「ドキュメンタリーというホラー」女神の継承 じきょうさんの映画レビュー(感想・評価)
ドキュメンタリーというホラー
流れは前半が土着信仰に基づく巫女(霊媒師、祈祷師、シャーマン)の生活ぶりのドキュメンタリー、中盤がその巫女の姪が謎の憑依を受け変貌していく様子(ここが怖いの)のドキュメンタリーだけど、この辺から被写体に関わっていくスタッフ、終盤が悪霊祓いの儀式に伴う恐怖のあれやこれや。
ドキュメンタリーにスタッフが絡む時点で彼らの死亡フラグは立てられたようなもの。
頼りのなさそうで、実は実力がある(のかもしれない)祈祷師はやっぱり。
主人公と思われた巫女は、あっさり死ぬ。ほんと前触れもなく。工エエェェ!!!!(゚ロ゚ノ)ノってなるでしょ。
彼女が亡くなったから、後詰がなくなり、その後の展開も悪いことしか起きなくなってしまった。
岸田今日子似の巫女の姉は巫女になりたくなくてキリスト教に改宗した人、それに全ての根源その姉の旦那の血筋がヤバかったと言う。悪霊から見て「女神を断った女」と「殺された恨みを持つ家系の男」が夫婦になったことで復讐の時が来たということで姪にのりうつったらしい。何でも先祖がたくさん首を切ったらしいが、その舞台となった廃屋は禍々しいけどどう見ても近代的なコンクリートの建物。歴史的に考えても第二次大戦よりあとの建物のはず。その程度のわかい悪霊があんなことやこんなことが出来るのかなあ。
さて、主役(最初にクレジットされている)巫女の姪ミン役の女優さん(名前が難しい)は、なかなかの熱演だった。およそ考えられるR18のあれやこれやを全てやってのけるとはなかなかの根性だ。ビジュアルから言って韓国や日本なら坂道などのアイドルグループにいてもおかしくないだけに、あの演技が日本の誰にできるだろうって考えた。憑依されるだけなら小松菜奈でもできるだろうけど、あれやこれやは無理だろうな。
結局なんだったのという思いは残る。解決されない点ではバイオハザードやゾンビものと通じるところがある。正直言ってエンタメなら最後はちゃんと救いを作って欲しかったと個人的には思う。
演出のひとつとして気になったのが、子供を突き飛ばして睨みつけ泣かしてしまうところ。子供の泣き方はリアルと感じられ心が傷んだ。はじめうろちょろする白い犬はフリだなと思ったらやっぱり⤵︎ ⤵︎
巫女が崇めているバナンという神は実は姉の旦那の家の守り神だったということ?だから、終盤なんの前触れもなく誰かに壊されたのかなあ?「誰がこんな酷いことを!」まあそうだなあ。
前半部分だけではほぼ興味を持ってくれそうにないだけに、もう少しエンタメに振った方がと思う映画でした