モガディシュ 脱出までの14日間のレビュー・感想・評価
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この夏前半のイチオシ ! 絶対ソンさせまへん !!
国際都市ベルリンを舞台に各国のスパイが入り乱れる『ベルリンファイル』において、まばたきすら許されぬ、スリリングな「人間ドラマ」を描いてみせたリュ・スンワン監督。彼の最新作と聞きつけて足を運んだ本作ですが、『ベルリン…』をも凌ぐ国際的スケールのデカさ、実話ベースのリアルな創り込み、そして驚愕のストーリー展開によって、事前の期待値を、はるかに高く、大きく超えてきました!
本作については、既にあちこちで「『アルゴ』に始まり、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』で終わる」と指摘されており、確かにそのとおりなのですが、前述の2作と明らかに異なるのが、ヒーローらしからぬ主人公たちです。強引に例えると、彼らの佇まいは、私たちの日常生活において、通勤途上の駅ホームに、オフィスに、駅前コンビニに見られるおじさん、女性、若者、子どもたちのそれなのです。決してベン・アフレックやトム・ハーディ、シャーリーズ・セロンではない。そんな、ヒーロー然としていない彼ら/彼女らの“リアル”が、ときに映画的な「やり過ぎ」描写を中和し、怒涛のクライマックスへと向かう推進力になっていました。
ラストシーンの後味は、ふと『アラビアのロレンス』さえ思い起こさせ、、、と言ったら褒めすぎか。ともあれ、7月必見の1本なのは間違いないでしょう。劇場の大きなスクリーンでご覧になることを、強くお薦めします。
タイトルなし
熱を以て暑を制す。
衝撃的な韓国映画
韓国映画スゴい
民族性や歴史をもっと理解してからが…
「昨年7月韓国公開」
モガディシュの再現度と黒人俳優の存在感に韓国映画の力量を感じる
南北分断という政治状況をベースにした一級の娯楽作品であるが、よくぞ「ソマリア内戦」というネタを見つけてきたものだと、その企画力と取材力に感心させられる。また、現地でロケをしたかのように感じられるモガディシュの街並みの再現度の高さと、内戦の描写の臨場感にも目を見張らされる。
そして、極めつけは、現地の大人や子供を演じる黒人俳優の演技のリアルさ!日本映画では一番違和感を覚えてしまいそうな部分を、易々とクリアしている韓国映画の力量を、改めて感じてしまった。
終盤のカーアクションは、この映画のクライマックスであるが、その前の、自家用車に応急の防弾措置を施す場面も画期的で、緊迫感を盛り上げていた。そして、銃撃が発生してからの迫力あるカメラワークと手に汗握るアクションは、まさに見せ場の連続となっている。ただ、あれだけの銃弾を、あれだけの措置で防ぎきれるとは到底思えず、その結末には不自然さを感じてしまった。アクションを盛り上げるのはいいとして、さすがに、一人や二人は銃創を負うぐらいのリアリティーがあってもよかったのではないか?
それに続く空港での別れのシーンが切ない余韻を残すだけに、クライマックスでの「やり過ぎ感」がやや残念だった。
裏切りと殺戮が跋扈する地獄のソマリア内戦下に於いても南北朝鮮対立は揺るぎ無し! 果たして祖国の地を踏めるのか・・・
国連加盟を目指して韓国、北朝鮮がそれぞれ多数の投票権を持つアフリカ諸国へのロビー活動に励んでいた1990年、その相手先の一国であるソマリアで燻っていた内戦の火の手が上がり、両国の外交官とその家族たちが政府軍VS反乱軍の巻き添えや処刑の恐怖におびえながら国外脱出を目指すパニックムービー。
監督は『ベルリンファイル』や『ベテラン』等のアクション映画で知られるリュ=スンワン。
まずもって、それぞれの本国政府との通信が途絶した極限状況においてもお互いがお互いを亡命させようとする権謀術数・疑心暗鬼の仲に在り、個人レベルにおいても政治抜きには両国の関係が存立し得ない厳然たる事実に眩暈がします。
その一方で脱出劇はヒリヒリハラハラで、珠玉はクライマックスの白昼堂々のカーチェイス。完全非武装の逃げる主人公サイドに対して負う反政府軍側は車載の重機関銃等の完全武装、という絶望的且つ一方的な力の差で、それがゆえに超大作『ワイルドスピード』シリーズと比べてのそのスリルのほどは勝るとも劣りません!!
ハラハラドキドキ、北と南の複雑な関係
エゴマとマッドマックス
治外法権
『ブラックホーク・ダウン』(2001)でもお馴染みのソマリア・モガディシュ。泥沼化した内戦の始まりの頃を描いた作品でもあり、治外法権も奪い去られたかのような各国大使館の奮闘ぶりがよくわかる。国連加盟のために奔走していた韓国と北朝鮮の大使たちも何とか脱出しようとするも、なかなか上手くいかない。やがて立てこもっていた韓国大使館に「人道的に」という言葉で北朝鮮が救いを求めてきた。ちなみに1991年に韓国、北朝鮮とも国連に加盟。
反乱軍に武器供与した疑惑が持たれていた北朝鮮。遠い地アフリカでもいがみ合いは続いていたのだが、とにかく両国が救難機を出してくれるというイタリア大使館に向かうストーリー。
中でもパスポートと一緒に「転向書」も偽造するシーンが秀逸。言ってみれば脱北宣誓書のようなものか?あくまでも国に忠誠を尽くす北朝鮮の大使たちが頑固者だったわけだ。
さらにクライマックスとなる4台の車による移動アクションが印象に残る。不要なハードカバーの書籍を車に貼り付け、銃弾を避けようとするユニークな作戦のですが、ひょんなことでことで政府軍による銃撃に遭ってしまう。道に転がる死体を避けながらのカーアクションはまるでゾンビ映画のそれみたい。そして、車外からの銃撃、窓ガラスが割れる、そして車内の映像といったシークエンス。どうやって撮ったの?と不思議な気持ちになるのですが、その後も車内人物をあちこち撮っていることにビックリ。まぁ、CGによる連結なんだろうけど、00年代の特殊映像には目を見張るものがありますね。
この映画でも軍隊による民間人への攻撃という恐怖が描かれてました。むしろ反政府ゲリラの方が民間人を標的にしていない。ただ、ゲリラ側は子供にも銃を持たせるという恐ろしさ。南北朝鮮は世代も移り変わったのだから、なんとか仲良くしてほしいと願うばかり。
胸アツ
南北の協力こそ本来あるべき姿
胸熱
色々なメッーセージが。
「トンマッコルへようこそ」を超えるかもしれない。トンマッコルがおとぎ話だとするとこちらはやはり実話ベースの話で皮肉や人間の愚かさが出ている大人向けと言える。まずシナリオが素晴らしい、嫌味のように南北の話ではなく同じ朝鮮人としてどう乗り切るかの話をしているが、その奥には人間としてどう判断するかが描かれている。多く子供のカットやシーンが多いのも人間を描こうとしているからだと思う。食事のシーンも毒見の話があり、えごまの漬物のシーンが次にきているのも良い。食の前には人間平等でなければならないし、食を得るために助け合わねばならない。内戦のシーンをかなりリアルで話に引き込まれる。ラストのカーチェイスも映画のクライマックスとしてはかなり良い。退屈になる前にど派手なカーアクションで観客を逃さない。
説教のようなシーンばかりでも飽きるし、アクションだけでも萎えるし、絶妙なシーンの羅列で傑作。
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