ヨーロッパ新世紀のレビュー・感想・評価
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ルーマニアを楽しみながら…
ホラーっぽい映画なのかと思ってたら違った…(笑)
数年前よくニュースで取り上げられてた、移民の問題がメインです。
あと、映画を観ながらルーマニアを旅行するように楽しめる映画で、
同国が舞台だったゲーム『バイオハザード ヴィレッジ』と、ほぼ同じ風景が広がります(笑)
ゲームは、ルーマニアのロケーションを上手く落とし込んでるだなーと感心(笑)
プレイされた方はビックリすると思われ、ぜひ観てみて下さい(笑)
暗く寒そうで美しい国、行ってみたい(笑)
最後は、要考察!
デスク上の招き猫に関しても考察せずにいられない(笑)
ちょっと厳しかった…
スリランカからの労働者の問題の前に、ルーマニアとハンガリー、ロマと西欧へのルーマニア労働者の出稼ぎ、など理解しておかねば分からないことが多く、正直訳が分からなかった。
映画としては更に「有害な男性性」などの問題も乗っけられており、どこから手を付ければ良いのか分からない状態…
問題意識も意図も分からないではないが、少し分かりやすくする事も出来たのではないかと思う…
ちょっと厳しかった…
吸血鬼は出ません。
ルーマニアのトランシルバニアと言えばアレでしょ。
でポスターは男の子でしょ。
EUの移民問題でしょ。
でヨーロッパ新世紀って大仰なタイトルでしょ、、
ひとつも噛み合って無い事が凄く気になって観てみました。
難しくて思わずパンフ買って勉強!ヨーロッパの田舎の小国って大変なんだなぁ、侵略と征服の歴史ですよ。
見た目そんなに変わらんけど、昔は自分達が偉かったとか、先に住んでたーとか、男とわーとか、、プライドに固執するのは弱ってる時に人間やりがち、こだわりがち。
そんなわけで、やっぱり地続きの国って荒っぽくなるよね。ルーマニア人、ハンガリー人、ドイツ人、ロマ、
スリランカの労働者。パン工場のオーナーの机の上に置かれた金色の招きネコ、、、昔日本人も来てたらしい。
そこまでわかってようやくヨーロッパ新世紀ってタイトルがブラックジョークなんじゃないかと気がついた。
で、こないだ観た福田村事件なんかも思い出し、他人事じゃねーなぁ、、、、と。(原題はR.M.N.核磁気共鳴、医療で使うCTの事らしい。劇中の脳の輪切りかな?、、これまた意図不明)
小さな街で起きてる話だからコンパクトでわかりやすいが、ドイツやフランス、EU全体で起きてる移民問題と民族問題、差別問題の話なわけです。
ポスターの男の子は未来のEUを見つめて、言葉を失ったんだな、、、、、、色々メタファーあるから出来れば二度見ろと監督も言ってる。
絵作りも上手いし、超長回しもセリフのテンポがよく全くダルくなかった。ちょっと最後のシーン工場のお姉さんは何でそんなに謝ってるの?と思ったけど、、、まあ、も一度観るか。
カンヌ、パルムドールはダテじゃ無いと思う。
ムンジウ監督の前作も機会があれば観たい。
人間の奥底に潜む闇が集団となった時に爆発する
終盤の村の集会場での討論、スリランカ人をムスリムだとか、汚い手でパンをこねるのは気持ち悪いだとか、少数派のハンガリー人の癖にだとか、余所者に対する恐怖感からくる拒絶の心をえぐり出すシーンは、見ていても沸々と沸き上がるものがあった。EUに統合されたルーマニアの田舎町の置かれた現状(結局西欧への労働力の供給源だったり)も描かれており、心に残る作品だった。
今のルーマニアってこんな感じなのね。
ルーマニア・トランシルバニア地方のお話で、複数のコミュニティに属する人たちは日々日常は過ごせますが、ちいさな火種で脆く崩れる様子が主人公の身の回りに起こる事件とともに描かれています。
映画を見る前は極力事前情報を入れずに観る派なんですが、本作は整理して知識増やしてもう一度観てみたいです。そもそも字幕が言語ごとに3色に分かれている(監督の意向を受けてだそうですが)という作品も初めてで、とっつきにくい作りです。
そんな難解な作品ではありますが個人的には「羊いっぱいのルーマニアの風景」「盛んにワインを飲む食事」「年末年始のパーティの様子」だけでも2時間十分にお腹いっぱいになる内容でした。
さらに極々個人的な見方ですが、あらすじ、主人公のダメっぷり、息子くんを強い男にするためのキャンプ、文化センターでの村人総出の大騒ぎ、パパの最期、なんとも言えないアフターベッドシーン、フランス人に寝取られるギミック、最後のオチまで、20年前のサウスパークのオマージュかと錯覚するくらいで、エンドロールはサウスパークのラストの音楽がぐるぐる脳を駆け巡りました(エンドロールの歌はとても素敵でしたが)。20年経って米国が抱える問題がが東欧まで来たという理解で良いのでしょうか。
本当に難しい・・・
少年をメインにしたトレーラーとかキービジュアル、確かに引きつけられました。でも、実際に観賞してみると、その分かりやすい表現はこの作品を彩るほんの一部分でしかないわけで、それだけを頼りに観賞しに行くと、あまりの難しさに面食らってしまうかもしれません。そしてなぜこの邦題なのか─、何となくしっくりきた気がします。
移民や海外への出稼ぎといったものは今や日本でも当然のことのようになってきていますが、まだそれほど大問題にはなっていないように思います。小さな問題はたくさん発生していると思うのですが・・・。この作品のように、利益と利益の対立軸が生まれてくるとかなり難しい事態となることでしょう。確かに、欧米とはまだ全然状況は違う気がしますが─。
この作品の住民同士が侃侃諤諤する様は、凄まじいものがあります。これが現実なのかと思うと同時に、見事なリアルさで捉えたこの映像は劇には見えないわけで、ここだけでも見る価値はある気がしました。
自らの行為が跳ね返ってくるような巧みな構成は見事でしたが、かなり難しい設定と筋のため、個人的には結末が何なのか理解できないところがありました。もっとも、その結末ですべてが決まる作品ではないとは思うのですが─。
とにかく、難しい、そう思ってしまう作品でした。
教会は結局無力か
あの集団罵倒大会は個人的映画鑑賞史上屈指の苦々しいシーンといえる。相手のことをまともに知ろうともせず、断片的で誤った情報(スリランカ人がムスリム!)から勝手に作り上げた虚像(これが熊)に対して敵意を剥き出しにする醜悪な姿に、自分の周囲の何人かを思い出したり自分自身の暗黒面を見つけたりで胸が痛む。わざわざ「文化」センターへ移動しての集会だったという皮肉。
シーラにしてもルーマニアの教会でハンガリー舞曲を演奏しているわけで、良識派のインテリですら無自覚にひとを文化的に傷つけることから逃れられない。あるいは、わざと(?)下手に演奏したのはその裏返しか?深読みし出すとキリがないな。
彼女がラストで赦しを乞うた理由はあのフランス人との情事なのか?なんせフランス人だから…という偏見はいけませんかねぇ。
需要と供給
トランシルヴァニアの小さな村で出稼ぎ労働者を排除する動きが加速する話。
出稼ぎ先のドイツでの差別的発言にキレて暴力をふるい、村に帰って来たマティアスが、口をきかなくなったルディ君を気づかいながらも嫁とは上手く行かず、そして訪ねた元カノが働くパン工場では求人広告を出しても人が集まらず…。
自分たちが差別的な扱いをされると怒り狂うのにスリランカ人を差別し排除しようとする村人とか、自分たちは出稼ぎしているのに出稼ぎ労働者を排除しようとしたり…しかも教会までもそんなですか。
資本主義だ共産主義だ言っているけれど、それもやはり矛盾だらけ。
移民問題云々は確かに難しい問題で、そこの面白さもあったけれど、この村人の民度はそれ以前のお話しという感じで、胸クソ悪さがとても良かった。
ただ、ルディ君の精神問題やマティアスの色恋はあまり上手く作用している様には感じられず、これならいらなかったかな。
ヨーロッパの理念と現実
2022年。クリスティアン・ムンジウ監督。ルーマニアのトランシルヴァニア地方の田舎の村。ドイツに出稼ぎに出ていた男は些細なことから帰国してきた。妻子とはうまくいかず、地元で有数の企業に勤めるかつての浮気相手とつかず離れずの関係に。そんななか、その企業が雇ったスリランカ人をめぐる排外運動がおこり、村は不穏な空気に包まれる、という話。
ハンガリー人とルーマニア人、さらにドイツに起源をもつ人々、NGOで働く現代フランス人など多様な背景を持つ人々が話し合う集会場面は圧巻で、息苦しくなるほど。民族的出自と経済格差が入り交じって複雑に屈折した感情が爆発し、話は具体的な接点や妥協点の模索ではなく、抽象的な議論と感情の発露に終始する。この場に当事者のスリランカ人がいないということがなによりもその問題点を表している。世界中どこでも起こっている「イメージ」と「感情」の政治。
ヨーロッパの人道主義的な理念と現実の生活とのギャップを静かにえぐるように描く。パン工場を任され、ワインとクラシック音楽をたしなむベジタリアンの女性と、食肉加工場さえ務まらず、猟銃を持ち歩いて息子にマッチョな教育を施そうとする男性にそのギャップが体現されている。うまくいくわけがないから最初からひやひやする。
主人公の父の自死からの謎の多いラストシーンもすばらしい。熊の出現、そして主人公の浮気相手の女性の謝罪が意味しているのは、彼女と若きフランスのNGOの青年(熊の生態調査)との間に関係を持っていたということでいいのだろうか?
熊はあなたの中にもいる
場所柄三カ国語も混じるなら単純に三つの民族が混ざっている事になる。異なるルーツを持つ人たちが同じ場で生活を共有するには「寛容性」が必要だが今に至るまでの経緯もあり複雑。そこに更に移民が加わった事で起こる事件はこの村だけでなくこの世界で今でもあちこちで起こっている現代社会の縮図。
多様性も平等もずっと叫ばれているけどあくまでも理想の話なんだなと思わずにいられない。
異なる言語が前後左右に飛び交う状態というだけで脳が混乱して怖かった。もし聞き違えたら、もし言い間違えたらそれが火種で悪いことが起こってもおかしくない不安な状態だなと思ったから。
始まりから不穏な空気でずっと心臓に悪く、普通にライフルを持ち歩いているのも不安で最初から最後まで目が離せなかったな。
とにかく見応えのあるすごい作品だった。
すごく頭使った。
熊?
2023年10月2日
映画 #ヨーロッパ新世紀 (2022年)鑑賞
出稼ぎに行かないと暮らしていけないような地方都市に出稼ぎ労働者がやってくる
そこでは、キリスト教的博愛も異分子排除に傾きます
最後のシーン、特に熊は何なのか気になりますよ
@FansVoiceJP さん試写会ありがとうございました
(オンライン試写会はすべてネタバレ扱い)ある外国で起きている外国人排斥問題を扱う内容。
今年338本目(合計988本目/今月(2023年10月度)3本目)。
(参考)前期214本目(合計865本目/今月(2023年6月度まで))
fansvoiceさまのご厚意でオンライン試写会に見ることができました。
悪魔城ではなく…トランシルヴァニア…を舞台に、外国人排斥運動に始まる「互いにお互いを理解しない」ことを扱うテーマを扱った「重い」映画(実際に2020年に起きた出来事を参照にしています。このことはトークショーにて言及あり)。この排斥運動というのも、ただ単に「自分たちの職業がなくなる」という経済的な恐れ、また、歴史上交戦したことがある、宗教等で分かり合えない部分があるなどといったところ、程度の差はあれかなりの差べt感が見て取られます。
日本ではおよそこのようなことがないし(適法に暮らしている外国人の方とこのようなトラブルになることがまるでない)日本やお隣の韓国、台湾などまずもって起きえないような事象が、ルーマニア(ハンガリー)を舞台にして(トランシルヴァニアの所属争いがあるため)いろいろな出来事が描かれます。
日本は確かに「こういったトラブルに巻き込まれることが少ない」国ではありますが、それは地形上の問題であったり、日本における外国人政策等にもよってくるのだろうと思います(地形学的な問題によるところも大きそう)。
日本ではせいぜい、「難民の方かな?」くらいでしか外国人を(旅行客等に普段接する以上に考えると)とらえることがないのに対して、外国では血を流したり、殴り合ったりという「ここは俺が住むんだ」「ここは私たちのもの」「その仕事は何とか人にはやらせない」といった喧嘩…が、そして暴動に繋がっていくのです。
そのことが、冒頭にも書きましたが、2020年1~3月頃に起きた事件を部分的に指しており(多少の展開の違いはあるとのことだが、趣旨は変えていないとのこと)、「日本ではありえない排斥がどのようになされているのか」という点について触れられていた本作は評価が高いです。
採点上とくに気になる点はないのでフルスコア切り上げです。
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