「絶妙に辛辣なブラックコメディ」逆転のトライアングル nakadakanさんの映画レビュー(感想・評価)
絶妙に辛辣なブラックコメディ
皮肉のきいたブラックコメディでとても面白かったです。
冒頭から色々な方面をおちょくっているようなノリで、小市民的なデートの割り勘問題から、社会主義対資本主義まで、格差社会や差別意識の根深さを笑いで見せてくれます。
気まずい空気感や嫌な緊迫感、タイミングが絶妙で、音楽との相乗効果も素晴らしいと思います。
あんなシーンでパンクなロックな音楽がガンガンと流れたりなど、かなり笑ってしまいました。
カール役のハリス・ディキンソンの絶妙なイマイチ感や、ヤヤ役のチャールビ・ディーンのキュートな無邪気さなど、役者陣もみんながそれぞれのキャラクターに合った素晴らしい演技だったと思います。
社会の縮図のような戯画的なキャラクターながら、リアルにいそうな存在感。
ひどい有り様の場面での体を張った演技もすごいなと。
全体的にコントで見たことあるあるなシチュエーションですが、それに社会風刺を練り込んでここまで辛辣にハチャメチャにするとは。
それでいて、いろいろな目線で考えさせられたり、突き付けるようなラストも印象深いです。
コメントする