スギメのレビュー・感想・評価
全3件を表示
国立科学博物館の日本館へ、二ヶ月に一回は墓参り行く
国立科学博物館の日本館へ、二ヶ月に一回は墓参り行くので、この草舟の展示も見た。
日本人のルーツを探る熱意を持つ事は良い事かも知れない。また、それを科学的に検証する事も良いとは思う。しかし、『なぜ台湾を離れなければならなかったか』を探る事の方が先の様な気がする。
勿論、当時は国境なんて無かったわけだから、今の台湾の人達と琉球の人達のアイデンティティの違いなどあるわけが無い。それでも、なぜ?その台湾を離れなければならなかったか?
さて、『コンチキ号の時代』からこう言った行動を冒険談と見るが、全く男目線である。例えば、こんな船で渡る場合『女性の排泄行為』をどう処理したのか?それが気になる。それでも、渡ったわけだから、羞恥心無く実行出来た行動の動機自体が問題になるのだ。つまり、曲解すれば女性は動物以下の存在であった可能性もあると言う事だなのだ。
さて、地球温暖化と言って、産業革命以降の温度の上昇や海面の上昇まで科学をしようとしている今の現状なのに、海流が今のままであったのだろうか?
100歩譲っても、今の海流であった訳が無い。それが答えだ。世界的なカヤック操縦者が根性でやっとこさ渡れる。しかも命がけだったと解説する。従って、なぜ命がけでそこを離れなければならなかったかに集約される。曲がりなりにも国家プロジェクト何でしょ。もっとやらなければならない事が、沖縄にはあると思うけどね。
追記
イルカとかクジラを飼いならして、船をひかせるとか。そんな事やったら、怒られるね。でも、三万年前ならめちゃくちゃクジラもイルカもいたわけでしょ。
僕が考えた新説だからね♥
追追記 台湾と日本の間は国交が実質ない。従って、台湾の人達が、日本で仕事をするためには就労ビザが必要である。
三万年前よりも今を大事にしよう。クラウドファンディングするのは良いが、他の事にお金を集めてもらいたいものだ。
本も読むべし
このプロジェクト、とても面白いと思っていて本も読んでいたのだけど、この映画でそれがますますリアルに感じられて面白さ倍増。逆もきっとありだと思うので、映画見た人は本も読むべし、って感じかな。
本の冒頭には、西表島からだと台湾は大陸のようにイヤでも見えるのだけれど、逆は必ずしも真ならずで台湾からだとものすごく限られた場所からしか西表島は見えない。
そんなところに何で、誰が、行こうと思ったのか。
好奇心だけで行ける場所ではないし、移住のつもりで行くのならば相応の準備が要るし、等々本ではその辺の疑問がたくさん提示されていたと思う。
そしてそれを証明するがために手を変え品を変え3度目のトライアルがあった…そのそれぞれの道具の使われ方など、やはり映画で見るとうわぁ!と思う。
私自身も南方系の外見なので、ご先祖様のご努力、謹んで拝見した心もちになりましたぞ。
海洋民族のルーツを探る・・
20万年前にアフリカで誕生した人類が6万年前に世界に拡散したグレートジャーニー、日本人のルーツは北方、大陸、南方から渡来とされているが本作は南方、琉球列島の島々から約3万年前の人骨が相次いで発見されたことから人類学者の海部陽介博士が海洋渡来説を唱え、古代人は如何にして海を越えたのかに惹かれ壮大な再現プロジェクトを立ち上げた、資金は主に募金により製作は国立科学博物館が行った。
タイトルのスギメとは実験に登場する船の名で杉の女神の略でスギメと名付けられたことによる。
実験は主に台湾から与那国島への225kmの手漕ぎ船での航海、行く手を阻むのは流れの速い黒潮、再現実験だから使えるのは古代の石器や天然材料のみ、幾度かの失敗を経て6年目、いよいよスギメが海に漕ぎ出された・・。
観ての感想は、そもそも3万年前の地形、潮流、気候はもとより人類の能力がよく分からないから実験の設定、妥当性については半信半疑、前置きとして各方面の専門家によるガイダンスが欲しかった。
個人的には29,000年前に起きた姶良カルデラ噴火や7300年前の鬼界カルデラ噴火で大きな気候変動が日本を襲い、糧を求めた海洋渡来人の末裔が海を渡り、インカに移住したという珍説の方が興味深いです。黒潮を克服した海洋民族の末裔が太平洋をも超えてしまったと考えると本作はまさにそのルーツをたどるロマンなのかもしれません、ただ内容はドキュメンタリーなので至極地味ですから、NHKの特番を観る程度の感覚でトライされたらよいでしょう。
全3件を表示