「ゾンビのようでゾンビでない、ベンベン」哭悲 THE SADNESS mittyさんの映画レビュー(感想・評価)
ゾンビのようでゾンビでない、ベンベン
映画が話題になっていることだけは知っていたのですが、内容は全く知らず、わぁおー!びっくり!血飛沫と内臓ドロドロ、身体ぐちゃぐちゃ。てっきり、もの悲しい(多少、時代を遡った韓国映画)だと思っていたら・・・。こんなにパンチの効いたたエロ・グロ・バイオレンス・パンデミックホラーだったとは。ストーリーはただ、感染していない人間が感染者から逃げまくるというだけの図式。
アルヴィンというウイルスが突然変異を起こし、感染者は理性をも抑えられない残虐性を帯びた欲望(衝動)に見舞われ、凶暴な行動(レイプ・食肉・目えぐり・噛みつき・拷問・殺戮・・・)を起こすのですが、ウイルスの感染経路や潜伏期間などについては大雑把で適当だったりします。感染すると暴力的な狂人のようになっても、意識、記憶、知性はあり、これといった「弱み」も特に存在せず、知恵も働きゾンビよりこわいかも。感染者は罪悪感が残っているので涙を流すけれど、残虐にやられた人間を見るとこの上ない快楽を覚える<サディズムに似ているらしい>というのも矛盾したようであるけれど恐ろしい(笑いながら怒る男、竹中直人みたい)。
ラスト、黒目のジュンジョーがドア越しにカイティンと語り合うところ、「ザ・フライ」みたいなもの悲しさがあってもよかったのに。ちょっと物足りず。階段を駆け上って扉を開いたカイティン。その後、銃声の連打が鳴り響いたので、誰も救われなかったということなのか。
最近見たものでグロすぎてやばかったのは、「ムカデ人間2」。でも、えげつなさと変態性はムカデ2の方が上でした。
なんだかんだ言いながら楽しんでしまった自分が怖いです。^^;
夜中に見て、目が冴えてしまい眠れなくなってしまいました。劇場で見なくてよかったような、劇場で見たかったような複雑な気持ちです。