「趣旨がわかりにくい部分が多々あるので複数回視聴が前提かなぁ。」コンビニエンス・ストーリー yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)
趣旨がわかりにくい部分が多々あるので複数回視聴が前提かなぁ。
今年228本目(合計504本目/今月(2022年8月度)4本目)。
タイトル名もわかりやすいし、ここの紹介や特集にあるようにストーリーはやさしめに「見える」のですが、後半半分ほどがどう考えても最初から予想できない「妙な」展開に飛ぶので、そこは結構人を選びそうです(1回で全部理解しきるのは困難?)。
この監督の方って、今年の春だったか「大怪獣の~」で、ここや他の映画評価サイトで大批判をくらっていた方だったと思うのですが、本作品では「趣旨が理解しにくい」というものはあっても、極端に支離滅裂ではないし、何がどうなっているのかわからないとか、心情を害するといった部分はまったくないところです。
内容としても100分程度で、分野としては「ミステリーもの」「多少ホラーもの」という分類になると思いますが、そうすると「How」の部分などに触れると一発ネタバレであり、それらは省略せざるを得ないでしょうね…。
ただ確実に言えるのは「大怪獣~」で気分を害された方も、本映画に限っていえば「趣旨がわかりにくい点はあるが、気分を害したりするようなシーンはまるで存在しない」点です。ただし、複数回視聴が前提なのではないか…という気がします(1回見るだけだと、全部を理解するのはまず無理?)
採点対象としては下記が気になったところです。
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(減点0.2/配慮不足)
・ 捨て猫・捨て犬は法律違反です(動物愛護法の動物遺棄。懲役1年以下)。
この点に関するフォローがないのは気になりました。実際、摘発例が少ないだけで(件数は多いが全件すべて逮捕するのは現実性がないため、よほど悪質なケース以外動かないだけでしかない)、それを助長するような描写はどうか…と思えます。
※ 何度か書いていますが「捨て猫・捨て犬」は「猫か犬か」で法律が異なる(犬の場合、狂犬病が絡むので、絡む法律が増える)、こと、さらに「拾った側」の対応もまた特殊になるので(確実な捨て猫か、迷い猫か、野良猫(各、「犬」とも置き換え可能)、正直、身近に登場する事例の中では「結構面倒くさいこと」に巻き込まれます。
(減点0.1/配慮不足) 「いや、これは正当防衛なんだ」
・ ここ(ネタバレ回避、ラスト直前)で正当防衛(民法・刑法)が成立するかはかなりグレーゾーン(あくまで、特異な急迫な事例に対して対応ができるのみであり、それを超えるような過剰防衛的な行動は許されません)です。
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…というか、毎月のように「捨て猫(犬)や、それを拾う行為」はどこかしらの映画で見ますが(そして、リアルにも存在する)、捨てるほうは立派な法律違反だし(ただし、懲役1年以下と非難の程度が低いため、警察が動かないに過ぎない)、拾う側も「捨て猫・迷い猫・野良猫か」(かつ、猫か犬か)で「6種類も取るべきパターンが違う」という面倒極まりないパターンで、このあたり描写はしっかりしてほしいところです(安易に真似されると、特に犬の場合、狂犬病の問題が生じかねない)。