「Drop」CLOSE クロース ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
Drop
自分は同性を好きになった経験は無く、異性に好意を抱きながら生きてきました。近年、LGBTを取り扱った作品は多くなり、その作品を見て様々な勉強をしたりしているのですが、今作は少女の一言によって親友同士の絆が揺らいだ、という一味違うエッセンスが加えられた作品になっていました。
兄妹のように仲の良いレミとレオ、互いの家に泊まりに行ったり、一緒に食事を取ったり、一緒のベッドで寝たりと、これだけ見れば親密な関係性なので、カップルなの?と質問されても仕方がないと思います。
その関係性が疑われて、ちょっとだけ嫌になったレオがレミを突き放すような行動を取ってしまいますが、それが原因で喧嘩をしてしまい、離れ離れになってしまい、挙げ句の果てにレミは自殺を…という前半のアプローチから、後半はレオの葛藤が強く描かれていました。
ただ近い時期に上映された「怪物」と主題が似ており、どうしてもそちらと比較してしまったので、少し見劣りしてしまったかなと思います。
「怪物」が一緒になれないのなら死ぬしかないという最終選択を選んでしまった作品だったのに対して、今作は衝動的にレオが自殺してしまったというのが強く映ってしまい、同性愛というテーマを扱う作品にしては、命の扱い方が少し軽いかなと思ってしまいました。
レオを演じたレオン・ダンブリンくんの儚い表情が素晴らしく、こんなにギリギリな感情を表現できるなんて、彼は将来とんでもない役者になるんじゃないか、今から楽しみな俳優さんです。
良い作品だとは思うんですが、少しパンチが足りないかなと思いました。そういえば「わたしは最悪。」の脚本の方が監督を務めていたというのを後から知って、そういえばそれもハマって無かったわ…と勝手に納得しました。
鑑賞日 8/3
鑑賞時間 18:30〜20:20
座席 G-1