「多くの方に見てほしいと思える作品。」聖地には蜘蛛が巣を張る yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)
多くの方に見てほしいと思える作品。
今年122本目(合計773本目/今月(2023年4月度)17本目)。
いわゆる「誰が犯人でしょう?」系の映画でありつつ、その「犯人は誰か」ということは(視聴者観点では)そうそう明らかにされてしまいます。
映画の趣旨・内容的にイスラム文化を参照しているところがかなりあり、また発言の一部が明らかに男女同権思想にはじまって「日本基準で考えると」いろいろ人権感覚が変なセリフが出るのですが、それは映画をちゃんと見れば「何が問題なのか」という点はわかります。この映画は特殊すぎると思いますが(なお、元になった実際に存在した事件をインスパイアした、ということは表示される)、いわゆる「イスラムヘイト」をためるという趣旨も異なるのだろう、というところです。
ただ、この映画、「それでも」まだちゃんと見ていると、三権分立か何かで裁判を受けているシーンなど、「一応にも」イスラム社会においてこのあたりの三権分立というか「人権擁護の基礎」は成り立っているようです(中には支離滅裂いうところもあるので…)。
映画の趣旨としては「自分と考えるもの、考え方をする方へのリスペクト」(尊重)という点に大半尽きると思うし、それは映画を見ていればすぐわかると思います。まぁ映画の誘導が丁寧なのとは対照的に妙にイスラム文化を参照しているシーンがあるので、「妙なところ」でイスラムヘイトがたまらなければよいな、と思えた一作でした(扱う内容も特殊な分野であり、またイスラムの教えがどうこうという話も出てくるため)。
なお、採点にあたっては差し引く要素は見当たらないのでフルスコアにしています。
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