君を想い、バスに乗る

劇場公開日:

君を想い、バスに乗る

解説

最愛の妻に先立たれた老人がイギリス縦断の旅に出る姿を描いたヒューマンドラマ。愛する妻メアリーを亡くしたばかりのトム・ハーパーは、かつてメアリーと出会った場所を訪れるため、ローカルバスのフリーパスを利用してイギリス縦断の旅に出ることを決める。50年暮らした家のあるスコットランド最北端の村ジョン・オ・グローツを離れ、イギリス最南端の岬ランズ・エンドを目指して、様々な人と出会い、トラブルに巻き込まれながらも、トムは妻と交わしたある約束を胸に旅を続ける。「ターナー、光に愛を求めて」「ハリー・ポッター」シリーズのティモシー・スポールが主演を務め、実年齢より30歳近く年老いた役を特殊メイクなしで演じた。亡き妻メアリー役に「ダウントン・アビー」シリーズのフィリス・ローガン。「ウイスキーと2人の花嫁」「グッバイ・モロッコ」のギリーズ・マッキノン監督がメガホンをとった。

2021年製作/86分/G/イギリス
原題:The Last Bus
配給:HIGH BROW CINEMA
劇場公開日:2022年6月3日

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映画レビュー

4.0英国では珍しいロードムービーを人情味豊かに仕上げた名作

2022年6月28日
PCから投稿

イギリスの端から端まで、高齢のおじいちゃんが路線バスを乗り継いで旅をする。そんなティモシー・スポールの相貌と過ぎゆく車窓の風景を見つめるだけで、胸の辺りがキュッと締め付けられるのを感じる。主人公トムの距離移動は、そのまま彼の心の移ろいをも表しているのだろう。ジョン・オグローツからランズ・エンドへと進むにつれ、記憶の中の「若き夫婦」が時間を逆戻りしていくという構造がシンプルながら味わい深い。それに彼の旅がこの国で暮らす幅広い世代、多様性に富んだ人々との出会いの連続となるのも面白い。そこでの交流でちょっとした親切が差し出さるたび、こちらの心はひだまりで包まれるかのよう。多様な形状のバスを乗り継ぎ、スコットランドの大自然からイングランドの市街地を経て、気持ちの良い海風の注ぐ目的地まで。低予算の壁を知恵と工夫で乗り越え、イギリスでは極めて稀な”ロードムービー”を成立させているところに気概を感じた。

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共感した! 2件)
牛津厚信

4.0私ならコロコロカバンにするな

2023年6月17日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

ホームムービーでこういうのを作ろうと
思っていたのでのめり込みました。
過去と現在を同じフレームに入れるところは
おお、と。
予定外の出来事をそんなにフォーカスせず
家族の絆が〜なんてこともせず
よ~し、泣くほどでも無いな
と思っていたら

最終バス停で思いっきり泣けました。
ヨカッタです。
80点
4
アップリンク京都 20220616
パンフ購入

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共感した! 0件)
NWFchamp1973

4.5亡き妻と共に人生の想い出を辿る最後の旅。

2022年9月10日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

楽しい

人生は出会いと別れを繰り返し、そして人生の終わりを迎えるとき再会をはたす。

愛する妻と暮らした想い出の地ランズエンドへバスの乗り継ぎだけで目指す高齢者トムの旅を描く。それは人生におけるささやかな幸せと悲しみを辿る旅。
これはトムの孤独な旅のはずだった。しかしゆくところ様々なトラブルや出会いがあり、またSNSの影響で彼は一躍有名人に。しかしそんなことは彼にはどうでもよかった。
彼は愛する妻との約束を果たすために妻を想い出の地へと連れてゆく。
旅はまさに今までの妻との想い出をたどる旅であり、そこには淡い想い出からつらい想い出も。まるでそれは走馬灯のように人生を振り返る旅。
そして旅を終えた彼は愛する妻に再会し、二人を乗せたバスは死のない永遠の世界へ。

鑑賞中涙が四回は頬をつたった。年齢的にこの手の作品は涙腺を刺激する。
実年齢よりもはるか上の役をつとめた主演の方は素晴らしかった。

ちなみにSNSに動画をあげてるやつ、そんな暇あれば車を押すのを手伝え、酔っ払いのレイシストをバスから追い出せと言いたい。

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共感した! 3件)
レント

4.0【”想いでの地をローカル・バスを乗り継いで、訪ねて・・”この、年老いた男のロードムービーには、人の善性が詰まっている。今作は、抑制した演技を魅せる、ティモシー・スポールの魅力全開作でもある。】

2022年9月9日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

知的

幸せ

■最愛の妻を亡くしたばかりのトム・ハーパー(ティモシー・スポール)は、ローカルバスのフリーパスを利用して妻との思い出がある”ランズ・エンド”を目指してのイギリス縦断の壮大な旅に出ることを決意する。
 行く先々でさまざまな人と出会い、トラブルに巻き込まれながらも、妻メアリー(フィリス・ローガン)と交わしたある“約束”を胸に、彼は旅を続けるが…。

◆感想<Caution!内容に触れています。>

・劇中に描かれるトム・ハーパーが、経験した事。

 1.それは、バス停留所で大切なカバンを盗まれかけたり・・。
 - で、彼はその少女に大枚を渡す・・。その意味はラストで分かる。-

 2.ヒジャブを被った女性に対し、侮蔑的発言をする若き愚かしき男に対し、毅然と注意する姿。
 - 分かっているようで、ナカナカ言えないよね。-

 3.終点を乗り越した彼を、家に向かい入れる夫婦の姿。

 4.フリーパスが使えないと言い、田舎でトム・ハーパーを降ろす不寛容な運転手。

ー これらの、事柄がSNSで拡散して行く・・。SNSは好きではないが、この拡散の仕方は人間の善性を感じる。ー

<そして、トム・ハーパーが漸く到着した”ランズ・エンド”で最初に向かった場所。
 それは、愛娘のマーガレットの墓であった。
 そして、彼が大切にカバンに入れていたモノ。
 それは妻の遺灰であった。
 それを、海に流すトム・ハーパーの姿。
 今作は、人間の善性が詰まっているロードムービーである。>

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NOBU
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