君を想い、バスに乗るのレビュー・感想・評価
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終活のバス旅行日記
亡き妻を偲んで、老人がバスでイギリスを縦断するロードムービーで、最近のイギリス映画にしては珍しい人情ものです。行きずりの人達の優しさと善意(たまに悪意も) に支えられて、90歳を越える老人が一人旅をしていくのは、分かっていてもジーンときてウルっときます。決して演出とか語り口が上手いわけではないけど、終始気分良く見られる作品で、90歳の老人の歩き方や話し方をとてもリアルに演じたティモシー・スポールのまさに1人舞台でした。
ロードムービーにありがちな不自然さを感じさせない路線バスの旅
以前、日本にも似たような設定のロードムービーがあったが、キャンピングカーで旅をする主人公が、そんなに多くの人々や出来事に遭遇するわけがないだろうと、不自然さを感じざるを得なかった。
その点、この映画の移動手段は、自家用車でも、鉄道でも、長距離バスでもなく、様々な人々と乗り合わせる機会のある路線バスであり、しかも、シニア用のフリーパスが使えるからという理由も、ちゃんと用意されている。そのため、ロードムービーにありがちな、わざとらしさや違和感がなく、たくさんの出会いや別れが、自然な形で描かれている。
道中、主人公が回想する過去は、断片的で、時系列のとおりにもなっておらず、何があって、何のために旅をするのかが分からないため、特に、最初は、少しイライラさせられる。だが、この映画が、悲しい過去を振り返るよりも、生きている今を慈しむことに重きを置いていることが分かってくると、ゆったりとしたテンポに身をまかせ、旅のエピソードを楽しめるようになる。
主人公がトラブルに巻き込まれるたびに、必ず誰かが救いの手を差しのべる展開は、ご都合主義にも思えるが、それと同時に、人間の善意を信じている作り手の姿勢も伝わってきて、暖かい余韻に浸ることができた。
これから出逢う想い出を
妻に先立たれた老人の男が、ある目的の為にスコットランド最北端からイングランド最南端へとバス旅をする物語。
老体に鞭を打ち、長い旅に出るトム。「妻との約束」とのことだが、目的地へ行く理由や、何故妻と2人では行けなかったのか、頑なに手放そうとしないカバンは何なのか、そして何故そんなに焦っているのか・・・色々と気になりつつ、バス旅は続く。
終始、ちょっとしたトラブルとその都度見せるトムの勇気や周りの人の優しさにホッコリするロードムービー。トムの頑張りを乗り合わせた人が動画投稿し、いつの間にか有名になっていくトム。
後半になり、上述の疑問が観客側にも鮮明に。成程~そういう理由で・・・。
ちょっとさすがに皆親切すぎでしょ~現実はこんなんじゃ・・・なんて思ったり、良い話とは言え動画投稿にどうしても少なからず嫌悪感を覚えてしまうワタクシだが、それでも本人はいざ知らず、皆に出迎えられた所なんかはググググッときた。シンプルではあるかもだけど、クライマックスも良かったですね。
上映時間も90分に届かないコンパクトさ。このくらいのボリュームが一番好きだけど、逆に本作はもうちょっと時間使って大袈裟に泣かせに行っても良いかなぁなんて思いつつ、やっぱりこの規模でやるからこそ、らしく光る作品なのかなと思った。
そして何より、ワタクシ自身も人生終盤になった時に、トムのように振り返りたくなる想い出なんてないなぁ~と思い。。
だからこそ、いつか自分自身が再会する想い出をこれから作っていきたい、柄にもなくそんなことを思わせてくれた作品だった。
全英が泣いた!?おじいちゃん回顧録
予告編からうるうるしてた。本編は最初から最後まで涙を流しながら見てました。皆誰しも誰かに守られて生きている。こんなSNSなら拡散大歓迎です。主人公が走ってどっか横断してSNSで拡散されてみんなが追っかけてきてたなんかのシーンを思い出した。あれは何だっけ…あ、フォレスト・ガンプだったわ
人生とゆうロードムービー
ちょこちょこトラブル発生し、何気ない出会いにほっこりし、時にちょっと嫌な思いもする。。
大きな出来事やまさかの展開が起こるわけではないけど、じんわり温かい気持ちになる映画でした。
道中の風景や、いろんなタイプのバス🚌が見れて、それも良かった。
今日は午後、仕事でお休みをいただいたので、複数観たかった映画から選んだ一本でした。
1350kmを路線バスで旅する、イギリス版終活ロードムービー!
妻に先立たれ、病を抱える老人が、路線バスを乗り継いで、スコットランドの端から、イングランドの果てまで旅する物語。
なぜ、路線バスなのかと言えば、イギリスの事情はわからないが、シルバー用の無料パスが使えるということなのだろう。
途中、アクシデントはあるが、いろいろな人達に助けられ、路線バスで旅する老人がいることをSNSで拡散され、目的地のランズエンドでは、たくさんの人達の出迎えを受ける。
妻との思い出は、イメージの描写のみで、細かくは描かれず、観る人の受け取り方にゆだねられている。
イギリス版終活ロードムービーと言える作品。
ぜひ、劇場でご覧ください!
カッコいいおじいちゃん
おじいちゃんのバス1人旅?
目的は約束を果たすため!
道中寝過ごしたり事故ったりパーティーへ参加したりと色々ありますが、
おじいちゃんの紳士的態度、男たるものこうありたいと思いました😄
しかし鞄で遊ぶ子供には必要以上に怒る。
最後見てなるほど!それは大事な鞄だ!
全編通して、悲しい過去を持ったおじいちゃんの強固な生き様を見ました。
旅行気分でイギリスの景色に期待したんですが、割とあっさりでそこだけ残念でした。
人生をかけた愛を貫く1350kmのロードムービー
ティモシースポール演じるトムハーパーが亡き妻との約束を果たすためイギリス最南部ランズエンドまでの1350kmをバスで横断する。
本作は題名にもある通り、路線バスということでイギリスの各地をゆったりと巡っており、トムと観客が一体化して各地の人々の違いに触れることができる人間にフォーカスしたロードムービーだった。
本作の主人公はハリーポッターのピーターペティグリュー役で知られるティモシースポールでこれまでのイメージと異なった最高に渋いおじいちゃんとなっていた。トムの持つ優しさが行く先々の人々に伝わっていく様子や巻き起こるトラブルや心温かくなる人情が丁寧に表現されていた。
トムが頑なに手放さなかった鞄の中身が明らかになった時、涙が止まらなくなった。
旅が進むにつれ、明らかになるトムが持つ悲しい過去や妻メアリーへの一生涯の愛を貫くため、信念を持って目的地を目指す姿は心からかっこよく憧れの生き方だと感じた。
エンドロールで行く先々の人がトムを讃えるSNSの様子は心が温かくなった。
人と人が密接に関わることが難しい今だからこそ観るべき映画だと感じた。
淡々と進む旅路が呼ぶもの
感動のロードムービー、というようなものではない
けれど、彼の進める一歩一歩が、人々を静かに巻き込んでいく
彼はただその目的のためだけに、残された多くはない時間と体力の中で、必死でその歩みを進めるのみ
言ってしまえば、周囲なんてどうでもよいのだ
それでも、彼のその不器用でまっすぐで善良な心が物語を紡ぎ出す
彼のその目的は、彼の抱えた焦りは、ひどく胸を痛めるけれど、その旅に同行するかのようなこの作品は、見終わった後で、彼の歩みが紡ぎ出した物語とあいまって、心になにかあたたかなものを残してくれる
(原題) The Last Bus
旅をしてその地域の人々の優しさに触れまた優しさを与える…
切なくも温かい余韻の残る素敵な作品でした。
なんて素敵な人生なんだろう。
こんな人生を過ごしてみたい。
愛情に溢れる世界は素晴らしい。
そんな気持ちでいっぱいになった作品でした。
主人公の気持ちが切々と伝わってくる
老人が主人公のロードムービーである。満身創痍の彼は、亡き妻との約束を果たすために、不自由な身体に鞭打って、イングランドの遥か最南端の町を目指す。
バスを乗り継いでいく設定がいい。飛行機でも特急列車でもない。バスである。妻との思い出が詰まっているバスの旅。しかし彼には残された時間がない。予定通りに到着しなければ、それまで命が持たないかもしれないのだ。
ロードムービーらしく、思いがけないアクシデントが次々と起きる。親切な人もいればそうでない人もいる。不運にめげず、人を非難せず、黙々と進んでいく。流石に名優ティモシー・スポールである。優しくて寛容な老人を枯れた演技で淡々と演じてみせた。それが逆に主人公トムの気持ちを切々と伝えてくる。
「Amazing Grace」を歌い上げるシーンなど、泣ける場面も多く散りばめられていて、演出も脚本もとてもいい。ラストシーンで、トムがバスの旅の道中にスーツケースをとても大切にした理由がわかる。高倉健の遺作となった映画「あなたへ」を思い出した。
心に染み入る傑作です。
トムにとってはバスで横断するその道のりは人生の出来事や思い出が凝縮されたものなのでしょうね。旅自体が人生そのものってよく言われますが、本作を見たら「あぁ、電車よりバスの方が人生っぽいかな?」って思ってしまいました。それは本作の旅途中のエピソード作りが巧みだからそう思ってしまったのかもしれません。まさに喜怒哀楽がたくさん。晴れの日もあれば雨の日も。急な雷雨もあるし。
トムが今住む場所からスタートし目指した場所とその意味が物語が進むにつれ徐々に明らかになってきます。彼が真摯に歩んできた人生をなぞるように、人生で育まれた彼の人格を描きながら。ありふれた人生かもしれないが、深いシワに刻まれた喜びも悲しみも全てかけがえのない人生の証であり思い出。トムにとって愛おしいものなのです。老体に鞭打ちながら愛おしいものに全てを注ぐトムの姿を旅の途中で出会い方々とのエピソードをユーモラスかつハートフルに描き、かつ妙な感動ポルノにならずにとっても爽やかな後味を醸し出してくれます。「さぁ、泣きどころですよ!」演出が全くなく、一人の老人の歩んできた人生を横に寄り添いながら描いているこのスタンスがとっても心地よく、心に染み込んでくるのです。
(ゴール到着シーンは秀逸です。それを描きたいんじゃないんだよ!って製作陣が言っている声が聞こえてきそうな展開です。邦画ではこうはいかないだろうなぁ(笑))
あぁ、なんと素敵な人生なんだろう。こんな人生を過ごしてみたい。愛情に溢れる世界は素晴らしい。そんな気持ちでいっぱいになった作品でした。
心が穏やかになる作品
君を想い、バスに乗る
スコットランド最北端の村ジョン・オ・グローツに住む老人トム・ハーパーが1300キロ離れたイギリス最南端の岬街ランズ・エンドをフリーチケットでバスを乗り継いで一人旅を続ける理由とは?という作品です。
予告編で面白そうでしたので見てきました。
老夫婦の若い時代と現在と旅を交互に見せることで細やかな心情が伝わる良心的な作品でした。
バス旅の様々なトラブルや心温まる出来事を丁寧に描いたロードムービーになってます。
たまには落ち着いて映画をじっくり楽しみたい方はどうぞご覧ください。
意外と明るく、ハートフルな、イギリス珍道中
70~75点ぐらい。
もっと暗くて眠くなる映画かと思ったら、意外と明るい映画で、ユーモアもあり観やすかった。
イギリスの風景が出てきて楽しめました。
最近はダラダラと長い映画が多いけど、コンパクトで好感を持てます。
時間も86分と短くて良い!!
ロードムービーの王道の手法
ロードムービーって不思議な魅力がある。主人公が長い距離を移動しながら様々な人たちと出会い、トラブルに巻き込まれ、成長したりしながら目的を果たす。
本作も基本的構図は同じ。ただ、その目的は最後にならないと明らかにならない。だから旅の合間にトムの目的と過去を徐々に明らかにしていく展開。
大したトラブルも起きないし、その目的はすごく驚くようなものでもない。あんなに集まって待ってるもんか?と疑問に感じるのもたしか。でも、妻が亡くなったあとにとる行動として胸を打たれた。ある程度の水準であればロードムービーってやつはいい話になるんだよ(暴論)。
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