劇場公開日 2022年6月3日

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「彼が目指した場所、遂げたかったこととは。」君を想い、バスに乗る mamiさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5彼が目指した場所、遂げたかったこととは。

2022年6月26日
iPhoneアプリから投稿

今年のMyベスト10入り確実。90歳の老人によるスコットランド北端からイングランド南端まで1350kmに及ぶ路線バスの旅を描くロードムービー。なぜバスでそこを目指すのか…小さな出会いやアクシデントを繰り返しながらも彼の過去と旅の謎が少しづつ明らかになり…しみじみと泣ける良作。

過去の回想の映像や挟み込み方がとても上手い。過去についても、現在起こることについても、説明しすぎず描きすぎない。何を話したの?なにがあったの?それを想像する余白を残し、すべては描かない。そういう作品がすごく好き。その方がリアリティも出るし。

現在の険しい顔のトムに対し、若い頃のふたりがほんとにかわいくて美しくて、途中からだんだん過去のシーンが映るだけで訳もなく泣いちゃう。そしてイギリスの雄大な自然の風景、都会の街並み、バスの車窓からの景色やバスの車種も変わっていくのが一緒に旅してる感じにさせられる。

やっぱり日本版のポスターと邦題はほのぼのにされがち。羊は出てくるけどこんなシーンはないしね。
原題の「The Last Bus」の方がLastに何重もの意味がこもってて良い感じがする。「過去に戻ってみることで、彼は未来を見つけた」っていうキャッチもいいよね。

mami