazonレンタルに入ってたので早速鑑賞。
タイの土着信仰+エクソシストという展開は、確かに「コクソン」と共通するものがあったかな。
ケレン味がなくあくまで普通のおばさんっぽい祈祷師の二ムは、個人的にかなりリアリティーを感じたし、ミンにとり憑いたモノの正体を探っていく儀式の様子なども西洋のそれとは違うアジアらしさがあって良かった。
ミンの様子がどんどんおかしくなっていく中盤は、怖いというより「役者さん頑張ってるなー」の方が勝ったし、ミンにとり憑く悪霊を祓うクライマックス以降の物量で攻めてくるあの感じは、やや、やり過ぎ感があったかな。
個人的に苦手なジャンプスケアが殆どないのは良かった。
あと、物語には直接関係ないけど、お葬式なのに原色のネオンライトがギラギラしてる感じや、ロープで吊ったロケット花火で火葬炉に点火する様子など、タイのお葬式事情が垣間見えるシーンの数々も良かった。
期待しすぎたかな・・?
超カオス
容赦ない暴力と下品描写
犬も赤ん坊も容赦なく殺すのは素晴らしい。胡散臭くエキゾチックな儀式も見ていて楽しかい!とにかく胸糞悪く、救いようがなくて地獄!たくさん考察の余地があって楽しいです。しかし美しいヒロインのお色気シーンがあるのでかなり気まずくなります。お色気成分が無ければ星5でした!
ラストのセリフだけが評価ポイント
コクソンが好きなだけに観る前から期待も高まってしまい... 導入は...
すごい臨場感のホラー。
鑑賞するなら体調の良いときに、を強くおすすめする一作
本作の紹介であれば、”あの『哭声/コクソン』(2016)の”と言わずにはいられない、ナ・ホンジンが原案とプロデュースを担当し、タイでは映画界だけでなく、声優などでも活躍しているバンジョン・ピサンタナクーンが監督を務めた本作。ドキュメンタリー番組の撮影隊が、民間伝承にまつわる奇妙な事件に遭遇し、やがて恐ろしい展開に…、という、いわゆる「モキュメンタリー」の形式(実際にはこうしたドラマの表現手法を指し示す幾つかの語があり、それぞれに明確な定義があるそうなんだけど、ここではひとまずこの語を使います)を採用したドラマとなっています。
ドキュメンタリーの素材として映していたはずの祈祷師やその家族の言動が、徐々に不可解さを増し、やがてカメラの向こう側とこちら側の境界線があいまいになっていく…、と、展開自体はそれほど真新しいものではなくとも、日常に根付いた祈祷師の存在などの興味深い要素が多く、また撮影班の目線に密着した映像の緊迫感もあって、退屈させません。時折差し挟まれるインタビュー映像は、まさにドキュメンタリー番組の形式をそのまま踏襲したもので、要するに作り込み感満載なのですが、日常で見慣れた映像的な形式、演出に触れると、そこに現実感を見出してしまうという観客側の奇妙な感覚(錯覚)を巧みに利用して、徐々に結末への地ならしをしていきます。
元々『哭声』のスピンオフとして企画されたというだけに、結末がどのような方向になるのかちょっと予想がつきそうなもんですが、それにしても想像を超えていました…。そして最終盤のあるインタビューの内容が更に絶望感を増しています。
モキュメンタリー形式の映像についてはちょっとおかしな部分がないこともなかったけど、全体的に恐怖描写を最大限に効果的なものにする演出が非常に見事で、完成度の高い作品です。ただし視覚的心理的にかなりこたえるものがあるので、鑑賞するのは心身ともに余裕のあるときがおすすめです!
愛より自己犠牲より信仰よりも強く根深い人の営み・・・汝の名は"呪詛"なり。 人々の恨みからの業を背負った一族が娘の豹変を機に崩壊していく"全員死刑"の地獄絵図映画!!
過剰な暴力描写と性描写が顕著な韓国映画の中でもとりわけショッキングな描写と、まるで投げっ放しジャーマンのような観客に解釈を全移譲するような幕切れがその大きな特徴の『哭声/コクソン』で知られるナ=ホンジン監督。その彼がプロデュースした、タイの女神崇拝と呪いとの相克をテーマとするスピリチュアルホラーです。
韓国と比べて"精霊信仰"という形で信仰がより生活に深く根ざすタイの田舎で、とあるうら若い少女に取り憑いた禍物がもたらす凶事に叔母の巫女が立ち向かうものの、やがて災厄は一族全体に降り注ぎそして……
本作を一言で表すと、
怨嗟 > > > > > > > > ・・・ > 愛
という感じでしょうか。渦中の一族は少なくとも彼らの代では至極真っ当に生きており、何ら人様から後ろ指を指されるような生き方をしていないので、なおのこと業というものの不条理さを感じさせられてキツいことこの上なしです。
ただそれでもホラーの商業映画としてのエンタメ性はそこかしこに横溢しており、陰惨ながらもどこかもの悲しく胸に来るエッセンスが有るのはさすがは名プロデューサー・名監督の手腕だと思います。
定番ホラーでそれなりに楽しめた
悪くない、けど……
審査厳しすぎない?
うほー!
インモラルが振り切ってパクチーのように爽快!土着信仰と仏教とプロテスタントが綯交ぜになった土地を舞台にした『エクソシスト』
タイ東北部の村で信仰されている女神バヤンを降ろす巫女ニムに密着取材をしていたドキュメンタリー映画の撮影隊は彼女の姪ミンが奇行を繰り返していることを知り、女神バヤンが彼女を新しい巫女にする決定的な瞬間が撮れると期待してミンにもカメラマンを張りつける。最初は興味津々で取材を受けるミンだったが時折彼女が見せる奇怪な仕草に少しずつ常軌を逸した狂気が滲み始める。
何となく映像が醸す不穏な空気感に既視感があったのでクレジットを見ると監督が『愛しのゴースト』のバンジョン・ピサンタナクーンだったので納得。終始モキュメンタリーの体裁で、登場人物も役者っぽく見えないので実際のドキュメンタリーを見ているような錯覚に陥りますが、ミンの奇行がレッドゾーンに入ってから『REC レック』のようなPOV目線のアクションホラー調のテンポになります。悪霊祓いの話なのでやはり『エクソシスト』へのオマージュが滲みますが、『REC レック』も『エクソシスト』もカトリックの世界観がベースになっているのに対してこちらは土着信仰と仏教とプロテスタントが綯交ぜになった土地で起こる悪霊憑きの話なので、どんなオチに着地するか判らない不穏さとじっとりと湿った空気感に圧倒されます。タイの奥地で実際に起こっていてもおかしくないような惨劇ですが、悪霊に憑かれた人々の鋭角的な身のこなしが『新感染』シリーズの感染者に似ていたところに微かに韓流の匂いを嗅ぎました。
ミンを演じるナリルヤ・グルモンコルペチの演技がとにかく壮絶で、彼女の奇行だけで十二分に18禁相当。インモラルが次から次に塗りつけられる不快感がこちらが用意した気持ちのハードルを軽々と超えていくのでどこにも救いがないのに逆にすっきり爽快で、そこは『哭悲 THE SADNESS』にも似ています。とにかく物凄い数の吐瀉物なり廃棄物なりを見せられるので食前に観るのは控えるべきだと思いますし、犬好きの方はちょっと無理かも知れません。
ドキュメンタリー方式とかこれまた面白い手法だと感じた 最初は何を見...
お盆休みにピッタリのアジアンホラー
「この車は赤い」の意味が気になる
悪霊の正体を明かにしようとするあたりまでは、謎解き風の面白さがあり、ドキュメンタリーとしての話の進め方も、それなりに楽しめた。その謎があっさりと明かになるのは、やや物足りないが、先祖の業が子孫に祟るという説明は、いかにもアジア的で、日本人としても理解しやすい。
主要な登場人物の一人が、これからという時に死んでしまうのも、予想外の展開で、逆にクライマックスに向けた期待が高まる。
しかしながら、そのクライマックスのシーンで、ドキュメンタリーの手法が、完全に裏目に出てしまう。
除霊の儀式が失敗しそうになったり、目の前で人が殺されそうになったり、あるいは、自分が殺されそうになってさえ、漫然とカメラを回し続けている様子を見るにつけ、撮影クルーの余りの間抜けぶりに、恐怖よりもイライラを感じてしまうのである。阿鼻叫喚の修羅場を映し出すカメラワークも、不自然さを通り越して、もはやドキュメンタリーの体をなしていない。
ラストにこれがやりたかったのであれば、始めからモキュメンタリーにはするべきではなかったのではないだろうか?
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