「バズったおじいちゃんの人生振り返りの旅路。」君を想い、バスに乗る kumiko21さんの映画レビュー(感想・評価)
バズったおじいちゃんの人生振り返りの旅路。
「物理的な移動」と「時間軸上のフラッシュバック」、二つの旅を鑑賞する。
何かしら訳あり、悲しみを背負ったらしき若いカップルの逃亡?から始まる謎解きの時間の旅。
メーンは現実世界で90超えのおじいちゃんの長距離バス旅行。決して甘くなかった。最初のうちは身軽な旅を羨ましく感じたけど、だんだん見ていて辛いことの方が多くなった。出会う人はいい人とそうじゃない人がほぼ同率だ。それが現実。(道中のエピソードで遭遇したウクライナ人たちの明るさと屈託ない親切さにはグッときた。)
理由はともあれ、片道旅行であることは容易に想像がつく。命よりも大切なスーツケースとの同行二人。原題THE LAST BUS のままでよかったんじゃないかなあ。
人生で真に幸せな時期なんてほんのいっとき、かもしれない。でも反芻すればするほど輝くような思い出を持っている人は強いなあと思った。あんな風に愛し合える夫婦って、すごいなあ(友だち少なそうだけど)。愛妻の外套の蜜柑色が一貫して画面を鮮やかに引き締めていた。
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