「愛より自己犠牲より信仰よりも強く根深い人の営み・・・汝の名は"呪詛"なり。 人々の恨みからの業を背負った一族が娘の豹変を機に崩壊していく"全員死刑"の地獄絵図映画!!」女神の継承 O次郎(平日はサラリーマン、休日はアマチュア劇団員)さんの映画レビュー(感想・評価)
愛より自己犠牲より信仰よりも強く根深い人の営み・・・汝の名は"呪詛"なり。 人々の恨みからの業を背負った一族が娘の豹変を機に崩壊していく"全員死刑"の地獄絵図映画!!
過剰な暴力描写と性描写が顕著な韓国映画の中でもとりわけショッキングな描写と、まるで投げっ放しジャーマンのような観客に解釈を全移譲するような幕切れがその大きな特徴の『哭声/コクソン』で知られるナ=ホンジン監督。その彼がプロデュースした、タイの女神崇拝と呪いとの相克をテーマとするスピリチュアルホラーです。
韓国と比べて"精霊信仰"という形で信仰がより生活に深く根ざすタイの田舎で、とあるうら若い少女に取り憑いた禍物がもたらす凶事に叔母の巫女が立ち向かうものの、やがて災厄は一族全体に降り注ぎそして……
本作を一言で表すと、
怨嗟 > > > > > > > > ・・・ > 愛
という感じでしょうか。渦中の一族は少なくとも彼らの代では至極真っ当に生きており、何ら人様から後ろ指を指されるような生き方をしていないので、なおのこと業というものの不条理さを感じさせられてキツいことこの上なしです。
ただそれでもホラーの商業映画としてのエンタメ性はそこかしこに横溢しており、陰惨ながらもどこかもの悲しく胸に来るエッセンスが有るのはさすがは名プロデューサー・名監督の手腕だと思います。
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