エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスのレビュー・感想・評価
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まあまあだった
そもそも争いが起こる必要がないところで起こっており、敵が憎むべき相手でもない。なので戦っていても感情が揺さぶらない。芯をくっていない感じがずっとする。
娘のジョイが同性愛で、それをおじいちゃんにちゃんと言わないことで関係が悪くなるのだけど、あんな老人に言ったところでこじれるだけなので言わない方がいい。自分がもし性的マイノリティだとしても、みんなに認めてもらいたいとは思わない。声高に伝えたいとも思わない。
つぶれそうなコインランドリーと言うが、繁盛しているように見える。カラオケマシンを経費に入れるのが間違いだ。
マルチバースからスキルをもらうと言うがカンフー以上のものはなくて、ジャンプする必要を感じない。
画面は充実していて退屈はしなかったが、終始モヤモヤして気持ちが悪い。
エンタメ全部盛りのカオス映画
アカデミー賞最多ノミネートに興味を持ち鑑賞
感想
既存のコンテンツやオマージュを全てぶち込んで、文字通りの意味で一つにまとめあげた快作。今作一本で3,4本映画を観た程の満足度が得られた。一方で、マルチバースの画面切り替えの速さに置いていかれる部分もあった。
・物語構成
物語自体はマルチバースの破壊を目論むαバースの娘との対決というシンプルな物語でありながら、バースジャンプをする度に人格、分岐が増えて物語が別バースと行き来するので、理解しづらいと感じる部分はあった。しかし、ジャンプ先での悲しき運命、別バースへの羨み、最後の方が親子愛である事など共感しやすい要素も多々あり率直に楽しかった。
・脅威のマルチバース表現
マルチバースへの移動による画質、画角、見た目の変化の連続表現は初めて観た表現方法で新鮮さ感じた。一本で、レミーのおいしいレストランといった馴染み深いアイデアも取り入れられており、その点で見易いと感じた。
バースジャンプした人間達のジャンプ前とのギャップがとても面白かった。奇怪な行動をして、ジャンプ先を伸ばすと言うアイデアも妙案で、馬鹿らしさと説得力の両方を兼ね備えた楽しいアイデアだと感じた。
・アクション
エヴリンがジャンプをして発動するカンフーアクションがとにかく爽快でカッコよかった。カンフーアクション鉄板の構えからの一撃倒し、板回しなどカンフーアクションも十分に堪能できた。
・演技
ジャンプ前と後の演技が全くの別人で、俳優陣の演技力には終始圧倒された。
・格差表現
人種、言語、同性愛、格差社会など現代の社会問題を自然に取り入れた脚本の自然さには脱帽。
総評
率直に楽しい、予測不要なノンストップカオスファミリーアクションムービー。未知のマルチバース表現にただただ圧倒され続けた。
ガラスの仮面YEOH
マルチバースは役者にとって、色んな演技が出来る醍醐味
冴えない中年、カンフーマスター、京劇歌手など
【以下ネタバレ!】
<キャスト>
〇ミシェール・ヨー
白髪混じりのおばさん、トップ女優、岩
アクションシーンは流石の一言
随所に感情の機微も織り交ぜ
一番良かったのは、ソーセージマスタードケチャップ
〇キー・ホイ・クァン
あたい、この“若き日の大村崑”みたいな男に惚れちまったよぅ
頼りなくかん高い声でオロオロする奴が、おっさんの必須アイテム・ウエストポーチで大立ち回り
セレブタキシードで煙草片手に愛の痛みを説く
一番良かったのは、腹刺されても「優しくしよう」「争わないで」と訴えたり、自分のせいで何かがどうにかなってると嘆くも妻への愛を伝えるとこ
もっと色んなエイモンドを見たかった
※感動の最たるは、役者人生の紆余曲折を涙まじりに語る受賞の場面やけどね
〇ステファニー・スー
全部可愛かったねー
仏頂面も、サイケな衣装の数々も、チンポカンフーも
〇ジェームズ・ホン
さすがの一言ですわ
近年の“かっこよ老いぼれ”では「Mr.ノーバディ」のクリストファー・ロイドに比肩する
〇ジェイミー・リー・カーティス
ソーセージバースのピアノは泣けた
〇穴兄弟
いやー、良かった!
あのシーンでアカデミーとったら、ほんと奇跡や!
<ストーリー>
観た後、「エブエブ」が色んな賞を取ったやら、感動する背景やら、アジア系の主義主張やLGBTQ思想を事前に知ってしまっていた事に後悔
何も知らないまま、メッセージを感じたかった
前もって知っていたので、どうしても“色んなシーンを何かの何か”に読み解こうとしてしまい🐼「こりゃー、昨今の流れからアカデミーあげないといけんやろうな」と余計な考えが
映画の主題の“親子愛”は、自分が1人には感じる立場でもあり、もう1人には拒絶している背景もあるので手放しに感動出来なかった
生まれた時から鬱積したものは、はたしてあの様に一度のやり取りで霧散するのか...
案外、そんなものなのか...
私は、まだジョイのように受け入れられずにいる
ウエストポーチをウエストに付けるな
序盤、移動しながら、人物も入れ代わり立ち代わりしながら、早口で会話が繰り広げられる。
更にアメリカ在住の中国移民ということで、文化や常識の基点も分からず無駄に疲れた。
ウエストポーチを用いたアクションは面白かったが、相手は職務に殉じているだけの警備員。
まぁここはコメディとして割り切ります。
しかし、肝心の設定がよく飲み込めず。
「最弱だから最強になれる」という、まるでラノベのような設定だが、より遠くに飛ばなくてはならなくなるだけでは。
ダウンロードした能力が切り離される条件も不明。
何より、鍛えてない身体で同様の動きができるなども違和感が強い。
ジョブ•トゥパキと闘ってたかと思えば父親と闘っていたり、そもそも税務局員はじめその他大勢は何故襲ってきたのか。
何故途中でジョイに戻ったのか。
ず〜〜〜っと闘ってるから、途中ウトウトしてしまい、あまり理解できてないかも。
事件の発端は、若いときに大抵の人が通る虚無感による希死念慮でしかなく、マルチバース通してそれか、と。
落とし所も捻りなく『愛』に帰結し、これもマルチバースを経験したからこそ、というものでもない。
映像表現、テーマ、映画的要素などそれぞれ盛り込みすぎで、カオスといえば聞こえはよいがまとまり不足。
この作品に限らず、詰め込むときはバランスを考えてほしい。
初めてだ
初見だと、多少、眠気が有っても寝ないのに、この映画は、あまりにも訳が分からなさ過ぎて、眠気が無かったのに寝てしまった。
初見の時に寝たのは初めてだ。
目当ての映画までの時間潰しに見ただけだから、全く期待して無いのに「カネと時間を返せ」と思ってしまう。
いくら「マルチバース」で、「カンフーの達人な自分」の能力をダウンロードしても、ハード(この場合、自身の肉体)が「修行も訓練も積んで無い主婦」なのに、達人と同じ動きをして肉離れや骨折、脱臼すらしないのは、さすがにおかしいでしょ。
「あの」トロフィーが妙に見覚えのある形だと思ってたけど、形から連想した「ブツ」そのままの使い方をした時には、笑わずにはいられなかった。
「ブツ」を使ってジャンプしても、その「ブツ」を撤去したら弱くなるのはなんなん?
ダウンロード済みなら、「ブツ」が無くても強さは変わらないのでは?
この辺で、ますますワケわからなくなった。
素晴らしき感動のおバカSF映画!
この映画は100人が観て100人が「最高!」というWell-Madeな映画ではありません。
なにせ、死体から出るオナラで命を救うというおバカ映画「スイスアーミンマン」の監督ダニエルズですから。そして制作にマーベル映画のルッソ兄妹という最強タッグです。
この映画にはこれでもかという程のテーマ、おかずが満載です。
・家族愛(夫婦愛、親子愛)
・ADHD(多動症(マルチタスクで脳がパンクする))
・アジア移民、LGBTQ+クィア、人種差別
・カンフーアクション
・映画パロディ
・下品でおバカ
これだけの要素をマルチバースという世界に落とし込みます。
前半は呆れるくらいおバカですが、後半は感動の涙。
普遍的な家族愛がテーマになっていますが、現代社会のSNS論争や、ナショナリズム、人種差別問題などのメタファーにもなっています。
映画を見ながら「わけわからない」からと言って、考えることをやめてしまうと、それで終わりです。
上面上はおバカで下品な映画ですが、とっても私たちが生きる上で大切なことを改めて気づけさせてくれます。
最高におバカで下品、マニアックでオタクでカオスな最高の映画でした!
奇想天外も・マルチバースも・エキサイティングも・おバカも・深いテーマと普遍的な感動も、全て一つ
組合賞など前哨戦の圧勝から見ても、まず本作のオスカー受賞はほぼ間違いない。大本命。
にも関わらず、日本では酷評の嵐。訳が分からない、理解不能、最低最悪、駄作…。
結構楽しみにしてたので何かちょっとガッカリもしたけど、いざ見てみたら、いや普通に面白れー!じゃん。
話や設定だって訳が分からないって事はなく、しっかり分かる。これの何処が訳が分からないの…??
昨今のハリウッド映画の何でもかんでものマルチバースが飽きたから…? マルチバースって言い換えればパラレル・ワールド。日本だったら『ドラえもん』などアニメや漫画でよくある。お馴染みじゃん。
ハリウッドと中国の仲良しこよしがムカつくから…? 本作のアジア人キャストは80年~90年代映画ファンには堪らない。ハリウッドとは縁の無いと思っていた彼らが今こうしてハリウッドを席巻して嬉しい限り!
またまた人種やLGBTなどへのポリコレにうんざりだから…? それらも全く意味ナシの設定ではなく、ちゃんと話や展開上に織り成す。ディズニーの“ポリコレ・ワールド”とは訳が違う。
まあ確かに好き嫌いは分かれるタイプの作品。好きな人はハマり、ダメな人にはとことん何もかもダメ。
だって、スタジオはA24で、監督は異色の作品を発表し続けるコンビ。万人受けする作品じゃないのは見る前から分かる。後は自分がハマれるか、否かだけ。
勿論好みはあるが、ハマれないからと言って最低最悪の駄作ではない。皆大好き『鬼滅の刃』や『SLAM DUNK』が性に合わない人だっている。それら王道が良くて本作のようなブッ飛んだ作品がダメなんて事は絶対にない。
映画のイマジネーションは、それこそマルチバースのように無限大。
だから私はその無限のイマジネーションに唸った。
ブッ飛んでて、奇想天外クレイジーで、メチャクチャヘンテコ。
その中に、ユーモアやエキサイティングさ。おバカやお下品も。
果たしてどう着地するのかと思ったら、まさかまさかの深いテーマや感動的な家族のドラマを魅せてくれる。
見る前は、マルチバース×カンフーのSFアクション・コメディがよくオスカーにノミネートされたなぁ…と思ったが、見て納得。奇想天外に見せて深みのある、本作の本質はここにあり。
とは言え、アカデミー賞も変わったもんだ。一昔前だったら一部門もノミネートすらされていなかっただろう。でも、変わる事はいい事だ。いつまで経っても変わらず、本作のような作品が認められなかったら、アカデミー賞なんてやる意味も必要もない。それこそ日本バカデミーレベル。
もう一度言う。私は面白かった!
話そのものも面白い。
破産寸前のコインランドリーを営む平凡な中年女性。
父は惚け、夫は不甲斐なく、娘は反抗期。国税庁の職員も容赦ない。
もう人生どん底。これが私の人生なの…? 私の人生ってこうなる運命だったの…?
そんな彼女の前に“現れた”のは、マルチバースから来た夫。全宇宙の危機を救う為に力を貸して欲しい。君は“選ばれし者”だ。
しかも全宇宙を支配しようとしているのは、マルチバースの娘で…。
…って、よくもまあこんなへんちくりんな話を思い付いたもんだ。こんなの思い付く人は、天才かバカか。
おそらく監督のダニエル・クワン&ダニエル・シャイナートの通称“ダニエルズ”はその両面を併せ持っている。
天才じゃなきゃこんな作品をまとめる事は出来ない。
バカじゃなきゃこんな発想は生まれない。
劇中でも言ってたじゃないか。バカをすればパワーが増すと。
某アニメソングにもあるじゃないか。♪︎頭空っぽの方が夢詰め込める
本作のインスピレーションの一つが、斬新な日本のアニメーションからというのも何だか嬉しい。
なるほど確かにジャパニメーションを彷彿させる要素も。
バカをしてマルチバースの自分とリンク。“ジャンプする”。
あっちはバカはしないけど、もうこれ、まんま『攻殻機動隊』じゃん!
『攻殻機動隊』と言えばあの革命的ハリウッドSFアクションにも影響与えたよね。本作は所々、その作品を思わせる。
別世界とリンク、別世界の脅威、レジスタンス(みたいな仲間たち)、選ばれし者、己の運命…。カンフーや移動指揮車内なんてあの工作船。
そう、『マトリックス』!
本作は新世代の『マトリックス』だったのかも…?
その他映画ネタ(『2001年宇宙の旅』『レミーのおいしいレストラン』)や細かな伏線も鮮やかに繋ぐ。
だけどやっぱり、このブッ飛んだアイデア!
昨今のマルチバース…つまりはMCUに於いてはヒーローやヴィランのコラボで扱われているけど、本作では“別宇宙の自分”という本来の設定を踏襲しているのがいい。
様々なマルチバースでは…、カンフーマスターの自分がいる。映画スターの自分がいる。料理人の自分がいる。
指がソーセージの世界や生物発生の起点が無く“石”の世界もある。
もし、自分だったら?…と、想像膨らませてみるのも楽しみの一つ。
そんな別世界の自分とリンクして…何だか昔、『ドラえもん』見てた時のワクワク感。
幾つものマルチバースや自分が目まぐるしく交錯して展開。
何だかここも分かりづらいと叩かれてるけど、いやそこが面白い所なんじゃないの!
別宇宙の自分がジャンプ。能力が備わり、性格も変わる。
特にそれがユニークだったのは、夫のウェイモンド。“この宇宙”では冴えないのに、“別宇宙”がジャンプしたらキリッと切り替わる。キレッキレのカンフーと、あのウィンクにはやられたね。
登場人物はそんなに多くはない。でも各々が一人数役こなしているようなもんだから、ある意味アンサンブル劇!
ヒューマンドラマの実力派女優としてのミシェル・ヨーとアクション女優としてのミシェル・ヨー、両方を一つの作品で見れるのが嬉しい。
他にもコン・リーやチャン・ツィイーもいる。でも、ミシェル・ヨーなのだ!
監督コンビは彼女ありきで脚本を書き、断られたらどうしようと思っていたという。ヨーは、ハリウッド作品では単なる背景や空気でしかないアジア人中年女性を主役にしてくれた事が嬉しくて堪らなかったという。
望み、望まれたケミストリー。
娘(マルチバースではヴィラン)役ステファニー・スーの容姿に関して叩いている輩もいる。美少女の方が良かったなどと。この役、美少女アイドルだったら合わなかっただろう。あの母親や世の中に対してのうんざり感、マルチバースでのふてぶてしさが絶品だった。もし日本だったらまたバカの一つ覚えみたいに橋本環奈みたいな美少女をキャスティングするんだろうなぁ。
ジェイミー・リー・カーティス姐さんも宿敵ブギーマンみたいなしつこさと異形で襲い掛かってくる。ちゃんとユーモアも交えて。
父役ジェームズ・ホンは御年94歳、キャリア70年以上の大ベテラン! 惚けた父だが、その存在や設定にも中国問題の一つ、家父長制を提起させる。
キャストで最大の話題が、キー・ホイ・クァン。
近年稀に見るカムバック。彼の経歴についてはもう充分知られているので、わざわざ語る事もないだろう。
ユーモラスで、哀愁あって、人間味あって、アクションも披露して、美味し過ぎる役所。
また、キー・ホイ・クァンという役者自体が本作(=マルチバース)を表していた。
80年代は子役として活躍し、役者の道を一旦諦め裏方へ…。
もし、あの時役者を続けていたら…? もし、あの時映画界を去っていたら…?
全く別の人生を送っていたかもしれない。ジャッキー・チェンが夫を演じ、クァンはそれを観客として見ていたかもしれない。
裏方でもいいから、映画の世界にしがみつき留まっていたから…。
彼はこうして帰ってきた。素晴らし過ぎるカムバックで。
『インディ・ジョーンズ』の子役、昔のジャッキー・チェン映画にも出ていたアクション女優…。リアルタイムで見ていた人には感慨深いだろう。
これは同窓会ですか!
マルチバースの危機を救う…なんて聞くと壮大なSFと感じるが、本作は各々個人に行き着く。
もし、あの時ああしていたら、ああだったかもしれない。
もし、その時そうしていたら、そうだったかもしれない。
もし、この時こうしていたら、こうだったかもしれない。
人生はほんの些細な決断や選択で無数に枝分かれしていく。
あの時ああ選択していたら、この時こう決断していたら…。
結果は変わっていたかもしれないなんて、誰だっていつも思う。良くも悪くも。
もし、今冴えない人生だからって、決断ミスだったのだろうか…?
もし、今何不自由ない人生だからって、心底幸せなのだろうか…?
今の人生。こうだったかもしれない人生。あり得たかもしれない人生。
それら無限のマルチバースの中から、今の自分がいる。
選ばれし自分などではなく、それが自分なのだ。
存在を成し、意味を成し、今ここの自分に行き着く。
無数の自分は、一つ。
その時、今の自分と周りに、何が見えてくるか。何が大切か。
向き合う事。受け入れる事。理解する事。愛する事。
優しいだけが取り柄の夫、反抗期の娘、惚けた父だって、破産寸前のコインランドリーだって、どん底人生だって。
温もり感じ、愛おしくなってくる。捨てたもんじゃない。
突飛な奇想天外映画である。
エキサイティングな映画である。
究極のおバカ映画である。
そして、普遍的なメッセージに溢れた珠玉の映画である。
追記その1
本作の話や設定を訳が分からない、理解不能という意見に対してもう一つ。
多くの人が『アバター』を平凡な話だと言う。平凡だったら平凡で退屈だと言い(『アバター』は映像世界に没頭出来るよう敢えてキャメロンの優しい配慮で話はシンプルにしているのだ)、そのくせ少し複雑になると訳が分からない、理解不能と言い出す。何だかなぁ…。どうしろっちゅーねん。
追記その2
本作の略したタイトルが、如何にも配給会社の流行りワードにしようとしている魂胆が見え見えで好かん。何でもかんでも略せばいいってもんじゃない!
残念だった。
前情報や予告から、
これは人生を変える映画になるかもしれない
などと大袈裟なことを考えながら見に行った
結果、人生は変わりそうに無い
母と娘の確執が本筋となっていて
母が娘のガールフレンドを父に紹介できなかった
ことが布石となって話が進むのだが、
なにぶんマルチバースの説明が長い。
おたのしみとして
まるでレミーの美味しいレストランのシェフや
ウォンカーウァイの世界観のカップルを挟んでいるのだが長すぎる。
本当に眠くなるレベルで長い。
し、本筋どうでも良くなっちゃうよ、
もっとそこを見せてよって思ったし、
それ以外の要素がたんまり入れられると
まるでエンタメが無ければこの話が映画として成立しないみたいじゃんか。
ガッツリ母娘の話で90分で良かったよ。
もう始まって序盤のアクションシーンで、
観たかったの"これじゃない感"に苛まれてましたよ。
おそらくギャグのセンスやらも合わなくて、
何となく笑うというより、失笑に近かった。
たださ、娘の気持ちは嫌というほど理解出来るし、
その辺の諸々やられちゃうと涙出ちゃうんだけどさ。
しかも今回それを(やり過ぎだとしても)マルチバース
という形で、うまく見せたわけだし凄くはあるのよね。
娘は、自分が母親の理想になれなかったことを気にしていて、母親の別の人生を考える。そんで、今起きてる事はすべて無意味だなんて言い出しちゃう。岩になったりしちゃう。(このシーン、良かった)
その結果、母親の「あなたを選ぶ」という言葉を引き出す。
なんかここでさ、エンタメ盛り盛りのパラドックスを見てきた君らはそれで納得でいいかもしれないけどさ、現実はどうなの?って思ったりしちゃった。
パラドックスもマルチバースもない現実世界で、本当に母親はその事に気付けるの?そういう答えを出してくれるの?パラレルワールドを選ばない保証はあるの?無いから映画が見せてくれたの?気づかないから映画が教えてくれるの?
と、取り止めのない私的なことを考えてしまいましたよ。。
そんでもって、私はもっと痛い気持ちとして表現出来るんじゃないかと思ったし、こんなモンじゃない、と思った。もっと、もっとだよ。こんな痛みじゃない。
真の武術とは暴力を止める事。愛の物語です。
大のカンフー好きですが、予告の時点でSFを期待してたので寧ろ思ってたよりアクションみれて良かったと思いました。
前半は何層にも重なったマトリックスみたいな話だと思いながら見ていました。
それが段々とエヴァみたいな話だなと思えてきた。
当方エヴァは1番最初の映画化1作目までしか観ていません…
毎日バタバタで地獄の様な日々に追われてるが、別の世界線ではいろんな可能性があった。
現実問題、誰かが作りだした価値観"正しさ"により、
人種も老いも若きも男も女も全ての人々が揉めに揉めまくっている。
悪意ある誰かの作り出したシステム"ベーグル"
皆が皆、本当にあなたが憎くて嫌な態度を取っているだろうか?
価値観は後から後から、その時の勝者の都合に合う様に塗り替えられ植え付けられるもので、見る角度が違えば善意も悪意に見えるもの。
本当はそんな事で揉める筈ないのに現在は壊滅的なとこまで来てると思います。SNSなどの壁によってね。
フィジカルの暴力も言葉の暴力もマウントを取るとかいうが、歴史はどんなに間違った事であっても勝った人の言う事が正義になります。それは人間が勝手に作ったルールであり、本来なら勝ち負けではない。
相手を押さえつけて勝ち取った勝利では平和は来ない。
それは独裁者が取って代わるだけで結局は何も変わらないのです。メキシコのギャングみたいに…
ファシズムで勝利しても人の心は変えられない。
人の心を変えられるものは愛と許しのみ。
不幸な境遇を人のせいにする事ではない。相手じゃない、自分の弱さに打ち勝つ事こそが本当の勝利なのだ。理解や多様性はここがスタート地点。
これは武術の真理でもある。
手を出さずに丸く収まるならそれを1番最初にする。
手を出すのはやむを得ない最後の行動。
人間は全て距離感、関係性。声のトーンや表情が見えないと相手が何を思っているかの本質は見えてこない。
皆が今隣にいる人にやさしくなれれば自然に争い事はなくなります。
壮大な親子喧嘩
ハイパースーパーアメリカ映画
前半はブラックジョークと下ネタだらけで久しぶりに映画館で腹抱えて笑いころげた
毒親に育てられた人が子供育てるのは大変だよな~おもた
A24イズム満載の演習の場面もあって嬉しかったわん
後半はちょっと感動した、泣く程ではないけど
あと色んな映画のオマージュを感じてよかった
発狂する唇+シンエヴァ
エヴァやグレンラガン、まどか☆マギカなど2000年代以降のアニメや漫画でよくみた展開が続き、
最後までこのような系統の話の想定の範囲内という感じでした。
パクってるとかいうつもりもないのですが、「あーこういう感じならそうなるよね」という既視感が続き、突拍子のない話のはずなのに「まさかそんな展開に!?」という驚きがなく自分には退屈に感じました。
有名なアニメ・漫画なら見てみるくらいの自分でも似たような展開の作品がいくつか思いつくので、いろいろよく見る方ならもっと既視感を強く感じるかも知れません。
アフターヌーンの漫画にありそうな感じです。
逆に、2000年代以降の日本のアニメ・漫画にあまり触れてない方が見たらすごく面白いかもしれないので、海外で色々な賞を取っているのも理解できます。
実写で超大作というほど予算もなさそうなので話のスケールに映像が追い付いていないのも残念です。
主演にミシェル・ヨーさんのキャスティングとかは面白いので、もっとそれを生かしたメタネタとか入れれば面白かったかもしれませんね🙃あとイワトーーク!はちょっと面白かったです
映画界のポリコレ表現……もうええて
※2023.03.05加筆
映画のポリコレ的な表現
性的マイノリティや、アジア人俳優を起用して
理解を求めるみたいな展開……まだ、そこに居るの?
その割には犬(ポメラニアン)を振り回して武器にする表現があったり
コインランドリーに来た客を「鼻がデカい女」と揶揄したり。
何に対しての配慮なんだか
どの表現に対する自由なんだか……
結局、性的マイノリティ、アジア人の器用もファッションでは?
「今こういうのがクールなんだよ」と
本質分からずノリでやってる感じ
下品な描写をアーティスティックに見せようとしてる感じもシラケる。
ドヤってるけど、スベってる。
これが今のアメリカの価値観なの?
これでアカデミー賞本命?
マジかよ。
この映画の良さが分からない人たちは
単純明快なエンターテイメントを求めるタイプなのか、とても幸せな人生・家族の中で育った人たちなんだと思いました。
マトリックスや猿の惑星、たくさんの映画のオマージュやパロディ調の笑いのシーンを交えながら(ホットドッグ指はさすがに苦笑いでしたが)普遍的な生きる意味や人との関わり方を、夫婦・親子の関係性の中で本当に美しく表出した作品だと思いました。
監督方がインタビューでいっていた移民家族の葛藤、生きることに必死でこれで正しかったのかわからず、さまざまな後悔の中で生きていく様。エヴリンもジョイも親から期待外れのメッセージを受け取り、自分の人生の意味を見失っていきます。エヴリンはそこに夫のウェイモンドの優しさも浅薄さ、幼稚さにとり、映画の世界のロマンスや、出てきた「アルファ」ウェイモンドにも想いを馳せます。
でもさまざまなウェイモンドから、優しさは何も考えてないのではなく、彼の戦い方であることを知り受け止めていく様も、どうせ全てに意味がないなら投げ出したいとブラックホール(ベーグル)に吸い込まれていこうとする娘に、たとえ意味がなくとも、長い世界の中での一瞬でも私はあなたといたい、と石になった娘を追いかけ、現実で離れようとした瞬間に、最後にやっと、まっすぐ伝えて抱きしめるシーンに私は涙が止まりませんでした。人の寂しさは完全に埋まることはないけれど、瞬間瞬間に誰かに理解され必要とされる、あなたといたいと思ってもらえる。その思いと繋がりが生きる一つの原動力になると改めて感じることができました。
このメッセージ性をシリアスに、他の回り道なしに表現する映画は沢山あると思います。でもこのはちゃめちゃに見える映像のツギハギで、最後に見せる世界観だからこそ伝わること、伝えられるものがあったと感じました。
私はアカデミー賞のノミネート数は至極納得でした。また重ねてみたい映画です。
壮大な親子喧嘩
実は直前までノーチェックの作品だったが、アカデミー賞ノミネートうんぬんで紹介されてる記事を読んで、にわかに興味を持った。しかも、「スイス・アーミー・マン」の監督だというので、さらに。あのちょっとヘンテコな世界観、けっこう気に入ってるのだ。今作も、やっぱヘンテコ。で、よりヘンテコのスケールが大きくなった。俳優の数も、セットの規模も、前作とは段違い。
根本的には中二のこじらせ。下ネタやゲロとか、こども(特に男子)は大好きだもんね。だけど画はきれい。白い窓の白いカーテンとか、峡谷を見渡す崖の上の石とか、黒いリングが十字架のように鎮座してるのとか。ジョブのファッションもおもしろい。ちょっと渡辺直美を連想しちゃった。
中年女性が主人公、娘はぽっちゃり、と、美男美女がいない映画。でも、普通の人間にだって、ドラマはある。私もジャンプしてみたい。指の間を切るのは嫌だけど。下品でくだらないジョークを許せるなら、この映画を楽しめると思う。
キー・ホイ・クァンの目が、子供の頃と同じく、黒曜石のようにつややかだった。
スイスアーミーマンが宇宙の中心で愛の讃歌。と言うか、おバカンフー。
ダニエルズですもん。何と言ってもダニエルズですもん。更にルッソ兄弟が製作に名を連ねるA24作品。普通のおバカで終わるタマじゃなければ、感動のバーゲンをする訳もなく。
家族愛・人類愛を、捻くれ者が照れ隠しで、おバカンフーにしちゃいましたけど、見たい人だけ見てちょーだい!的な。
最高に楽しかった。
マジで。
楽しかった。
とっても!
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3/11 追記
「スイスアーミーマン」って、科学的な根拠の部分って、突っ込んだらアホじゃないですか。と言うか、あほらしさのインパクトから、真面目に考えようとする人はいないと思うんですよね。だから、これもそうだと予想してたんですよ。映画界にはびこる「マルチバース」を逆にコケにしに来るんじゃないかと。
で、実際、多少そういうところはあるんですよ。ハリウッド大作って、この手のマルチバースだのの設定のあるSciFものには、「だれがそんなものを作った?」なんて言う、大掛かりな設備や基地があったりしますが、今回はバンです。VANです。VANに取り付けられた歯医者さんの椅子みたいなやつと脳波計に、極めつけはドラゴンボールを探すドラゴンボールレーダーみたいな小道具。マルチバースが、地下鉄の路線図的なんが止めですw
そもそもがですよ。
SciFものに「量子論」を持ち込み、実際、量子の力を借りながらも、映画のスクリーン上では依然として人間の形をしている登場人物たち、っていう時点で、科学的な論拠よりも描写の方を優先してるわけです。ドクター・ストレンジじゃ、量子の世界が登場すると、空に渦がウズウズ巻いてたりします。つまりは、そこからは「ニュートン力学」が通用しない「量子の世界」。モノは、その形からしてニュートン力学で結合している、今の、この3Dの世界のそれとは、根本的に異なるはずですが、創作物では、そこは描写の自由で、割とフリーになってたりします。
で、本作ではベーグルですよ。
あれの意味は「ニュートン力学が崩壊した世界」。単純なブラックホールではありません。
「どんな選択をしても、それは量子の確率論の海に消えてしまう」
とは、ジョブ・トゥパキの言葉。本質を、シンプルに詩的にしてて。いや、かっこよくてニヤってしてしまいましたけどね。ででで。そこから、
「ならば、全てを、その海の中に入れちゃうわ」
なんだと思われ。
この「ベーグル」は、多分いろんなものを象徴している。新しい秩序。それまでの規則に縛られない、自由な世界。まぁ、いろんな言葉で言い表すことができるもの。
それは良いけど、やっぱり愛だよね、家族愛だよね、って言うオチ。
と。人生は選択肢の連続。その枝分かれした今の世界に生きる、今の自分を大切にせよ。と言う、べたのダメ押し。
だから、結局はベタなんですよね。ベタベタ。エブエブの本質はベタベタですよ。で、SciFをコケ、と言うかお笑いにしてる。この塩梅、しょっぱさが、個人的には堪らなかったです。
これは、iMaxである必要は、無いかと思います。
タイトルなし(ネタバレ)
今月末に引っ越す予定の立川に。シネマシティはそこそこ混んでたのでドラクエウォークしながら一時間歩いてMOVIX昭島に行ってみた。こちらはいつもながらガラガラで、ちと可哀想だった。
作品はあちこちで耳にする高評価からかなり期待して見に行ったんだが、マルチバースの解説とか刺さる部分も確かに多いけど、舞台と登場人物がかなり限定されてたり、個人評価はそこまでではなかったかな。皆さんのレビューとか読むと感想も変わるかもですが。
ミシェール・ヨーは軽快な動きの部分のダブルももう少し上手にすり替えてほしかったし、スター女優のバースのシーンはもっと綺麗に撮ってあげて欲しかったなあ。キー・ホイ・クァンは冒頭のモニター越しでの軽快な動きとそれに気づかぬ主人公から、後でさらなる大活躍が見られるかと期待したのだが、活躍するのが別バースの彼だったのが残念。ちなみに使われる中国語は、お父さんは広東語のみ、その他は北京語、ミシェール・ヨーは間に入って両方使ってた。
多元宇宙すごろく。
同じマルチバースを扱ったアントマンとは桁違いの低予算、しかしかの作品より全然見ごたえある作品だった。
ルーレットで出た数字次第で未来がコロコロ変わる人生ゲームのように可能性の数だけ広がる多元宇宙。
確かに可能性の数だけ自分が存在するとしてもアニメや落書き、あげくに石ころはないかなあ。生物発生しない世界の石ころは石ころだから思考や会話はできないだろう、なんて硬いことは言いっこなし。所詮何でもありのコメディー作品なのだから。
多元宇宙に存在する他の自分と自由にアクセス出来る技術が開発されたことがきっかけで、邪悪なジョブトゥパキが誕生する。彼女は主人公のエヴリンを狙っており、開発者のウェイモンドによって知らされる。
ジョブトゥパキと戦うには同等の力が必要、すなわち多元宇宙の他の自分にアクセスしてその自分が持つ技術をダウンロードすること。この辺はマトリックスみたいだ。このアクセスする際の「ジャンプ」がいちいち馬鹿げたもので可笑しい(ほとんど罰ゲーム)。
本作のこのアイディアはまんまボードゲームにすれば売れるかも。
ちなみにジョブトゥパキは全ての多元宇宙の自分と常時繋がった状態なのでジャンプは不要。
ジョブトゥパキは無限の力を手に入れたにもかかわらず何故ベーグルブラックホールを作り、自身を消滅させようとしたのか。すべての可能性の自分とつながったことで逆にあらゆる人生の可能性を失ったために絶望して自分を滅ぼそうとしたのだろうか。同じ能力を持つエヴリンを道ずれにして。
しかし、結局は母の愛が彼女を引き止める。無限に存在するマルチバースであっても母の愛は共通だということなのか。夫の妻への愛も。
多元宇宙なんて考えだしたらきりがない。仮に存在したとしても次元の違う世界を往き来できるわけもないのだから、本作はタイムスリップもの同様に深く考えずに楽しむのがいい。
多元宇宙の他の自分につながれたら現世界では天下無敵になれるという娯楽作品。ワンアクションごとにサンドイッチマンやシェフになるあたりも非常に可笑しかった。
このカオスな世界をすべて理解したい
マルチバースの自分の能力を吸収して巨悪な敵と戦うという斬新かつカオスな展開がとても面白くハマった。
どの世界もユニークで面白かったが、中でも指ソーセージはぶっ飛びすぎててめちゃくちゃ笑った。
自分はMCUでマルチバースの概念を知っていたからスッと入ってきたが、マルチバースはじめましての人は理解出来たのだろうか?
めちゃくちゃ笑ってからの家族の確執が解消するシーンや色んな世界の自分を知っても結局自分自身を受け入れるシーンは感動した。
まさかこんなカオスな作品で涙するとは…。
ハチャメチャな内容だけど意外と深い意味やメッセージ性ある作品だと観終わってから気付いた。
コメディエンタメムービーとしてラフに鑑賞してしまったがゆえに正直半分ぐらいしか理解出来てないと後悔。
近々改めて視点を変えてしっかりと鑑賞しようと思う。
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