スギメ

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2023年5月3日日本列島に人類はどのように渡ってきたのか…3万年前の祖先の航海を徹底再現したドキュメント「スギメ」与那国島で上映
2022年4月3日 国立科学博物館と国立台湾史前文化博物館が取り組んだ国際共同研究「3万年前の航海・徹底再現プロジェクト」の6年に渡る膨大な映像の記録をもとにしたドキュメンタリー。自然科学の専門家たち、それに冒険家たち。まずは推測をもとに草舟作りから始まったが、黒潮という難関に阻まれる・・・
次は台湾に渡ったスタッフたちが竹舟を作るプロジェクト。しかし竹の舟でも黒潮を乗り切ることは出来なかった。そこで縄文時代に存在した丸木舟に注目するが、3万年前にそんな技術があったのだろうか?大陸と陸続きではなかったのか?などと、試行錯誤を繰り返し、能登町の杉の木を用い、旧石器で加工することができるのかという前代未聞の実験&冒険。
初めて日本にやってきた人類を探るという決定的な解決にはならないけど、琉球列島で発見された3万年前の痕跡。探求心と冒険心が一つの可能性を示してくれた。
大昔は日本列島も陸続きだったと思い込んでいただけに、なるほど~と勉強になった。まぁ、朝鮮半島から来るほうが近いんだろうけど、琉球に残る人骨の存在は否めない。これだけ苦労するんだから、大半の日本人のルーツは朝鮮半島からなんだろうと、こちらの検証もやってもらいたいものだ。
20万年前にアフリカで誕生した人類が6万年前に世界に拡散したグレートジャーニー、日本人のルーツは北方、大陸、南方から渡来とされているが本作は南方、琉球列島の島々から約3万年前の人骨が相次いで発見されたことから人類学者の海部陽介博士が海洋渡来説を唱え、古代人は如何にして海を越えたのかに惹かれ壮大な再現プロジェクトを立ち上げた、資金は主に募金により製作は国立科学博物館が行った。
タイトルのスギメとは実験に登場する船の名で杉の女神の略でスギメと名付けられたことによる。
実験は主に台湾から与那国島への225kmの手漕ぎ船での航海、行く手を阻むのは流れの速い黒潮、再現実験だから使えるのは古代の石器や天然材料のみ、幾度かの失敗を経て6年目、いよいよスギメが海に漕ぎ出された・・。
観ての感想は、そもそも3万年前の地形、潮流、気候はもとより人類の能力がよく分からないから実験の設定、妥当性については半信半疑、前置きとして各方面の専門家によるガイダンスが欲しかった。
個人的には29,000年前に起きた姶良カルデラ噴火や7300年前の鬼界カルデラ噴火で大きな気候変動が日本を襲い、糧を求めた海洋渡来人の末裔が海を渡り、インカに移住したという珍説の方が興味深いです。黒潮を克服した海洋民族の末裔が太平洋をも超えてしまったと考えると本作はまさにそのルーツをたどるロマンなのかもしれません、ただ内容はドキュメンタリーなので至極地味ですから、NHKの特番を観る程度の感覚でトライされたらよいでしょう。