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ノースハリウッドのレビュー・感想・評価
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【”欲しいモノを追い求めて何かを失った。”プロスケーターを目指す青年が父の仕事を継ぐか夢を追うか葛藤する姿を描いた青春ストーリー。】
■高校を卒業しプロスケーターを目指すマイケル(ライダー・マクラフリン:「mid90s』でフォース・グレードを演じていた。そりゃあ、スケートボードが上手い筈だよ。)。徐々にプロスケーター達、ノーランやアイゼアや片思いのレイチェル(ミランダ・コスグローヴ)と過ごす時間が増え、高校からのスケート仲間の友達のジェイ、アドルフたちとの関係が微妙になっていく。 一方、スケーターを堅実な職業と認めない父親オリバー(ヴィンス・ヴォーン)は、息子が大学に行き、安定した職に就くことを望むのだが。 ◆感想<Caution!内容に触れています。> ・重くなりがちなテーマを、飄々とスケボーシーンを巧く取り入れながら、マイケルが悩む姿を余り深刻にならないトーンで描いている。 ・マイケルの想いを知りながら、スタンフォード大へ進むレイチェルが、彼に見せる優しさや、父のオリバーも息子の想いを知っているので、自分の職業を継ぎたくないというマイケルを優しく抱きしめたりするのである。 <今作は、派手さはないがプロスケーターになるという自分の夢を持つ青年の姿を、軽やかで優しいトーンで描いた青春映画である。>
青春を一つの作品に昇華
2024 25本目 オープニングからコンバースの紐をライターで焼くシーンがある。その時点でストリートカルチャームービー。 音楽も普通の映画とは違う。 シーン毎にある意味ミスマッチだと思うような曲が流れるが、そこがいい。 高層ビルもない。 広い空と雑多な街、あとは階段。 この映画はメッセージ性がない。 だから1時間半ではすべて回収しないし する気も感じ無い。 スケボーというLAカルチャーを1人の青年を通して作品にしている。 これはこれで良い。 エンドロールのウィールが叩く音なんかも良い。
ほろ苦青春ムービー
大なり小なり皆さんが経験してるような事をスケートを通して描いた青春ムービー。 お前に嫉妬なんかしないよ、だって友達だろ。 っていうニュアンスのセリフが個人的には響きました。 確かに友達が成功しても嫉妬しません。 友達だと思い込んでるやつが成功すると嫉妬するんですよね。 嫉妬して初めてあいつ友達じゃなかったって気付くのは結構きつい(同時に自分の人間性を疑う羽目にもなるし)ですけど、経験したことあるなー。 それがこの映画の最重要メッセージだとは思いませんし、メッセージありきの映画でもないんですけど、作品に彩りを与えていたと思います。
プロへの障壁
主人公のマイケルが『mid90sミッドナインティーズ』でフォース・グレードを演じた奴って最後まで気付けなかった驚き!? 皆で仲良くスケボーをやりながらも本気でプロを目指そうと父親の壁が立ちはだかり進学か就職で進路に悩みながら、友人との関係性が不安定になる様子は『mid90sミッドナインティーズ』でのレイとファックシットみたいに思えたり、まぁガキ丸出しのサンバーンにナメられるのも仕方がない基本的にはマジメな主人公。 近年のスケートボードを扱った映画にしてもラリー・クラークの作品だったり70年代のZ-BOYSや80'sパウエル・ペラルタなどイコール不良としての要素が無いのには拍子抜けしてしまう物足りなさも!? 流れる音楽のジャンルがゴチャゴチャでオールディーズ色強めな意表を付いた選曲からハードコア・パンクもありながらのヒップホップやら今風な、何が好きなのか分からないスポーツライクなスケボー映画。
夢に生きるか、"人生"を生きるか
スケボーに集中する。大学進学直前に控えたマイケル。本当はプロスケーターになりたいと思っている。夢を追いかけるか安定した人生/堅実な道を選ぶかの間で揺れ動くドラメディ。作品のトーン波長としては例えばドラマ『アトランタ』とかにも少し似たものがあったかも。 靴が同じ。コンバースのスニーカー、そのソールの横の部分に油性ペンで書かれた「NORTH HOLLYWOOD」の文字。階段で会おう。白人、黒人、アジア系、子供の頃から同じでツルんでいる連れと見てきた同じ夢。靴という小物使いがよかった、印象に残った。サントラもすごくいい働きしている。スケボーっぽくない昔のボーカルグループなどの選曲、クラシックなナンバーたちが一見ミスマッチになりそうなもののすごく合っていて光る。 今度一緒に滑らないか?プロになるという夢を叶えるための人脈作り。やっと掴んだノーランとアイゼアというプロとの"人脈"コネ&意中の人レイチェルとの接近!初めてできたガールフレンドに浮かれる、目まぐるしく自身を取り巻く環境が変わり進んでいく。ジェイとアドルフはガキ臭くて恥ずかしいと付き合い悪くなる。ウソを重ねてはイケ好かない最悪な態度のクソ野郎に成り下がっていく。 スケボーカルチャー × 普遍的題材 スケボーカルチャーやそのコミュニティについての良作は定期的に生まれていて例えば『スケート・キッチン』や『mid90s ミッドナインティーズ』、ドキュメンタリーで言えば『行き止まりの世界に生まれて』、遡れば『ロード・オブ・ドッグタウン』等である。個人的には『mid90s ミッドナインティーズ』より本作の方が好きかも。ちなみに『mid90s ミッドナインティーズ』の主人公の少年も髪の毛あの頃より短くなって、ハッパ好きのキャラクターで出ている。ニコ・ヒラガ(アジア系ジェイ役)好き!『ブックスマート』のイケイケ組キャラで初めて認識したけど、『スケート・キッチン』も出ていたのか〜今見直したら分かるかな。 どうやら(青色と)ボーダー柄が好きなマイケル。教会で侍者もしているけど、それも子供からの卒業と同じタイミングで卒業。建設作業員をしているマスキュリンな父親ヴィンス・ヴォーンと暮らしている、明らかに体の線の細い主人公。見た目から似ていない対照的な2人、恐らく互いに望む息子/父親=相手の姿とは異なるかも。そして、そうした"ズレ"もあってか、変に喧嘩っ早いところがあるマイケル。殴りかかって結果殴られてばっかり。そういや、また意味合いや種類が違うけど『mid90s ミッドナインティーズ』の兄も暴力的だったな。裕福でないこともあるのだろうか。そして最後は大人同士の会話…静かに心揺さぶられるものがあった。 That's fact. You're grounded. I am alone.
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