劇場公開日 2023年4月14日

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「倫理観と倫理観の戦い」聖地には蜘蛛が巣を張る ku-pa-さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5倫理観と倫理観の戦い

2023年5月1日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

知的

イスラムの聖地マシュハドでの娼婦連続殺人事件を描いたクライムサスペンス。事件を追う女性記者と犯人の男のそれぞれの視点でドラマは進む。

事件の背景には、現代の西欧中心の倫理観とは大きく異なる価値観が横たわっていて戦慄する。

事件は穢らわしい職業の女性は徹底的に排除すべきという、女性蔑視職業蔑視のヘイトクライムなのだが、犯人の男だけでなくその妻子や少なくない街の人々が肯定的に捉えている描写に驚く。

娼婦をターゲットにしたシリアルキラーものは数あれど、犯人がここまで英雄視される作品は観たことない。

藤子F不二雄先生のSF短編で我々の世界とは全く異なる倫理観の世界に紛れ込み価値観を揺さぶられる作品が幾つかあるが、この作品を見ている最中同じような思いに囚われていた。

ku-pa-