「ゾンビ+殺人鬼」哭悲 THE SADNESS yudutarouさんの映画レビュー(感想・評価)
ゾンビ+殺人鬼
いやー、グロかった。久々に迷いなくゴア描写満載のスプラッター映画を観た気がする。目玉串刺し、股間攻撃と観ていて物理的に痛い描写も満載。酷すぎるという声も聞こえてきそうだが、ちゃんと年齢制限あるし、作り物と分かった上で楽しむ映画として様々な表現にチャレンジしているのが伝わってくる。
作品の内容的にはゾンビ映画だけど、ゾンビジャンルとしてフレッシュな作りだった。今作のゾンビはウィルス型の走るタイプで、そこは最近では珍しくないけど、このゾンビたちはウィルスに感染はしているけど思考能力は残っていて、理性のタガが極端に外れているという状態。本来、ゾンビの怖さは人間の形をしているのに中身は空っぽという虚ろな恐怖、完全に没交渉な相手への恐ろしさから来るものだけど、今作では単に残虐性が異常に肥大しているだけなので、とにかく人の嫌がることを分かってやってくるというスタイルだからスラッシャー映画の殺人鬼の要素を持った輩が大量に沸いてる状態。とても怖い。なので実は死んでないから全然ゾンビじゃないんだけど。しかしその設定のおかげで、人間の本性はケダモノで、ヤバいというホラー要素が一層強調されていた。墓場から蘇る古典的なゾンビの味わいも捨てがたいが、これはこれで新種のモンスターとしてアリだと思わされた。
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