モガディシュ 脱出までの14日間のレビュー・感想・評価
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言うは易し、行うは難し
「1990年代初頭、国連加盟を目論みアフリカのソマリアでロビー活動に勤しむ南北の大使たちがクーデターに巻き込まれ、力を合わせて脱出するお話しを映像化したい」
普通は、このような企画を立ち上げようとしても、まずは却下。せいぜい、小説やマンガで実現させるのが関の山でしょう。
が然し、韓国映画は違います。モノの見事に実写化させます。それも大規模なロケーション、現地(モロッコ?)のアクターや、映像スタッフ達と連携を取って。
しかも、度肝を抜くような政治的サスペンスアクションに仕上がっています。こんな映像体験が出来るのだから、韓国映画から目が離せません。
一体、どうやって撮影したのか???の連続が続きます。VFXを効果的に多用して、説得力のある映像を創り上げているのでしょうが、素晴らしかったです。特別音響上映で観ましたが、それも相まって只々、圧倒されっ放しでした。
反乱軍や政府軍のカラシニコフがライフル弾の雨あられを撒き散らす中、脱出を試みる為にベンツを使用します。勿論、防弾装備等無い普通車です。(どうするのだろう?)すると、北の大使から驚くべき提言が……!!
もう、嘘でも何でもツッコミ入れる余地もなく、ぽか~んと口が半開き状態になりました!
兎に角、凄いものを観てしまったのですが、南北融和をテーマに据えている為に、創り手達がナーバスになったのだろうと推察しますが、ヒューマンドラマ的なエッセンスがやや、不足気味。
が然し、そんなマイナスポイントを補って余りある超一級のアクションサスペンス映画でした。絶品。
この映画の面白いところは、ソマリア内戦に巻き込まれた韓国と北朝鮮の大使館員たち、北と南の対立の感情を捨てて、協力し合うというところ
7月1日に公開される韓国映画「モガディシュ 脱出までの14日間」は、2021年度の同国の興行収入1位を記録した作品です。内戦下のソマリアを舞台に、大使館員の脱出劇を描いたアクション大作で、リュ・スンワン監督は「韓国の観客がたくさんの応援を送ってくれた結果です」とインタビューで語っていました。
首都圏以外の地方にも新型コロナウイルスの感染が拡大。1日の感染者が1000人以上に達し、過去最多を更新する日が増えていた。「そんな時に新作を映画館にかけるなんて、正気の沙汰ではない」という声もあったそうですが、「今誰かが率先して新作を公開しないと、映画館がつぶれてしまう、映画産業が崩壊してしまう」と、公開を決定。最終的に興行収入30億円を突破したのです。「私の勇気を、大勢の人が支持してくれました」この監督の男気を先ずは評価したいと思います。
この映画の面白いところは、ソマリア内戦に巻き込まれた韓国と北朝鮮の大使館員たち、北と南の対立の感情を捨てて、協力し合うというあり得ないと思う話なんですが、実は実話に基づいているというところの意外性です。
そして後半からの命懸けの脱出シーンの大迫力です。反政府軍からも、政府軍からも敵だと見なされ、激しい銃弾の雨あられをかいくぐるシーンは、手に汗を握る大迫力でした。そして脱出の窓口となってくれたイタリア大使館は、韓国のコネで何とか潜り込めることになりましたが、その時北朝鮮の大使館は方便で韓国に転向したことにしたのでした。なので、無事イタリア大使館に着いても、嘘がばれると強制退去となるかもしれません。最後までどうなるか全く予測不明でストーリーがグイグイ進んでいくところが本作の魅力です。
物語は1990年、ソマリアの首都モガディシュ。韓国の駐ソマリア大使ハンは国連への加盟を目指す韓国政府の命を受けて、多数の投票権を持つアフリカ諸国へのロビー活動に励んでいました。だが時を同じくして、北朝鮮の駐ソマリア大使リムも国連加盟を目指す政府のためにアフリカ諸国へのロビー活動に奔走しており、両国間の妨害工作や情報操作はエスカレートしていくのです。
そんなある日、現政権に不満を持つ反乱軍による内戦が勃発。たちまちモガディシュの街は大混乱に陥り、各国の大使館は略奪や焼き討ちにあい、ついにリムは暴徒の襲撃を受けて追い出されてしまうことに。
その時リムが思いついたのは、韓国大使館に助けを求めるという禁じ手でだったのです。
本作のヒットには、当時の世界情勢も影響したようです。
映画は、韓国、北朝鮮の大使館員らが協力して、ソマリアの首都から脱出した1991年の実話を基にしている。一方、公開直後の21年8月下旬、韓国政府は、米軍の撤収で情勢が悪化するアフガニスタンからの避難民を受け入れました。彼らは韓国大使館などで働いてた人々でした。「アフガンからの避難作戦と30年前の脱出劇が重なるところがあり、映画に関心を寄せる人も多かった」とリュ監督は語ります。
もちろん、今年のアカデミー賞の国際長編映画賞部門の韓国代表に選ばれるなど、映 画の内容も充実していました。特に、モロッコでのロケ撮影が素晴らしい効果を上げていると思います。「映画を作るのに一番理想的なのは、実際に事件が起きた空間で撮影すること。ソマリアには渡航できませんでしたが、街並みが似ているモロッコの海辺の町で撮影することになりました。モロッコで、ハリウッド映画の撮影にかかわったことがある、有能な現地スタッフの協力も大きかったようです。その結果反乱軍の兵士や避難民など、大勢のエキストラが登場し、迫力満点の演技をみせてくれています。
リュ監督は、端役まで含めて、数百人いたエキストラを一人一人キャスティングしたそうです。撮影には半年かかったそうですが、数百人ものエキストラ一人ひとりに演技を付けて、迫力ある脱出シーンの描いたことは、助監督を始めとするスタッフが大変な努力だったことでしょう。
仕事に手を抜かない映画人の奮闘が、韓国映画の勢いを支え続けていると思います。その充実ぶりはうらやましいほどですが、「日本映画も個性的な映画が作られていますよね。『カメラを止めるな!』は感動を伝えてくれたし、濱口竜介監督の映画もあります。日本、韓国両国の映画が相互作用し、』健全な影響を与え合って、成長していくといいと思っています」とリュ監督は語ってくれたようです。
韓国と北朝鮮の人々が織りなす緊迫した人間ドラマと、凄まじいスペクタクルが見事に融合した一作
国家間関係としては依然として緊張関係にある韓国と北朝鮮ですが、両国の国民が理解し合える機会は果たして訪れるのか、というテーマは、これまでも多くの作品で描かれてきました。大ヒットしたドラマ『愛の不時着』はその代表作の一つですが、近年では『工作 黒金星と呼ばれた男』(2018)などの傑作も制作されています。本作もまた、韓国と北朝鮮の問題を扱った映画としては今後間違いなく作品名が上がるであろう傑作となっています。
互いに弱さと猜疑心を抱えた両国の大使館職員(とその家族)が、対立感情を乗り越えて難局に打ち克とうと奮闘する描写は、しばしば予想通りの部分を含んでもいましたが、彼らを取り巻く状況の緊迫感が余りにも高いため、むしろこうしたお約束展開が一服の清涼剤になっています。緊迫感の緩急の付け方が絶妙で、リュ・スンワン監督の演出力が冴え渡っています。
後半には果たしてどうやって撮影したのかと仰天するような映像も含んでいて、本作が堅い政治ドラマではないかと懸念している人でも、決して退屈させない、娯楽作品としても超一級の仕上がりとなっています。裏返せば重厚な人間関係を期待して、動きのあるアクションが苦手な人にとってはちょっと意外な内容かも知れません。
主人公達が巻き込まれたソマリア内戦の混乱状況は、『ブラックホーク・ダウン』(2001)でも描かれていましたが、そこではソマリアの人々(民兵を含む)がゾンビのような扱いを受けていました。一方本作では、何人かの登場人物に絞られてはいるものの、ちゃんと生活背景のある人々として描いているところも良かったです。韓国・北朝鮮問題やソマリア内戦について知識がなくても楽しめる作品となっていますが、それらについて少し事情を予習しておくと、さらに本作を楽しめること間違いなしです。
ひとことReview!
緊張感とカー・アクションのシーンが半端じゃない。韓国からまたしても神作が登場。人口とGDPが日本の半分以下なのに、なぜ日本映画を越えるくらいのクオリティに仕上がるのか。疑わしい所はあるのだが、邦画界は「忖度」をブッタ斬り、韓国映画を凌駕するような映画作りをしなければ、世界から取り残される。
シリアスなソマリア紛争をハリウッド的作品╋韓国風で味付け
新感線以来の韓国映画館でした(netでは見てます)。ソマリア紛争はニュースなどで当時知っていましたがこの事件は報道されたのかどうか知りませんでした。この作品は従来からの韓国お得意の北朝鮮との狭間に起きた事件事故に、人間ドラマを加えた展開に、ソマリア紛争(時事)を入れたハリウッド映画のようなワールドワイドなスペクタル作品になりました。見所は、双方の大使館員内部の家族と外部との連絡不通時の行動(大使館員内の情報員との対処方の違い、国の方針と双方国の不信感、双方の家族の人間ドラマ)╋ソマリア紛争激化でのゲリラ戦場内からの生存をかけた刻々と迫りくる限られた時間に、現地体制側反体制側、信頼できない現地警察、各国大使館の閉鎖状況での内での脱出・・・。つい最近日本でも報道があった日本人のアフガニスタンの脱出遅れ。日本政府も自衛隊も、時すでに遅しで、自衛隊機に一人の日本人しか救出できなかった事件、思い起こしました。
韓国映画、物量(エキストラ、弾薬、装甲車、)などの制作資金がCG(人、爆発)の多くなったハリウッド映画と違い、かなりのものです。
このジャンルでは、素晴らしい作品創りますね。
★Digital5.1観賞
★音圧 ◎
★重低音 ◎
★分離度 ◎
★移動音 ◎
★サラウンド ◎
エンドロールによると、Dolby-atoms、IMAX、記載。
韓国映画は音声分野は日本映画より最新の物を取り入れたり、4DX,SCREEN-Xなど開発している会社として発展が、残念ながら日本国内ではそれらで公開されていないようです。この作品Digital5.1chながら、ハリウッド互角の音作り表現に、ドラマ部門も仕上がっていました。
敵も味方もない国で敵国同士が味方になる話
1990年、韓国と北朝鮮は国連加盟を目指し、アフリカ諸国との外交を競っていた。
そんな中、ソマリアで政府に不満を持つ国民によって内戦が勃発。
ソマリア政府と親密だった各国の大使館は次々と反乱軍に狙われる。
そして、韓国と北朝鮮の大使館も狙われることとなり、互いに協力せざるを得なくなるのだが…
韓国と北朝鮮。
決して交わってはいけないこの2つの国が国境を超えて繋がった実話は幾つもある。
そして、それらは映画化されて名作となってきた。
本作も実話が元となっており、間違いなく名作だ。
この両国の物語がソマリアという遠く離れたアフリカの地で繰り広げられているというのもなかなか興味深い。
遠い異国の話のように思うが、ソマリアの人々の中にアジアや欧米の大使がいることで他人事として割り切れないような生々しさがある。
この映画が韓国映画だったからこそ、より身近に感じることが出来たのだと思う。
映画の前半は両者の対立、後半は両者の絆が描かれる。
はじめは妨害工作によって完全に敵対している韓国と北朝鮮だが、内戦という異例の事態に両国が手を取り合う異例の事態が起きる。
そして、やはり1番の見どころは物語のクライマックスとなる脱出シーンの緊迫感とその後の悲壮感。
脱出の行方はネタバレになるので記述を控えるが、あのカーアクションはハリウッドレベル。
敵も味方もない地獄を抜け出す緊迫感と決して交わってはいけない関係だからこその切ない運命を是非多くの人に観てもらいたい。
興奮と感動が同時に押し寄せる、ドラマ的にもアクション的にもここまで完成された作品はかなり久しぶりに感じた。
最後に一番印象的だったシーン。
ソマリアの子供たちが、怯える北朝鮮の同い年くらいの子供たちに銃を向けて大笑いしているシーン。
勿論、子供だけではなく北朝鮮大使の家族たち全員に向けていたわけだが、全く同じ人間同じ年齢の子供なのにこうまでして違う存在になり得るのかと色々考えさせられた衝撃的なシーンだった。
〈余談〉
最近の鑑賞映画の制作国が、
↓
🇯🇵→🇯🇵→🇯🇵→🇯🇵→🇰🇷→🇯🇵→🇯🇵→🇯🇵→🇹🇼→🇹🇭(🇰🇷)→🇰🇷
と、完全にアジア周回ルートだったが、またもや韓国映画を観てしまった…
いい加減アジアから“脱出”したいので、次はバズ・ライトイヤー辺りで宇宙進出を図るつもりだけど、行けるかな…
ソマリアでの4~5日間。
くらいにしか見えませんでしたけどw
脱出までの14日間?14?
イヤー、デモから内戦勃発して脱出まで。4日間くらいにしか見えへんかったw
分断された南北朝鮮の間に架かる、ひと時の架け橋、的な映画と言えば「黒金星」が記憶に残ってます。南北モノはヒットするってのは、統一への願望なのか、心理的な対立が続いている事の象徴なのか、良く分かりませんが、物語り的には盛り上がるモンがあることは確かです。
なんとか辿り着いたケニアの空港には、各々の迎えの制服組の集団。北朝鮮、国交ないんじゃなかったっけ...って言うツッコミは無しにして。
振り返る事なく、互いを一顧だにせず、各々の場所へ帰って行く人々。
平壌に子供1人を人質に取られてると言う、大使館員。
あー、北朝鮮の場合、帰ってからの方が怖かったりして....
韓国大使館からイタリア大使館までの移動、イタリア大使館前でのにらみ合い等々は、派手派手演出で韓国映画らしさ爆発。は良いとしても、ちょっとやり過ぎ感があり、手に汗握るエンタメ作品、になってしまってる様に見えてしまいました。と言うか、そう言う狙いなんでしょうけど。
ちなみに、AK-47は北朝鮮でも韓国でも製造されていました。北朝鮮はAK47派生のAK74も製造しています。ついでに更に言うと、オウム真理教は、このAK74を密造しており、その全てが没収された保証は無い、って噂されてます。もっともっと言うと、ソマリアは、今、中東・アフリカに武器を運び込む中継地と見られており、昨年は立て続けに武器満載の不審船が摘発されています。どこから来る船なのか、どこから運び込まれる武器なのかについての報道はありませんし、船舶の多くは武器没収後に解放されてしまいます。船ですからねぇ....ロシアは、わざわざそんなことしないよねぇ....C国か、NKか、だろうねぇ。って、みんな思ってます。
さてさて、38度線上の所謂「板門店」には韓国軍を中心とした国連軍が駐留しています。wikiによると「国連軍と北朝鮮軍の停戦協定にもとづく」となってますが、停戦協定に韓国は参加していないため、北朝鮮と韓国の二国間関係は「戦争中」。韓国は国連軍の停戦協定に「タダ乗り」している状態。これが北朝鮮側からみれば腹立たしい訳です。
と言う状況にも関らず、板門店の観光訪問は、北朝鮮側からも韓国側からも可能らしく。停戦にはタダ乗りしながら、観光地にして金儲けはする韓国。負けじと外国人観光客ツアーに板門店を組み入れる北朝鮮。たいした根性だよ、全くw
今月4日、ナンシー・ぺロス米下院議長が板門店を視察。韓国大統領は「休暇中」を理由にロペスとの直接面談をせず。またまた、新大統領もハッキリしない方みたいですね。南北統一も関係改善の進展も、この大統領の間は期待できそうにないなぁ、って思いました。
その日は突然に
日常が壊されていくのは突然だし立場の違いというだけであっけなく殺されていく命と助けられる命があるということを突きつけてくる作品だった。
カーアクションについては、普通の公務員がここまでやれるのかという思いが付き纏いましたが(^◇^;)
生々しい記憶が生み出す緊迫感
極限状態での国外脱出+南北協力もの。
映画全体を象徴するような南北合同の食事シーン(エゴマの協力!)は見事。本(知)によって守られた車でのカーチェイスというのもまたシンボリックだった。
現地政府による反政府デモへの暴力に、韓国での学生運動・市民運動への弾圧を重ね合わせてるのも印象的だった。作り手側に残る87年の運動や光州事件の記憶の生々しさが、内戦シーンの緊迫感を生み出しているのかもしれない。
(空襲の記憶が生々しい頃に作られた、ゴジラの1作目のパニックシーンの緊迫感みたいな感じで。)
(原題) 모가디슈
韓国と北朝鮮、内戦が勃発したソマリアのでの極限の中で協力してソマリアの都市モガディシュから脱出するという、実話に基づいた映画。
韓国と北朝鮮が協力していく姿や表向きにはできないがお互いを思い遣っている様は見ていてグッと来るものがありました。
日本よりも映画先進国の韓国グット映画
どうも中学生です
結論から言うと韓国映画としてそして日本映画と比べたら⭐️5
なぜなら
普通韓国映画は予告編と初めは、いいのに終わりは簡単に終わらせる映画が多いですがこの映画は終わりもリアルで内容がきちんとしてます。
そしてこの映画では音にも力入れています右左前全ての音で包囲されていてリアル感が増しますそして音質も良かったです。そしてびっくりエンドロールにはimax ドロビーアトモスの文字がですから音に力を入れていることがよくわかります。ですが残念ながらimax Dtsx 海外ではどうなのか分かりませんが、少なくとも日本では公開していないようです。
日本と比べたら韓国の方がリアル 物語 期待感 音 が上にいっている。
今日私は初めて韓国映画グット映画だと思いました。
ではまた
おまけ
音⭐️4
内容⭐️3.5
レベルおすすめ
内容⭐️4 音⭐️5
これ見ると日本映画は、
エンターテイメント
日本映画だともっと重く作っていたであろうテーマを、全編コメディ展開を交えながらも徹底的にエンターテイメントにしたところが素晴らしい
北朝鮮と韓国というイデオロギーが反するルーツを同じくする両者が、色々ありながらも迎える最後はいつも胸熱!!
家族みんなで楽しめる
韓国映画は面白いけど学生には刺激強めなのも多い中、これは良かった。過去にほんとにあったなんて驚き。最後までダレずに楽しめました。ベイビーブローカーも見ましたが断然こちらが面白かった。万人受けタイプのストーリーなので韓国映画に馴染みのない友達にも勧めてます。
ギリギリ攻防戦
公開してからかなりの時間が経過しており、スルーするかなと思っていましたが、奇跡的に上映時間がハマり鑑賞。
とても面白かったです。後半の怒涛のカーアクションもとい脱出劇はさすが韓国映画というクオリティでした。本やドアや砂袋を貼り付けた簡易武装車で街中を駆け抜け、その武装が守ってくれる時もあれば、時にして凶器と化すギリギリの状態でぶっ通しのカーアクションは見応え抜群です。とにかく銃声が鳴り止まず、後半には火炎瓶なんかも参戦して車は火だるまになったりしてとにかく映像的には楽しいんですが、もう大惨事としか言いようのない映像になっていました。
前半は韓国と北朝鮮の大使同士の歪み合いがメインで、この国同士も仲悪いなーと今とあまり変わらない様子も現実を元にしているだけあります。韓国側は綺麗に描いてはいるなと思いましたが、まぁそこは自国の映画なのでご愛嬌。このドラマパートが長い時間占めるので、少し退屈には思えましたが、両国の関係性を描くには必要な時間だったなと今は解釈しています。
金かかってたら良い映画は作れると言いますが、最終的には役者の熱演と、監督や制作チームの手腕にかかっているなと思いました。韓国映画お見事です。
鑑賞日 7/26
鑑賞時間 10:40〜12:50
座席 I-13
ソマリア内戦の恐怖
こわー。舞台の1990年、自分は17歳と高校生。充分分別がわかる年なのに、当時、ソマリア内戦の事は殆ど知らなかった。よくぞ、韓国映画がこのテーマを取り上げ、映像化したものだと感心。少年兵こわー。リドスコの「ブラックホーク・ダウン」をもう一度、観たくなった。
トップの言動
評判を聞きつけ、公開4週目でようやくの鑑賞となった本作ですが、結論から言えば見応え十分な良作で、緊迫感と迫力をより感じるためにも劇場鑑賞の意味が大きな作品だと思います。
「事実を基に作られた」この作品は、あることをきっかけに反乱軍に一般市民が同調し、数日の間に一気に戦場と化した首都モガディシュにおける外国人の脱出劇であり、シーンとしては目を覆いたくなるような場面も少なくありません。
しかし、これをいい意味で見事にエンターテインメントな作品に仕上げているところは、流石リュ・スンワン監督の手腕だと感じます。
国際情勢の中で主導権をとるため、しのぎを削る南北両国の駆け引きが活発化している最中、内戦化のソマリアにおいてまさに「同族であるにかかわらず敵」である両国が、不信感と戸惑いの中で「生存」という目的のために協力し合い「ソマリアからの脱出」を図る展開、特に後半の車での脱出シーンは「手に汗握る」という言葉が単なる表現でないくらい興奮します。
またこういう状況で重要なこととして、自ら判断を下し、部下を言い聞かせ、さらに先頭に立って実現に向かおうとする「トップの言動」に、その存在意義を大きく感じます。
そしてまた、生死を分ける状況を共にした両国大使、職員、外交官とその家族一同も結局はまた、「対立と分断」の現実に帰っていかざるを得ないやるせなさが心に沁みます。
最後のシーンからエンドクレジットへの入り方も好みです。
まさに炎のデスロード
いやすんごい社会派エンターテイメントでした。韓国映画には南北問題というジャンルがあると言っても過言ではない中、恋愛もアクションもコメディもアグレッシブに取り込む中でこちらは国際政治を背景に政治秘話としての大脱出劇を展開。まあメジャー映画はとっくの昔に日本映画を抜き去っているのは百も承知のうえ、ここまでやれちちゃうのはすごい。おそらく大量のCGを入れてるのだと思うけど、圧倒的物量のエキストラと弾丸と80年代末のソマリアの再現、そして、クライマックスのチェイスはまさに炎のデスロード。4台の車の脱出を弾丸数珠繋ぎで抜けてく余裕。あと音響と音楽も先端をいっている。
これは志の問題だろうね。東宝松竹東映あたりでは永遠に作れない。作れる製作陣と観る観客がいないと成立しない。メジャーはどうせアニメとシリーズデート映画で儲けてるのだから8本に1本くらいは威信をかけてこのくらいのものを狙って欲しい。
ソマリア政府を相手に睨み合う北と南。突如起こる反乱軍のクーデター。協力し合う南北の大使館員たち。
いいプロットだ。
社会派で、ハードアクションなのに人情もの!
お国柄か、見るたびに「熱いな」と感じていた韓国映画の「熱さ」が
アフリカという舞台においては丁度で違和感なし。
しかも内戦を舞台に、混乱からの脱出を描いた
「ブラックホークダウン」さながらのハードアクションかつ
仇同士であるはずの北朝鮮と韓国大使館員らが協力、
共に現地を脱出する人情劇であり、社会派という、
欲張ったジャンル構成に驚く。
それこそ韓国だから可能なオリジナルブレンドだとしか思えず、
あんばいには近年めざましい韓国映画の勢いをまざまざと見せつけられたような気分だった。
それでいてちょくちょく笑えるところもあり、
とにかくラストが切ない。
期待していたが、期待以上でまさにグッジョブの良作だった。
また、格別に二枚目、美女、というわけでもない、
どこかにいそうな、しかしながら演技力確かな俳優陣の存在感もいい。
(見てきた韓国映画は「家族」がよく登場する。そのありふれたモブ感がいつも絶妙だなぁと思う)
果たして日本映画で他国の紛争など舞台に
物語を展開できるだけの胆力があるのか。
内戦の迫力や、物語のスケール感に差をあけられたなぁと思いつつも
拍手を送りたい上映終了直後だった。
亀は転回、人は転向、SAVE THE 亀の法則
ただただ圧倒された。
圧倒的なスケールの中に、
細かなウィットにあふれたアイデアがたくさんあった。
なかでも、
重い北と南の関係を、
軽くユーモラスに描いたシークエンス。
冒頭で、
時間経過を表現した数本の吸い殻、それに向かう亀をくるりと転回させる。
(さらりと人物のキャラも売っておく。)
後半、北の人たちを救出する為に転向(形だけ)させる。
主義や思想、北や南、右と左のような、
重い表現ではなく、
人として人に気持ちを寄せて行動した事、
ただ救いたい、を象徴的に描く。
あ、亀も。
お箸使用民族にはよくわかる、
南北を越えた気遣いもあった。
どんな題材でもユーモア、
ウィットを入れてくる。
難しい事を解体して簡単にする、
解体されたものに、ペーソスを散りばめて、
おもしろくする、
おもしろくしたものを、
観客の胸に深く突き刺してくる、
さすがに今回のような実話を題材にするならどうなんだろうと思ったがいつものリュ・スンワンだった。
広大なアフリカの大陸でも、
悲惨な戦火の中でも、
ワイルド・ギース風に逃げる事もなく、
圧倒的に楽しませてくれたリュ・スンワン。
そういえば、パートナーの、
ファン・ジョンミンが誘拐されたんだってリュ・スンワン。
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