劇場公開日 2023年7月14日

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「展開が読めてしまって涙腺が緩まなかった。。。」CLOSE クロース 鶏さんの映画レビュー(感想・評価)

2.5展開が読めてしまって涙腺が緩まなかった。。。

2023年7月21日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

幼馴染の少年2人、レオとレミの悲しい物語でした。2人は兄弟同様に育ち、寝る時も一緒というほどの仲良しでしたが、同じ中学校に入学して周囲から2人の関係を揶揄われるようになってからギクシャクしだし、悲劇を迎えるところで前半が終了。後半はレオの心情の変化に寄り添う形で物語が進められ、一応彼がひとつ成長したところでエンディングとなりました。

印象的にもテーマ的にも、また(カンヌ国際映画祭という)ショウレース的にも是枝監督の「怪物」と軌を一にする作品と言って良く、単なるLGBTQ物をさらに一歩進めて少年同士の話にするのが最近のヨーロッパ映画界の潮流というところなのだなと確認できる作品でした。ただ「怪物」と比較すると、容易に先が読めてしまうところがあり、悲しい物語でありながら全然泣けないところが悲しい作品でもありました。仮に同じことが現実に自分の身に起きたとしたら、立ち直るのに相当の時間をようするであろうことなのに、きっとこうなるかなと思った通りの出来事が起きるため、事前に耐性が出来てしまって涙腺が刺激されるには至りませんでした。別に泣きたくて映画を観に行った訳ではないですが、ちょっと残念な部分ではありました。

また本作の特徴は、そのカメラワークにありました。主に主人公に焦点を合わせてしかも大写しにして、さらにその背景をぼかすという映像が連続しており、他の登場人物があまり目立たないような創りになっていました。これは、彼らの心情がCLOSEしていることを表していたのか、美少年の映像を堪能してくれというメッセージなのかは分かりませんが、印象には残ったもののあまり感情を揺さぶられるような感じもありませんでした。

さらに、扱っているテーマ性から、社会に対するもっと強烈なメッセージ性とか、風刺とか訴求とかがあるのかと思っていましたが、そうしたものもあまり感じられず、ちょっと肩透かしを喰らったような形で映画館を後にしたところでした。

あと、内容とは全く関係ありませんが、「CLOSE クロース」という題名はどうなんでしょうか?先日も「Pearl パール」という作品を観ましたが、「英語+英語のカタカナ読み」という形式にするくらいなら、単純に「CLOSE」とか「Pearl」だけにしたらいいのになあ、と思わないでもありません。

そんな訳で、主人公2人の少年は、「怪物」同様にとてもかわいかったものの、物語としてはあまり揺さぶられることがなかったので、★2.5の評価とします。

鶏
2023年8月14日

たしかに
パールもクロースも意識してなかったけど 変なタイトルの付け方してるっすね
分かり易くしてやったって事なんすかね

お主ナトゥはご存じか2世