劇場公開日 2023年3月31日

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トリとロキタのレビュー・感想・評価

全35件中、1~20件目を表示

観客に対する信頼

2023年3月31日
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鑑賞方法:映画館

ダルデンヌ兄弟の映画は、いつも心が痛くなる。しかし、心が痛くなる現実があるのだからこの兄弟監督はカメラを向けないわけにはいかないと思っているのだろ。私たちもきちんと向き合う必要があるし、向き合ってくれると観客を信頼しているからこういう映画を作れるのだ。本作では、難民の少年少女が親元を離れてヨーロッパへ渡らざるをえない現実が背景にあり、なおかつ、そんな彼らが制度の欠陥た差別などで苦境に陥る姿を突き付けている。
トリとロキタは、姉弟と偽ってビザを申請するが、認められない。しかし、二人の絆は本物だ。ビザがないので非合法な仕事をする以外に生活する術がない。姉のロキタは故郷に仕送りに加えて、渡航ブローカーに金を払わねばならず、危険な麻薬ビジネスに利用される。救いのない現実が容赦なく見せつけられるが、これがこの社会の現実だ。
トリとロキタ役の2人の少年少女の芝居は素晴らしい。ダルデンヌ兄弟はティーンエイジャーを描くのが本当に上手いと思う。「イゴールの約束」でも不法移民の物語を描いていた彼らだけど、その眼差しは一貫して変わらない。本当に芯のある作家だと思う。

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杉本穂高

4.0装飾を削ぎ落とし、二人の動線と感情を見つめ続ける

2023年3月31日
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ダルデンヌ作品はいつも飾り気がなく、素朴な演出によって形作られているかに見える。この監督の凄さはまさにそこに尽きるのだろう。つまり、劇映画というフィクションでありながら、我々の意識は現実と地続きの世界であるかのように映像の中へと引き摺り込まれる。それも強引ではなく、いつの間にか、自ずと境界線を超えている自分に気づくのだ。今作はさらに演技経験のない二人を起用しており、ただひたすら彼らの日常や行動をカメラが見つめる。全編を通じて全く説明的な言葉や描写はないのに、なぜこれほど状況や感情がダイレクトに伝わってくるのか。血のつながりのない二人が互いを支え合い、一緒にいたいと思い続ける気持ちになぜこんなに胸が締め付けられるのか。技巧を微塵も感じさせず、それでいて我々の意識を見ず知らずの二人に寄り添わせるこのタッチ。ダルデンヌ作品を観続けて20年以上が経つが、最近その凄さがようやくわかってきた気がする。

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牛津厚信

4.0【”ビザを得る事を願い、支え合う偽りの姉弟の強い絆を描く極力過剰な演出を避けたダルデンヌ兄弟ならではの作品。トリとロキタがお互いを想い奮闘する姿が沁みる作品でもある。】

2023年11月7日
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鑑賞方法:VOD

悲しい

知的

難しい

ー 今作は、ダルデンヌ兄弟ならではのBGMがなく、演技未経験者を主演させ、作劇を削ぎ落とした先の読めないサスペンスである。
  尚且つ、世界が直面する人間の尊厳のあり方を問う作品でもある。

■アフリカのどこかの国からベルギー(と思われる。)へやってきたトリとロキタ。
 ロキタは祖国にいる家族のため、ドラッグの運び屋をして金を稼いでいる。
 偽りの姉弟としてこの街で生きる2人は、どんな時も一緒だ。
 正規の仕事に就くため、ロキタはさらに危険な闇組織の大麻栽培の仕事を始める。

◆感想<Caution!内容に触れています。>

・ダルデンヌ兄弟の作品は、常に弱者の視点で描かれる。
 今作も同様で、必死に生きようとするトリとロキタの厳しき日々を(多分、手持ちカメラで。)写し出している。

・資料によると、トリとロキタは演技は素人であったそうであるが、全くそうは見えない。
ー 特に、大麻栽培施設で働くことになったロキタを案じる小さなトリが必死に大麻栽培施設に潜入する姿や、必死に大麻を売る姿が、観ていてハラハラするし、とても切ない。
  彼が、夜の街を施設の自転車で疾走する姿・・。ー

・ロキタは母国の母親に送金するために、危険な仕事や人間として尊厳を失うことまでやっている。
ー ロキタは呟く。”私は、汚い・・。”
  汚いのは貴女ではないよ!そんなことを遣らせる、優越的地位に居る愚かしき人々だよ!。-

<ラストは、哀し過ぎる。ロキタの葬儀でトリが葬送の言葉を述べるシーンは観ていて涙が溢れる。
 エンドロールが無音になった後に、今作を観たモノは何をすべきかを、ダルデンヌ兄弟が強烈に問いかけてくる作品である。>

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NOBU

3.5ああ無情

2023年10月11日
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Xを見ると政治家や政府に罵詈雑言が飛び交っているが、さてじぶんをかえりみると食べ物や服や家がないわけじゃないし迫害されてもいない。とはいえ紛争地帯や途上国と比較しても仕方がない。飯時にいちいち飢えた難民のことを考えはしない。われわれは成熟した社会に生きていていまさら衣食住みたいなプリミティブなことを心配する必要はないが、それでも問題は山積みで人々は政府に怒っているし不満もある。

政府や政治家に対してしっかりと怒りたいとき、ダルデンヌ兄弟なんか見るべきじゃない。ダルデンヌ兄弟の映画の中で真剣に生きる人々はわたしの甘さのようなものを教えてくれる。ロゼッタやサンドラを忘れられず、じぶんの不満が些細なことに思えてしまう。そもそも映画に感化されるような弱っちい奴は政治なんかやらないだろうけど。w

ロキタとトリはほんものの姉弟じゃないがそれ以上に強く結ばれたソウルメイトといえる。ロキタはベルギーで就労ビザを取得しようとしているが認められない。働けないのに移民ブローカーやカメルーンに残してきた母兄弟の仕送りに対処しなけりゃならず、仕方なく大麻プランテーションの闇バイトをする。
ふたりに闇バイトをあっせんする男は表向きレストランで働いていてフォカッチャをくれるがしばしばロキタに性的接待を強いる。

トリは11歳、ロキタは16歳だが世界は過酷で誰も助けてくれない。行政に見放され、移民ブローカーは二人を監視し、カメルーンの家族も冷たい。生存したければ悪事か性搾取との対価だ。そんなトリにとってロキタだけが、ロキタにとってトリだけが癒やしになっている。という状況が淡々と描かれる。エモーショナルな表現はゼロ。お涙ちょうだい型演出の真逆──なのはいいが淡々過ぎる。結末もダルデンヌ兄弟の映画のなかでも一二をあらそえるくらいに救いがなかった。

imdb7.1、RottenTomatoes88%と71%。
カンヌでパルムドールは逃したが創立75周年記念特別賞という栄誉賞をとった。ダルデンヌ兄弟のキャリアにたいする功労賞だったのだろう。

余談だが、現実には移民に情は禁物というか所謂“かわいそうな移民”と国家の移民問題というものは区別して考えたい。情にほだされていたらどこも川口みたいになっちまうぞ。

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津次郎

5.0不安定な世界が創る闇のなかに飲み込まれる移民・難民の現実

2023年9月3日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

この映画は全く夢も希望もない世界があるという事実を淡々を強く訴えかける。アフリカから仲介業者を頼ってベルギーに行き着いた二人の姉弟が主人公だ。この二人を受け入れる社会はどこまでも冷たく暗いのである。約1時間半のこの映画は、見るものをこの暗い世界のなかにどっぷり浸らせてしまう。
主人公である姉ロキタと弟トリは本当の兄弟ではない。しかし実の姉弟以上に二人は固い絆で結ばれている。二人に決して大きな野望はない。姉ロキタは偽りの弟トリを学校に行かせて、家族に送金し、自分は家事ヘルパーになることを目標にしている。彼女はパニック障害を持ち、その心を支えていたのは偽弟のトリとの絆だけなのだ。
健気にそして必死にお互いを支え合って生き抜こうとする二人を表社会は受け入れない。代わりに闇社会だけがこの二人を迎え入れる。こうした人々に闇社会が提供する生きる術とは、薬物の売人、児童ポルノ、汚れた手段ばかりである。
純粋な二人に差し伸べられる僅か支援は、友だちが自転車を貸してくれるとか壁をよじ登るのを助けてくれるとか銀行で家族への送金手続きを代わりにしてくれるとか、あまりにも些細だ。そんな場面でしかこの映画の中の二人と喜びを共有することができない。
二人が唯一手にしている幸福は二人が一緒にいられること。この世界は二人のそんなはかない幸福さえも容赦なく奪ってしまう。政府からのビザが下りないロキタは、法外な価格の偽造ビザに光を見出し、更に深い闇に入っていく。そしてその闇は二人の絆さえも引き裂こうとする。奪われた絆を取り戻すために行動を起こした二人を待ち受けるものはあまりにも辛すぎた。
戦乱や貧困が無くならないこの世界にいったいどのくらい多くのトリやロキタがいるのかと思うと心が張り裂けそうになる。光が明るくなるほど、その影は暗くなる。二人を飲み込む闇社会を作っているのは輝かしい経済発展を希求する社会の仕組みなのかもしれない。
この映画を見て、筆者は短絡的に移民や難民を我が国も受け入れるべきだと言えない。かと言って、今の厳格な難民審査を支持する意図もない。難民・移民を受け入れることで日本の少子高齢化や人材不足の処方箋になり得る可能性はあるかもしれないが、そんな単純な問題では片付かないはずだ。
問題に答えを教えてくれそうな日本人がかつていた。アフガニスタンに医師として渡って命を落とした中村哲氏だ。彼は、医師として一人一人の治療に取り組むことよりも、病気の根本的な原因である衛生環境を改善することが最善の治療だと気づいて、用水路の工事に奔走し、アフガニスタンがアメリカの対テロ戦争の主戦場になった時もアフガニスタンにいて、そのアフガニスタンで命を奪われることになってしまった。
目の前の移民・難民に対する人道的支援が大切なのは間違いではない。ただ、これからも長く語り継がれるであろう中村哲氏を輩出した国として、なぜそのような人たちが発生してしまうのかという根本的な問題解決に対する取り組みに目を向ける国の国民でありたいと願う。

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ブログ「地政学への知性」

5.0アフリカ難民、見ず知らずの少年少女。ベルギーに辿り着き、姉弟として...

2023年7月25日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

知的

アフリカ難民、見ず知らずの少年少女。ベルギーに辿り着き、姉弟として励ましあう様子。
というと、聞こえがいいですが、
現実には、ビザが得られないとか、闇商売で生計をたてたり、などなど
いやあ... 久しぶりに、ここまでキツイものにお目にかかってしまいました。

一呼吸して痛感したこと。
このような、どぎつい課題提起ができる、ベルギーに、拍手を送りたくなりました。
悲劇がなくなってほしいと願う一方で。

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woodstock

4.0この映画にこそ、出かけて欲しい。

2023年5月20日
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鑑賞方法:映画館

アフリカから渡航する途中で出会ったトリとロキタは、たどり着いたベルギーに移民として定着するために姉弟と偽って精一杯生き抜こうとする。12歳のトリは、故国でも迫害されていて、しかも学童であることから、滞在ビザが取れた。しかし、17歳のロキタは、渡航が労働のためと見做されるので、既にビザを持つトリの家族(姉)であると偽って、滞在ビザを取得しようとするが、なかなかうまくは行かない。しかたなく偽造ビザの入手と引き換えに、裏社会の誘いに乗らざるを得ず、その結果、違法大麻の栽培工場に3週間の約束で閉じ込められる。トリは、そんなロキタの精神的な支えになっている。
ヨーロッパで頻発している暴動やテロの背景には、こうした移民たちの偽造パスポートやビザ、不法就労が見え隠れし、映画でも多く取り上げられてきた。しかし、彼らの悲惨さのみを強調したら、極右政党(とは言え、政権にも近い)の移民追い出しキャンペーンの格好の材料にされてしまう。それでは、ダルデンヌ兄弟はどのようにこの映画を作り上げたのか。まず徹底して弱者の側に立つ。次に、フランス語圏のベルギーの街、リエージュでの短い時間の物語として、ドキュメンタリータッチで描いた。二人がベルギーにたどり着くまでの背景が詳細に語られるわけではないので、映画を見ている私たちは彼らに感情移入できる。ダルデンヌ兄弟がキャスティングした対照的な二人の好演が目立つ。小柄で俊敏なトリの働きにより、裏社会と二人との駆け引きがミステリーの形でスピーディーに展開される。
ダルデンヌ兄弟の映画には、通常、BGMがない。しかし、この映画では、二人の歌が大きな救いとなっていた。二人の表の仕事であるピザ屋で、カラオケで歌われたシャンソンとイタリアの民謡。それから、繰り返し出てきたアフリカの子守唄。特に、身体が大きく動きはゆったりしているが、物事を受け止める力があるロキタの豊かで暖かい声が印象的。トリの歌はぎこちないが、この子守唄が、普通の家族以上に、支えあって強く生きた二人の姿を象徴していた。移民を犠牲にする裏社会を告発するためには、ストーリーは過酷なものとならざるを得ない。しかし、いつまでも、心に残る映画だ。

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詠み人知らず

3.5このシビアさには言葉を失う

2023年5月3日
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鑑賞方法:映画館

 共にアフリカから移民してきたトリとロキタは同じ養護施設で暮らしながら本当の姉弟のような深い絆で繋がっている。そんな彼女らの”子供らしい”やり取りを見ていると自然と心和むのだが、同時に裏ではドラッグの運び屋をやっており、その事実を知ると何ともやりきれない思いにさせられる。

 彼らは親元から離れて、あるいは引き離されて異国の地へ渡ってきたいわゆる社会的孤児である。移民が抱える問題はどこの国でも見られるものだが、様々な制約の中で彼らは理不尽な暮らしを強いられている。いくら真面目に働こうとしてもそれを許さない社会的事情。そのあたりのことが本作のロキタの置かれている状況から伺える。
 トリはロキタとはまた違った出自を持っているため、ロキタほどの悲惨さはないものの、今のような暮らしをしていればいずれは裏社会にその身を落としてしまうことになるだろう。
 映画を観ながら、彼女たちに誰か救いの手を伸ばせないものか…と思ってしまった。

 監督、脚本はベルギーの巨匠ダルデンヌ兄弟。
 彼らはよく子供を主人公にした作品を作っている。例えば、「ロゼッタ」や「少年と自転車」は、いずれも主人公の少年少女が人生の泥沼に陥っていくドラマだった。本作のロキタとトリも然り。周囲の大人たちに、ある種食い物にされながら絶望的な末路を辿っていく。
 また、移民問題もダルデンヌ兄弟の過去作には多く登場するテーマである。「イゴールの約束」、「ロルナの祈り」、「午後8時の訪問者」は、いずれもそのあたりに焦点を当てた作品である。
 今回はこうした彼らの作家性がよく表れており、ある意味で集大成的な作品になっているような気がする。

 演出は手持ちカメラ主体のドキュメンタリータッチが徹底されており、BGMも一切なし。極限まで削ぎ落された簡潔な語り口が緊張感を上手く醸造している。相変わらず見事な手腕で、デビュー時から一貫したジャーナリスティックな視点も健在で揺らぎがない。

 ただ、今回は存外ストレートな作劇になっており、やや物足りないという感想も持った。養護施設を含めた周囲の大人たちとの関わり合いをもっと見てみたかったし、ロキタはともかくトリのバックボーンが薄みでキャラクターとしての魅力が今一つ伝わってこなかったのも残念である。今回はどちらかと言うと犯罪絡みに主点を置いた作りになっており、サスペンスとして観れば確かに面白く観れるのだが、従来のダルデンヌ作品のような深みは余り感じられなかった。

 尚、ラストのオチに関しては賛否あるかもしれない。確かにダルデンヌ作品は容易にハッピーエンドを迎えない傾向にあるが、今回はこれまで以上にシビアな結末となっている。それだけダルデンヌ兄弟の社会に対する憤りが強かったということなのかもしれない。

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ありの

4.5映画にとって虚飾を排するということ

2023年4月29日
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ダルデンヌ兄弟の『ある子供』を公開当時はじめて観たときは衝撃的だった。いまの時代にこんなヒリヒリするような映像を、まだ劇映画の枠組みのなかで撮れる人が居たんだ、と凄くびっくりした。ドキュメンタリー出身で、素人の役者しか使わないのはもちろん関係しているだろうけど、作品がいつも特別な輝きを持っているのはそれだけが理由じゃないだろう。今回は恐らく彼らの最高傑作のひとつ。映画の作り手として純粋であるためには「大人」でなければならないこと、まがいものを削ぎ落としていくことでしか、そこに到達できないことをみごとに証明した傑作。主演の二人が魅力的だし、何より編集の切れ味が圧倒的に凄い。

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つくねと皮以外は塩

3.0こんな事して生きてる子どもがたくさんいるんだろうな

2023年4月24日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

難しい

アフリカから地中海をわたってベルギーにやって来た少年トリと少女ロキタ。実際は違うが、姉弟として生きる2人はどんな時でも一緒で、年上のロキタはトリを守り、トリは時々不安定になるロキタを支えていた。ロキタはビザがないため正規の職に就くことができず、麻薬の運び屋をして金を稼いでいた。ロキタは偽造ビザを手に入れるため、さらに危険な仕事を始め・・・てな話。

アフリカのブルキナファソからベルギーへやってきた少女と少年、という設定だったと思うが、国外に脱出しなければならないほどブルキナファソの情勢が良くなかったという事なのだろう。麻薬で稼いだお金を親に送る、ってロキタが言ってたが、自分が生きていくのに精一杯なのに、離れてても親に送金しないといけないなんて、過酷だなぁ、と思う。
ラストは・・・悲しかった。
でも、こんな事して生きている子どもたちが世界にはたくさんいるのだろう、とは思った。
楽しくはないが、一見の価値あり、だと思う。

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りあの

3.5このところ、よく作られる難民もの。

2023年4月23日
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後味は良くない。たぶん、結末はハッピーエンドにはならないだろうなとは推測したら、その通りだった。まぁ、現実を反映するとこうなるのも仕方がないか。私が好きな作り方ではないが、説得力はある。ストリーもちょっと首をかしげる。秘密の場所を知られたら全て抹殺ではないか。それともトンズラしたか。まぁ、細かい点をついても、仕方がないか。

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いなかびと

4.0とても切なく、罪悪感を抱かせる

2023年4月23日
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鑑賞方法:映画館

とても切なく心が痛く、罪悪感を抱かせる作品です。
ロキタを呼ぶトリの声が頭から離れません。
レビューを書きながら思い返してまた涙があふれます。

フィクションだけれど、飾らない演出で過剰な説明もなく、トリとロキタの日常を切り取ったドキュメンタリーのようです。世界のどこかに二人が存在しているようです。

アフリカから移民としてやってきたトリとロキタ。
二人に近寄ってくるのは非道な大人ばかり。
頼れる人も帰る場所もない二人は、不条理を受け入れるしかありません。

トリとロキタは、二人でいれば苦難を乗り越えられる・笑顔でいられると、懸命に生きています。
互いを思いやり支え合う健気な姿に切なくなります。
そして、彼らの問題に無関心だった自分自身を省みました。

もっと二人の物語を知りたくなり、初めて映画館でパンフレットを買いました。

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moro

2.5ストーリー 5 芸術 5 演技 5.5 エンタ 5.5 総合 5....

2023年4月19日
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ストーリー 5
芸術 5
演技 5.5
エンタ 5.5
総合 5.5
クレイジージャーニー、丸山ゴンザレスがカメラ回してるのかな。リアル感ありました。

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林秀吉

2.0不法移民?の切実な〰️

2023年4月18日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

難しい

日本でも最近問題となっている、違法移民(中には本当に迫害等有るんだろけど…)フランスの就労(フランスのビザについては全くですが)ビザを取得する為に、入管の面談を受けたり…
ビザが無いため就労できず、アングラな仕事に 流石フランスアングラ仕事でも50~200ユーロが一仕事のフィーになっていたことにはビックリ(結構美味しい)
最後の終わり方にはがっかり😞💨だが、先進国がそれぞれ抱えている問題なのかも

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ろくさん

2.0見なければよかった

2023年4月14日
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只々搾取されるだけの人を見るのが好きなら見てもよいかと
自分はこういう話は好きではない。
映画でこういうお話を作る人・・・フィクションでこんな話つくるのがどうにも・・・

登場人物の行動と意思決定が全く腑に落ちないので作者の都合をとても強く感じた。
価値観も違うだろうから共感できない部分はあるとは思うが重要なところでの判断が妥当でないと感じた。(これではバカは不幸になれというメッセージになってしまう。)
無理

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アモルフィ

3.5ズシッとくる90分

2023年4月11日
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重い作品だとは認識してはいたが、想像以上に緊迫感と理不尽が感じられる作品だった。

想像と違ったのは体制批判や、差別が明確に描かれているというよりは、その影響を受けた2人をより、リアル(本当かどうかわからないが)に、身近に描いていた。
そして、ドキュメンタリーのように引き込まれ、緊迫感が感じられるとともに、鑑賞後はドッと疲れる。

2人の背景は詳細には説明されないし、本当に数週間を切り取っただけではあるが、ある意味、そこに集中してるからこその密度であるし、現実に起きていることを知りたくもなる。

社会問題を伝える映画として、とても影響を受けた。

2023年劇場鑑賞59本目

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ひでぼー

4.0移民問題をリアルに描いている

2023年4月10日
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この映画の舞台ベルギーではないが、私も欧州各国で移民の置かれた厳しい状況は多少とも見てきた上で言うのだが、この映画は移民の境遇をかなりリアルに描いている。ほとんど何の権利も保証されず、入国した国の人々だけでなく、入国に便宜を働いた仲介業者や、さらには出身国の家族にも搾取される。救いのない映画だが、これが現実であり、安易な結末は商業映画でも無理である。難民申請や滞在許可はこの映画にあるような些細な矛盾や嘘でも認められないようになると現地の専門家に聞いた。

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Boncompagno da Tacaoca

3.0難民の現実

2023年4月7日
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鑑賞方法:映画館

最初から最後までハラハラの内容。主人公二人は初めての演技とは思えない。のほほんと日本で生きている自分が情けない。ただ、日本でも「マイ・スモールランド」のような難民問題は現実にある。

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hanataro2

4.5タイトルなし

2023年4月7日
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鑑賞方法:映画館

 息を呑むシーンの連続。俳優が二人ともいい。そして、搾取者に囲まれる現実。
 日常のとても細かい現実の描写が、まさに日常はこれで成り立っていると感じさせる。
 アジトに入る部屋の細部についても。ビザがおりないこと、母に何ユーロ足りないのか、少年の自転車の乗り方まで。
 リアリティがある。
 ルールのみに生きる行政の担当者。

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えみり

3.5未成年の難民(密航者)を取り巻く厳しい世の中

2023年4月6日
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鑑賞方法:映画館

乾燥大麻とか、売人とか出てきたところで、かなりヤバイことになるんじゃないかと思ったら、やはりそうなったか。トリもあんなところでロキタの名を叫んじゃダメなのに、無邪気というか愚かというか。小屋のなかで二人で歌うなんて無用心すぎる。

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M.Ooi